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2014-01-14 「捨て駒」がなんだかわかってない奴、多杉

[] 「捨て駒」がなんだかわかってない奴、多杉  「捨て駒」がなんだかわかってない奴、多杉を含むブックマーク  「捨て駒」がなんだかわかってない奴、多杉のブックマークコメント


今日は『将棋世界』の取材があるのだが、将棋のこと考えていたら寝れないので将棋について日頃思っていることをぶちまけてみる。


もう何度目にしたかからないのだが、小説ドラマでよく「捨て駒のように俺を粗末に扱いやがって」みたいな表現が出てくるのだが、これが将棋しから見ると極めておかしい、誤った表現である将棋について理解のない人にとって「捨て駒」とはそういう認識なのだろうが…。今回はこのことについて詳しく説明する。


まず、将棋捕獲した駒を手駒に出来る。これはチェスとは違った特徴であるチェスは手駒という概念がないので、取った駒はただ盤上から消えていく。将棋は違う。手駒になる。銀は4枚しかなく、初期盤面では先後2枚ずつ割り振られているが、相手から1枚取るとこちらは盤上に2枚、手駒で1枚と併せて3枚になる。相手は盤上に1枚だけであるから、3対1の戦力になる。


銀の価値が300点だとしたら、相手から1枚タダ取りするとどうなるだろう。


自分 = 銀三枚 = 300×3枚 = 900点

相手 = 銀一枚 = 300×1枚 = 300点


このとき相手との差は600点あることになる。価値の倍のスコアだけ得する。このスコアのことをコンピューター将棋では「交換値」と呼ぶ。つまり駒を取ると駒の価値分のスコア変動があるのではなく、その倍である「交換値」の分だけスコア変動がある。この意味において将棋チェスの倍のスコア変動がある。だからチェスより将棋のほうがスコア変動が激しいゲームなのである


また、将棋ではチェスと異なり、駒を打つことが出来る。桂による両取り、銀で両取り、角で両取り…枚挙いとまない。つまり駒を持つことで、その駒でさらに駒得を拡大できるのであるさらチェスだとなかなか成りは出てこないのだが、将棋だと敵陣が3段もあるので中盤で比較的容易に成り駒が出てくる。


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特に「歩」が「と」になったときの昇格などは凄まじい効果があり、(にわか金持ちになった人を)「成金」などと言うが、それは、この将棋の「と」(成って「金」と同じ移動特性を持つから)から来ている。


このように将棋では駒得してからスコア(≒形勢)は、ワンサイドになりがちで、しかもその上がり具合は果てしなく急激で、チェスのそれとは比べ物にならない。このように、チェス将棋は類似のゲームに見えて、スコアに関してはずいぶんと異なる性質を持つゲームなのである


ということは、序盤でわずかな駒得でもするとそれにより、優位を拡大出来ることがわかる。駒の価値で一番低いのは言わずと知れた「歩」であるが、無条件で歩損するわけにはいかないことは上の説明ですでに明らかである。一歩千金などと言うが、序盤における一枚の歩で勝敗が決してしまうのである


そこで普通はお互い歩を損しないように守る。(歩が取られたら、取り返せるように後ろから駒を利かす) そうなってくるともはや無条件で駒得することはできない。では、何の得をすればいいのか。


勝つためには歩より細かい得を積み重ねる他ない。歩の価値が100点、歩の交換値が200点だとしよう。100点の得は無理だから、50点、いや30点でもいい、というようにわずかな得を積み重ねるのである


例えば、飛車先の歩の交換である。次図で、2四歩、同歩、同飛、2三歩、2八飛の5手進んでみると2五にあった歩が自分の手駒になっている。歩を得したわけではない。自分の盤上の駒が自分の駒台に載っただけだ。しかし、将棋指しの間では、この交換は大いに得なのだと言う。


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手駒になった得(手駒はどこにでも使えるから)、銀の進路が出来た得(自駒で別の自駒をとることはルール上できないので、自駒があると邪魔で進めないから)、飛車の利きが自駒で遮断されずに2三の地点に直通している得など、点数で言うと50点ぐらい得をしているのである


まり、このような交換をされると50点の損だから、後手としてはこのような交換をさせないように当然ながら対策をしてくる。


例えば次図のように3三に銀を持ってくる。こうするともはや歩の交換はできない。(同歩と取られて、飛車で取りかえそうとすると、3三の銀で飛車を取られてしまうため)


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まり、歩を無条件でタダ取りするなどということは初心者同士でしか成立せず、歩のタダ取り(200点)の価値の1/4ぐらいの得を巡って戦うのであるが、それすら有段者では無条件にさせることはない。プロ世界だとさらに細かい得を巡って戦う。点数で言うと10点やら5点の得である。駒の形(位置関係)がわずか相手より良いだとか、駒の形ではわずかに負けているがその分、駒の働きが相手よりわずかにいいだとか。


そのわずかに出来た形勢の針の穴ほどの差を錐揉みで拡大してダムを決壊させてしまうというのがプロ将棋なのである


しかし、形勢を拡大すると言っても実際はそれほど簡単ではない。例えば下図のように駒と駒がお互いに利きがある場合、駒をタダ取りすることは出来ない。(駒を取れば取り返されるため)


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このような形において駒を渡さずに一方的に駒だけもらうことは基本的には不可能なのである。ゆえに必然的に駒を渡しながらの攻めになる。相手に駒を渡すのだから、相手はその駒を使ってくる。よほど形勢に差があれば話は別だが、プロ同士の戦いであればそうはいかない。将棋は相手の王を一手でも先に詰ませたほうが勝ちのゲームから、相手の王が持ち駒的に見てピッタリ詰む状態になれば即座に詰みに討ち取らなければ逆転しかねない。プロ将棋においては駒を貯めるだけ貯めて余裕を持って詰ませるなどという状況はよほどでない限り起こらないのだ。


もちろん、駒は欲しい。もらえるものなら一枚でも多く欲しい。たくさんあれば容易に詰ませることが出来るからだ。だけど、そんな余裕はないのが現実なのである。お互いが最善を尽くすので、詰みが見えた瞬間に詰ませることが出来なければ、そこで逆転しかねないのである


そのためには駒の効率を最大限に求めなければならない。その最たるものが捨て駒である。駒を少しでも欲しいのに、その駒を捨てるとはなんということだろうか。しかしそれにより、駒の働きを最大化し、敵玉を詰みに討ち取ることが出来るのである。よく考えて欲しい。このときに捨てる駒を獲得するために自分はどれだけの犠牲を払ってきただろうか。


駒は無条件では得られないことはすでに説明した。そして、無条件には1歩たりとも得られず、1歩どころか、その1歩の1/4すらも無条件では得られず、いやプロ将棋であれば、その1/4のそのまた1/10すらも無条件では得られない。つまり、その駒のために大きな代償を払ってきたわけである。そのような大きな代償を払ってやっと獲得した駒、本当なら捨てたくない駒、捨てるどころか、もっともっと欲しい駒。


それを捨てるのは、それこそ断腸の思いなのである。とても惜しいし、捨てずに済むなら捨てたくはないし、ずっと生きていて欲しい。例えて言うなら、恋人心臓の病で、心臓移植必要だと。だけどドナーがいないので、自分自殺して、自分心臓恋人に使ってもらう。捨て駒をするにはそれくらいの覚悟決断必要なのだ


捨て駒は、捨てたくて捨てている駒ではないのである。まして、捨て駒だからと粗末に扱っているわけでは決してないのである。その捨てるための駒を獲得するためにどれほどの代償を自分がいままでに支払ってきたのか。そうして得たわずかな、そして、かけがえのない駒なのである


王様「すまない、お前たちの命、大切に使わせてもらうよ。本当にすまない。本当に…」

捨て駒たち「いいってことよ。気にすんなよ。俺たちは誰もが王様がどれだけの代償を払って自分たちのことを良くしてくれたか本当に知っている。俺たちのうちの誰も王様のことを恨んだりなんかしないさ。それどころか俺たちのための大舞台最期に用意してくれたんだからな。俺たちの働きっぷり、とくと見ていてくれ。死に物狂いになれば、俺たち、いつもとは違うほど働けるんだぜ?」

王様「お前たち…」


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敵の王「ククク。1三の地点は狭いように見えて意外と安全じゃゾ。2二銀打には同角で詰まない。手駒に金が二枚あれば話は別じゃが、無い物ねだりは良くないゾ。」


2三の銀(年上の兄貴)「そんなことはない!お前を倒すのは、俺たちで十分だ!」


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敵の王「何を馬鹿な。自滅しよったか。口ほどにもない奴め。同香と取れば2三金までだが、そんな馬鹿なことをするはずもなく。ここは同玉で何事もないわ!フォッフォッフォッ。」


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敵の王「次に2三銀とまた打ってきたら1三玉と上がれば、さっきの局面から手駒の銀をいたずらに消費しただけの局面に戻る。さっきの馬鹿兄貴とやらは全くの犬死にというわけだ。」

手駒の銀(年下の兄貴)「ば〜か。誰が2三から打つかよ。お前はこうだ!」


f:id:yaneurao:20140114024525p:image


敵の玉「なんだこれは!?2一玉は3一金までか。ならば、同玉ッ!これで最初局面から2三にあった銀がただいなくなって、そして、手駒の銀もなくなっただけではないか。どうだ、手駒の金よ。お前の二人の馬鹿兄貴無駄死にしたぞ!フォッフォッフォッ。」


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手駒の金(妹)「二人のお兄ちゃんの命、無駄しません!上のお兄ちゃんは、2三の地点に空間をあけるためにその命を捧げました。下のお兄ちゃんは、上のお兄ちゃんが移動させたあなたをただ元いた1三の地点に戻すためだけにその命を捧げました。二人のお兄ちゃんが頑張ってくれたおかげで…わたしはこの2三の地点に打つことが出来ます!」


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敵の王「ぬおォォォォォォ!!!そんな…馬鹿な…あれが犬死にではなかったというのか。お前ら馬鹿どもが協力し合い、自らを犠牲にすることで明日へ希望をつなげたというのか。」


2三の金(妹)「2三の地点…、お兄ちゃんがいた2三の地点、まだ温かい…。お兄ちゃんの温もり、いまも感じます。わたし、手駒になれてよかった。お兄ちゃんたちと一緒に手駒になれて本当によかった。下のお兄ちゃんのことを信じて1二で逝った上のお兄ちゃん。そして、上のお兄ちゃんの意志を受け継いでわたしに未来を託すため、1三から敵の王の位置を元の位置に戻すためだけに自らの命を捧げた下のお兄ちゃん。わたしは二人のお兄ちゃんと同じ駒台に乗れて本当に幸せでした。お兄ちゃん、ありがとう…本当にありがとう…」

                                           Fin.


こうだよ、こう!捨て駒っていうのは、こうなんだよ!!(怒)

わかったら、お前ら小説家脚本家は、もうちょっと捨て駒についてちゃんと考えてから書きやがれ。


■ 追記


チェスでは捨て駒はsac.と表記する。sacrifice(=犠牲)の意味だ。KNIGHTQUEEN犠牲となりKINGをお守りするのであるKNIGHTQUEENは決して自分KINGに捨てられたとは思っていないだろう。自らの意志KINGをお守りしているのである


そういう意味ではチェス将棋では世界観が違うのだろうし、「捨て駒」という語感からは、(捨て駒側が)「自らを犠牲にして王様をお守りする」という精神性は読み取れないので悪いイメージがつきまとうのも無理はないのかも知れないが…。

wagiwagi 2014/01/14 04:47 主旨に対する反論ではないのですが、
将棋慣れしているほど最後の例えは捨て駒たちによるシナジーというより、
「ああ、よくある邪魔駒を消す問題ね」という認識になりそうな気がしますね。
これだと一般の「捨て駒」のイメージよりもむしろ真っ黒なストーリーのような気が……

yaneuraoyaneurao 2014/01/14 05:18 > 「ああ、よくある邪魔駒を消す問題ね」という認識に

いやー、詰将棋慣れしていれば、この最初の23の銀は、直前に打っていることはわかるはずで(打つ前の玉は22)、これは本来は7手詰めであることがわかりますから、23に銀を打って、打った直後にそれをわざわざ12に捨てて消去したあとまた銀を捨てて13に呼びこんでいることになります。

この意味で、邪魔駒消去型の問題ではなく、2駒使って22から13の地点に敵玉を誘導する問題で、敵玉を1升移動させるために2駒使い、3枚目の駒でトドメを刺すという3枚を1つの駒かのように使う問題と言えるのではないでしょうか。その意味で、本文のストーリーは私はアリなのかなと思いました。

SS 2014/01/14 09:42 そもそも、玉が22にいた時点で23金打とすればよいのでは。

yaneuraoyaneurao 2014/01/14 11:54 ↑23金21玉以下王手は続きますが詰みません。

パーセニーパーセニー 2014/01/14 14:26 小説の中において、個人の意思は往々にして伝わりづらく、王のような指揮指導する人間は感情を特に与えづらい立ち位置だったりします。

結果として「犠牲になってくれ」などという言葉が交わされる事もなく「言われるままに死地へと赴く」「騙されてそこにいる」などの状態の事を「捨て駒」と当人は感じるのではないかと思います。

お国のために命を費やすにしても、家族のためとしても、覚悟を決める時間は少しほしいですよね。ラノベや童話・逸話なんかだとハードルなく以心伝心出来てるシーンとかあって、描写されていない所がどうなってるのか、私気になります。

と、将棋に関係のないコメントでした(´・ω・`)

Hajime_ItuakiHajime_Ituaki 2014/01/14 14:47 しかし銀金兄妹は敵王の元側近なのであった…(いやそうとは限らないけど)。
それはともかく、

>(略)、自分が自殺して、自分の心臓を恋人に使ってもらう。
>捨て駒をするにはそれくらいの覚悟と決断が必要なのだ。

なら「捨て駒をすれば簡単に即詰み、しなくても確実に勝てるが相当長引く」場面で
捨て駒をしないのか? と言えばするでしょう?
それって小説やドラマで言う「捨て駒」の用法に近いと思いますが。

そもそも「捨て駒」以前に、「駒」に対する世間のイメージがどうかって話な気がしますが、
でも将棋指しにとって「駒」のイメージとは、そこまで「指し手を全面的に信頼尊敬し、
指し手のためなら喜んで犠牲になる」ような都合のいいものものなんですかね…?
将棋も指すけど到底そうは思えないんですが。

yaneuraoyaneurao 2014/01/14 15:12 ↑ > 将棋指しにとって「駒」のイメージとは

このへんは、文化圏の違いかも知れませんね。本文にチェスのことを追記してみました。

abcabc 2014/01/14 15:18 全体として意味があっても、その駒(人)にとっては切り捨てられているのに他ならない。という意味じゃないですかね?
ポジションの違いによる視点の違いかと。

将棋の場合だと、取られた駒は再利用可能(命は取られない)なので、囲碁のアゲハマのほうがイメージに近いかも??

yaneuraoyaneurao 2014/01/14 15:35 ↑> 全体として意味があっても、その駒(人)にとっては切り捨てられているのに他ならない。

これがですね、「捨て駒」という言葉ではなく、「犠牲」という言葉であれば、その駒が自らが進んで犠牲になったのかも知れませんから(チェスではたぶんそういう考え方)、そこを将棋では「捨て駒」と呼んでしまうところに文化圏・世界観の違いがあるのかなと思ったのです。

将棋では
1) 王様が他の駒を使役しているのか
2) 駒それぞれが自らの意志によって動いているのか
3) プレイヤー(神様)が自陣のすべての駒を使役しているのか
という、3つの視点がありますね。

いずれで考えても面白いとは思うのですが、3)の視点で見たとき、プレイヤーが自陣のすべての駒を大切に扱っている以上、彼らは客観的に見ても粗末には扱われていないし、そして、皆一様に幸せなのだという、私にはそう思える、という話です。

warawara 2014/01/14 20:01 なるほど神であるプレイヤーが駒を動かしているという視点ですね。自分は将棋は戦争ゲームで王の命令で動いているというふうに捉えていました。

例え10点でも得するように動くという解説が実に面白いですね。
早速オンラインの将棋ゲームを探してみます。

OKIAGARIKOBOSHIOKIAGARIKOBOSHI 2014/01/14 22:36 このくだりをずっと見ている3五の桂さん目線でのひと言。「次の対局あるんでそろそろ帰ってもいいすか。」というシュールなセリフに、王様の「お前おらんかったら成り立たたへんやろが!」という内輪揉めストーリーが頭をかすめました。

ssssss 2014/01/15 00:34 まぁ、将棋は捨てる神(player)がいれば、拾う神(player)がいるのでいいんじゃないでしょうか・・・

るんたるんた 2014/01/15 11:44 いきなりの投稿失礼します

私はチェスプレイヤーなのですが(将棋も10年位は続けています)
駒の価値はチェスの方が高いと考えています

チェスは取った駒が使えません
なので、盤上にある駒が全てです
もし、1ポーンでも落としてしまうとそれはかなりの劣勢意味します。(そこから先物物交換進められてしまい、最後に残ったポーンがクイーンになってしまうと負ける)(わざとポーンを捨てて相手を攻撃するのもある)

なので、将棋と比べてチェスの方が駒損してしまったらどうしようもない感はすごいとおもいます。
突然失礼しました。

yaneuraoyaneurao 2014/01/15 16:40 ↑なるほど。参考になります。

ぽぽんたぽぽんた 2014/01/16 21:01 GIGAZINEからリンクから。
将棋の擬人化で同人誌でも作る流れかと思いました。

ところでいつ発売の将棋世界に大爆笑間違いなしのインタビューが載るんですか?

ssss 2014/01/17 10:41 上のお兄ちゃん→「銀一にいちゃん」、下のお兄ちゃん→「銀次にいちゃん」、で良かったかも。

yaneuraoyaneurao 2014/01/17 14:30 ↑それは素晴らしいアイデア!

健 2014/01/18 05:20 すごく面白かったです!

り 2014/01/18 08:07 >『将棋世界』の取材

これは買わねば

話は変わりましてドワンゴが電王戦を毎年開くつもりならSPECint2006かSPEC yaneura kingでも走らせろと言ってやってください。

yaneuraoyaneurao 2014/01/18 08:29 ↑*1 なんか、電王戦関係のオフィシャル本も出るような気配でございます。インタビュー内容はそっちのほうに(そっちのほうが詳しく)掲載されるかも知れません。また、オフィシャル本は電王戦前に発売するとかいうことを風の噂で聞きましたが、それが仮に本当だとすると対局棋譜とかそれに対する解説とかはどうなるんでしょうかね…。

七空白七空白 2014/01/18 16:51 (自粛解禁中なので、そろそろ書き込ませていただきます)
はじめまして。

3〜4年程前だったかに、C++でGDIのダブルバッファとかBitbltとかビデオメモリがどうのこうのという感じの記事を読ませていただき、とても助かりました。(中学時代に将棋指し目指してましたが…にわかではないよーという意味にもなって便利な宣言)

「言われる覚えねーけどなー」かもしれませんが、一応ここにお礼を。ども、ありがとうございます(笑)


やねうらおさんはやねうら王の改良に没頭する局面になっているため、3)の視点を重視したい気持ちになっても不思議はないのかな〜と、間違ってないならば、うっすらわかる気もします。


ある話で「捨て駒のように俺を粗末に扱いやがって」という思いが飛び出すのであれば、1)の視点でかつ使役してる側が酷い、たとえばブラック企業とかだと、これもまた無理がない気がします。


あと、今回の件に当てはまるかどうかは微妙でしょうけど、起源の本来の意味とちょっと違った意味で受け取られてしまって、それが定着してるって言葉って色々ありますね。
※現地語で「私は知らない」→カンガルーとか

あ、「銀一にいちゃん」「銀次にいちゃん」案には同意しときます(笑)

個人的には「今回は」どちらが勝つのもあり、どちらも応援という中立な立場で行かせていただきますが(いずれチェスのように人間が勝つのが難しくなってしまうのかもしれませんけど)

折角やるってことで、見ごたえのある対局になるといいですね(笑)

yaneuraoyaneurao 2014/01/18 22:49 ↑> 一応ここにお礼を

お礼のたこ焼きは常時受け付けておりますゾ。(`ω´)

BANBAN 2014/01/19 03:00 超美麗な画面は開発中のものです
(か?)

yaneuraoyaneurao 2014/01/19 14:41 ↑それは私が愛用している将棋ソフトの東大将棋無双の画面でございます。

名無し名無し 2014/01/22 19:04 自分の事を飛車や角だと思ってる人が「どうでもいい局面で歩の突き捨てのように扱いやがって」と言っている状況もあるかと思われます。

yaneuraoyaneurao 2014/01/22 21:20 ↑面白いですね!

り 2014/01/22 23:00 第24回世界コンピュータ将棋選手権の応募締め切りは2014年1月31日(金)なのですが、やねうら王は参加するのでしょうか?

yaneuraoyaneurao 2014/01/24 14:52 ↑たぶん参加しないと思います。

り 2014/02/04 23:39 将来的には囲碁にも手を出してみたいと考えたりしていますか?

yaneuraoyaneurao 2014/02/05 04:22 ↑コンピューター囲碁は、コンピューター将棋のほうの大会等で優勝できて一区切りついたら、いずれやりたいと思ってます。

siliconesilicone 2014/02/07 21:38 2月に将棋倶楽部24に参戦されるということですが準備の方はもうできてらっしゃるのでしょうか?正座して待ってます。
あと最近のfloodgateで一部で人気が出ているCrazyKingさんは中身はやねうら王さんだったりするんでしょうか?

yaneuraoyaneurao 2014/02/08 02:16 ↑今日のエントリーで書いておきました。

捨て駒がなんだかわかってない奴捨て駒がなんだかわかってない奴 2014/02/16 23:15 今更ながらコメント失礼します。
Hajime_Ituaki 2014/01/14 14:47さんに全面的に同意です。そして、

>自分が自殺して、自分の心臓を恋人に使ってもらう。
>捨て駒をするにはそれくらいの覚悟と決断が必要なのだ。

この辺りの例えがよく分からないんですが、
「自分」だけではなく「恋人」もまたプレイヤーの分身ではないのですか。
例えを将棋に戻せば、「自分」なる捨て駒によって「恋人」なる玉が助かることになる。
つまり、プレイヤーにとっては、駒を捨てる行為とは、
延命行為や、肉を切らせて骨を断つ行為ではあっても、自殺行為にはならない。
「恋人」なる玉が助かるという保証のあるプレイヤーにとって、
捨て駒をすることのどこに自殺のような思いがあるのか、よく分かりません。
また、自殺というのは、死ぬ捨て駒視点の例えのように思いますが、
駒に死んでもらう玉ないしプレイヤー視点の断腸の思いというのはよく分かりません。
「親に死んでもらい、親の心臓を自分に使う」では捨て駒の例えとして不適当なんでしょうか。

結局、現実的には、将棋指しだからといって、捨て駒をする度に
わざわざ何日もかけて駒の人格や人生や気持ちを考えて悩んだり、
自分が自殺するくらい思い詰めたり、そこまではしないですよね。
人のことを自分が将棋に勝つのための従順な捨て駒程度にしか思っていない、
私はあなたの将棋の捨て駒ではないのに、人を人として見ていないのは粗末な扱いである、
という思考パターンはそんなにおかしいでしょうか。

り 2014/02/26 17:34 > なんか、電王戦関係のオフィシャル本も出るような気配でございます。

http://pub.mynavi.jp/ad/wp-content/uploads/shogimook1402_denousen.pdf
『第3回電王戦公式ガイドブック』
<主な予定コンテンツ>
・出場全プロ棋士、全プログラマーインタビュー
<<中略>>
磯崎元洋・嶋静雄(やねうら王)

ごめんなさいごめんなさい 2014/03/05 21:42 中途の将棋的解説は理解できないので読み飛ばしました。
恐らく間違ってはいない、とします。

しかるに、
> これが将棋指しから見ると極めておかしい、誤った表現である。
を導いた
> プレイヤーが自陣のすべての駒を大切に扱っている以上
という仮定が誤りなんです。

自分の大将がボンクラだと知りつつ命令に逆らえず、戦地で無駄死にさせられる武将の恨み節とするなら十分に成立します。

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/yaneurao/20140114

2014-01-10 やねうら王公式サイト

[] やねうら王公サイト  やねうら王公式サイトを含むブックマーク  やねうら王公式サイトのブックマークコメント

やねうら王公サイトのほう更新しました。


やねうら王公

http://yaneuraou.yaneu.com/

f:id:yaneurao:20140110142749p:image


上記サイトは、やねうら王2014の告知(?)以外に女の子のセリフを増やしたり、スマフォで見れるようにしときました。やねうら王2014にご期待ください。


あと、やねうら王は来月ぐらいに期間限定将棋倶楽部24にオートパイロット自動局後学習モード24時間放流するつもりです。お楽しみに。


■ やねうら王2014について


このブログの他の日の記事のコメントでも書いたのですが、バグを産む可能性があったり、ソースコード保守性を下げたりすることはせずに、なるべくソースコードを綺麗に保ちながらガンガン改良していくのが最近の主流なのかなと思っております


また探索は、Stockfishの探索手法以上のことは出来そうにないので、探索パラメーターを自動調整する“KO-BI-TOさん”フレームワークを開発し、探索パラメーターの調整に力を入れたいと思っています


あとNDF手法に関して論文が公開されれば評価関数パラメーターがいい感じに収束できるようになるのかと夢見ておりましたが、風の噂で聞いたところによると16コアXeon×8台でやって1回の収束が1ヶ月以上かかるらしく、個人開発者にとっては電気代、PC購入費ともに現実的手法ではないようです。


そこで、NDF手法のうち、学習させる局面を増やすhackである“水増し”メソッドのみを採用することにし、学習手法は新たに自分で開発します。これは、『ラーメンメソッド』(Apery作者平岡さんとやねうらおとの共同開発ラーメン屋で二人で考えたため)と呼びます。『ラーメンメソッド』が成功するかどうかはまだわかりません。成功すればボナンザメソッド以来のブレイクスルーと言えるかも知れません。


■ やねうら王のfloodgate参戦について


将棋倶楽部24と同時期にfloodgateのほうにも流します。おそらくR3000前後の点数になるかと思うのですが、floodgateのR3000将棋倶楽部24でいくらぐらいの点数なのかについてはいままでデータがなかったので貴重なデータが得られるのではないかと思います

usapyonusapyon 2014/01/10 15:15 将棋倶楽部24に24時間放流するのは2013年(今度の電王戦)バージョンでしょうか?それともやねうら王2014でしょうか?

yaneuraoyaneurao 2014/01/10 15:49 やねうら王2014はまだ影も形もないです。こちらはぼちぼち作っていきます。将棋倶楽部24に放流するのは2013年バージョン+αです。何か攻略みたいなものが発見されたら改良していきます。まあ、局後自動学習なので同じ手順でハマり続けることはないかと思いますが。

yaneuraoyaneurao 2014/01/10 21:03 ツイートに返信。

> くれすとさん@進捗できました! @thayamizu やねうら王 公式サイト -- The Computer Shogi Program http://yaneuraou.yaneu.com/  キャラ名わからないけどかわいい
https://twitter.com/thayamizu/status/421553530722193408

この女の子の名前は「詰野照子(つみのてるこ)」で、まわりからは「ツンデレ」と呼ばれております。(私の脳内設定)

>(無象) ‏@platoronical 3時間 @yaneuraoh ブログの更新いつも楽しみにしています。やねさんのところで使われてイラストっていうのはどなたが書かれていらっしゃるのですか? https://twitter.com/platoronical/status/421564266404007936

やねうら王公式の女の子は私の知人にお願いしました。その筋では有名な人なのですが、訳あって秘密です。それ以外の部分は私が描きました。

ぽぽんたぽぽんた 2014/01/10 23:52 前々から疑問に思っていたんですが、SETIとかUDみたいな分散コンピューティング的な感じで一瞬で学習を収束させるのは難しいんでしょうか?

フレームワークというかプラットフォームさえ作ってしまえば参加するコンピュータは、将棋ファンの数を考えると、それこそかなりな台数いそうな気がするんですが・・・

yaneuraoyaneurao 2014/01/11 01:14 ↑Xeon 16コア×8台ですとCorei7のハイエンドマシン40台分ぐらいなんだと思いますが、なかなかその人数に常時参加はしてもらえないのではないでしょうか…。

あと参加してもらえる仕組み(サーバーで参加者を管理したり、学習のためのソフトがアップデートしたときにそれをアナウンスする仕組みなど)を作る手間が発生しますから、その開発コストを考えると個人でやるのはなかなか難しいですね。

ssssss 2014/01/11 01:35 学習だけならGPGPUで何とかならん物なのかなぁ・・・Xeon 16コア×8台で1回まわすだけで1ヶ月とか・・・・だから暫くfloodgate参加してなかったのか・・・

yaneuraoyaneurao 2014/01/11 01:42 ↑未公開情報で、ここに書くとまずいかも知れないのでもしかしたらあとで消すかもですが、NDFの学習に要する時間のうちの8割程度は探索にかかっている時間でして、コンピューター将棋の探索自体がGPGPUで実現できていない現状では、この部分をGPGPU化するのは不可能なんです…。

ssssss 2014/01/11 17:58 そう言えば、アピール文書に「矛盾を探して、修正する」って書いてたね(floodgateに常駐してるのもそのためだと)・・・その矛盾を見つけるのに時間がかかってるのか・・・(´・ω・`)

testtest 2014/01/13 22:00 電王トーナメントは、ドスパラがPCを用意するそうですが、次回のトーナメントの使用PCの搭載CPUが、Broadwellの可能性が考えられます。

やねさんもそれに合わせて、CPUを買い換えるのでしょうか?
そうすると相当な出費ですね。

yaneuraoyaneurao 2014/01/14 00:58 ↑HaswellかBroadwellの6コアが出たら買います!出費!?電王戦トーナメントに出て回収だッ!!!

り 2014/01/15 22:31 > 16コアXeon×8台でやって1回の収束が1ヶ月以上かかるらしく

前の記事の話ですんません。
いくつかの将棋ソフトではとんでもない量の計算をしています。
けど、ここまでの計算量なら遺伝的アルゴリズムやニューロなどの
別のアプローチからのチャレンジもありなんではと思えます。

これって非現実的でしょうか?

yaneuraoyaneurao 2014/01/16 13:24 遺伝的アルゴリズムで平方根を求める人がいないように、数値解析に近いものは遺伝的アルゴリズムは向かないでしょうね。また、評価関数自体をニューラルネットやdeep learningを使うものに変えるのは、成功するかも知れないアイデアですが、Bonanzaの三駒パラメーターの学習には直接的には使えないでしょうね。(間接的には使えるかも知れません。)

かず@なのはかず@なのは 2014/01/18 20:51 24に常駐する場合、ソフトはどうするのでしょうか?

yaneuraoyaneurao 2014/01/18 22:41 ↑オートパイロットで接続するためのソフトという意味でしたら自作です。

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2014-01-06 天才になるために気をつけるべき3つのこと

[] 天才になるために気をつけるべき3つのこと  天才になるために気をつけるべき3つのことを含むブックマーク  天才になるために気をつけるべき3つのことのブックマークコメント


正月からいきなり何を言いだすのかという感じですが、ちょっと天才になるためのアドバイス的なもの機械学習観点から書いてみたいと思ったんですよ。


そもそも天才とは何なのか。人間の脳って生物学的には同じ仕組みで学習しているわけですから学習アルゴリズム個体差はないと思うんです。しか学習の早いとか遅いとかはあるわけです。


これは脳のなかでシナプスが形成される速度に個体差があるからだと思うのですが、なぜそういう差があるのかはいまの脳科学ではたぶん解明されていません。食べ物などの栄養バランスによるものか、心の持ちようによって何かの脳内物質が出て、それがシナプスの形成を促進するのか。


ともかく、同じ学習アルゴリズム学習しているのが人間であります


では、学習が早い人(習熟が早い人)ほど能力が高いのでしょうか?学習速度が天才と凡人とを分かつのでしょうか?世間的にはそう思われているかと思うのですが、私はこの考え方は違うんじゃないかと思っています


学習が早いに越したことはありませんが、生物学的に見て同じ学習方法であるのだから時間さえかければ、学習が遅い人でもいずれは学習の早い人と同じ脳の内部状態に到達するはずです。


「あいつは頭の回転が早い」などとよく言いますが、脳内神経伝達物質の伝達速度には個体差はほとんどありませんから、脳の内部状態が同じであるなら、そのような差は生まれないはずです。つまり、頭の回転が早い人など本当はいないのです。脳の内部状態が異なるだけなのです。


まり天才と凡人をわかつのは、学習速度でもなく、頭の回転の速さでもないのです。何をどういう順番でどれだけ学習させたかだけなのです。


このことを機械学習観点からもう少し踏み込んで考えてみましょう。


コンピューター将棋Bonanza開発者の保木さんが、去年の情報処理学会誌にKPP(三駒関係)を学習させるより先にKP(ニ駒関係)を学習を終わらせてからにしたほうがパラメーターの収束が早いという内容の論文を掲載されていました。


もっと平たく言えば、簡単で基礎的な概念を確実に先に習得してから、そのあと応用的な概念習得するほうが習熟速度は早くなるということです。


しかし「基礎は大切だよ、基礎をしっかり!」みたいな、そんな受験セミナーみたいなことをここで言いたいのではありません。そもそも基礎をしっかりやることが正しいとは限りません。


このことを機械学習観点から考えていきましょう。


機械学習における問題の多くは、凸最適化問題に帰着します。凸最適化問題というのは、簡単に言えば、下図のようなおっぱい型の関数があるとして、そこを下に向かって蟻が這っていき、その一番下の乳首のところまで到達することをその目的します。


f:id:yaneurao:20140106192022p:image:w600


うわー!この説明、すっごくわかりやすい!大学先生方はこの説明、機械学習講義等でじゃんじゃん使って、盛大に受講者の顰蹙を買ってください!(補足 : 上図のおっぱい型の関数は凸関数ではありません。画力が足りず、おっぱいがうまく凸関数にならなくて…謹んでお詫びします。)


まあ、それはそれとして、現実世界の問題は、こういう綺麗におっぱいのものばかりとは限らず、比較的でこぼこで、しかし大局的な最小値はあるのでそれを必死に見つけましょうという問題に帰結することが多いです。


では、このような最小値を見つけることで何をしたいのでしょうか?

機械学習には、経験損失と期待損失という重要概念が出てきます


f:id:yaneurao:20140106192020p:image

 引用元 : 劣微分を用いた最適化手法について(3) http://research.preferred.jp/2010/12/subgradient-optimization-3/


例えば受験数学について考えてみましょう。問題集を解いて、その問題集の問題が解けるようになることにはあまり意味がありません。その問題がそのまま入試で出るわけではないからです。問題集を繰り返し解き続けることにより、その問題集に対する正答率は上がりますが、これは経験損失を下げているだけで、未知の試験(入試)に対する点数が上がるとは限りません。受験勉強における目的として、未知の試験(入試)に対する損失、すなわち、期待損失のほうを下げなくてはならないのです。


さきほどの機械学習で最小値を求める動機がまさにこの期待損失を下げる(ための関数設計する)ことです。


大学受験勉強程度であれば、経験損失を下げることが期待損失を下げることに直結しやすいので、「期待損失を下げる」ということがあまり明確に意識されることはありません。受験において数学問題集に載っているような問題は、比較汎用性のある解法であるので、それがそのまま受験でも通用することが多いからです。


しかし、特定問題集のみを反復して学習させつづけると過学習が起きる場合があります


f:id:yaneurao:20140106192021p:image

 画像引用元 : さきほどの記事と同じ


赤い曲線(学習結果)は11次の多項式で、青い点(学習内容)をすべて通過していますが、しかし今後現れるであろう未知の点(y=x^2上の点)に対してこの赤い曲線はずいぶんかけ離れていることがわかります。すなわち、このような学習の仕方をすると期待損失が非常に大きくなります


上の例ですと、期待損失を下げるためには、赤い曲線は、もう少し上下の振れ幅が小さいようにフィッティングして欲しいと思いますよね。この振れ幅が小さくなるように制約をつけるのが、機械学習では、L1正則化、L2正則化などの手法です。興味のある方は、専門書でも見ていただくとしまして、特定の問題セットを繰り返しやるのは悪影響がありかねないということを知っていただければと思います


しかし、人間の脳があまり過学習をしないのは、たぶん脳のなかで起きる化学的な反応として、この正則化に相当するような何らかの仕組みが存在することは間違いないでしょう。人間忘却しますが、忘却する能力があるからこそ、過学習が避けられ、より単純な学習結果に落ち着いていくのではないかと私は考えます。(上の例で言えば、最初11次の多項式学習したとしても忘却とともに、10次、9次というように次数が落ちてくるのではないかと思います。)


さて、適切な問題セットを適切な時間だけ与えることで過学習は避けられるとしましょう。そうなってくると、天才と凡人とをわかつのは、もはや何をどういう順番で学習させるのかという戦略だけです。(本人にやる気はあって、時間無限にあるものします。)


過去において出現頻度の高かった概念は、将来的にも出現頻度が高いと考えられるので、出現頻度順に学習させるという戦略が考えられます受験英語英単語を覚えるときなどがそうですね。出現頻度の低い英単語を1000個覚えるよりは出現頻度の高い英単語を500個覚えるほうが、期待損失は下がります。また、受験においては出現頻度の高い概念教科書に載っているような概念なので過学習にならない範囲において教科書をしっかり勉強するのが有効であることは言うまでもありません。


ところが、出現頻度頻度が高いものほど価値が高いとは言えない状況というのが存在します。例えば、将棋局面において、機械学習によりパラメーターを調整するときに、出現頻度の高い特徴因子(3駒の位置関係)を優先して学習させるというアイデア一見成功しそうですが、しかしよくよく考えてみると初期局面が一番出現頻度が高く、初期局面付近の特徴因子の学習ばかりをしてしまます。そのため、出現頻度が高いからと言って重要とは限らないのです。


また、最初に複雑な概念学習させてしまうとそのあとの学習がしにくくなるというのはあります子供ひらがなより漢字を先に教えると、あまりいい影響がない[要出典]のはそのためですね。期待損失を下げるためとは言え、無理に複雑な概念を先に学習するのはあとあとたたってくるわけです。自分学習段階に応じた学習が大切だと言えましょう。


まり、このへんに秘訣があるわけですが、うまい具合に一般化して語るのは難しいので、今回はこれぐらいにとどめておきましょう。


結局のところ、学習における要点は3つ。

過学習を避けるべき。

・期待損失を下げることを意識する。

学習する順番が重要


この3つに気をつければ、誰もが天才になれる!

…に違いないと私は思ってるんですけどね。

MacNeilleMacNeille 2014/01/06 23:33 図がうつぶせのオッパイに見える

yaneuraoyaneurao 2014/01/07 00:42 うつ伏せのおっぱいですよ?

ゆきゆき 2014/01/07 00:56 おっぱい型の図の最小値の部分は、分かりやすいようにピンク色で色をつけるといいと思います

ちなみに複雑な概念を先に学習させると〜、との話は英語でよく見かけますね。日本人が英語苦手なのは音に慣れる前に難しい概念の文法などから先に学習するのが悪いとか。

yaneuraoyaneurao 2014/01/07 01:16 ↑ピンク色!ナイスアイデア!

yaneuraoyaneurao 2014/01/07 01:46 はてブでいただいた次のコメントが秀逸だった。

> p33sakura 「楽しい事」を継続すれば、人間は飽きる為過学習は避けられるし、難し過ぎる内容は面白くないので学習する順番も正しくなる。結果、期待損失も下がる。 …に違いないと私は思ってるんですけどね。

せーきせーき 2014/01/08 01:12 生物学的な脳の性能(ハードウェア)に個人差がほとんどなくても、
母親が胎児〜幼少期にインストールしたOSがクソいとどれだけ学習しても天才にはなれないんじゃないですかね。
クソOSが搭載されているが故に全てが台無しなデバイスが見向きもされないのと全く同じではないでしょうか?。

道具は「用途」に応じて「モノ」を使い分ければいいのでまだ使いやすいけど、
人は「モノ」が先にあって何の「用途」に使えば有用なのかサッパリ分からないのが辛い・・・

yaneuraoyaneurao 2014/01/08 05:47 > 母親が胎児〜幼少期にインストールしたOSがクソいと

10歳までに海外生活をすればその国の言語が十分しゃべれるようになると言いますし[要出典]、少なくともそのぐらいの時期までは脳に十分な可塑性があるのではないですかね。

り 2014/01/08 20:43 過学習を避けるべき
偏らないこと、多様性もあるていど大事ってことのような気もします。

たまにはSMビデオ見て、SMの勉強するとか、そういう多様性が大事なんですよきっと。

yaneuraoyaneurao 2014/01/08 21:34 ↑ (´ω`)?

男子大学生男子大学生 2014/01/08 22:21 今回の説明におっぱいを使うのは、最適なおっぱいが必ずしもサイズに関して凸関数でないことを考慮するとミスリーディングではないでしょうか?

yaneuraoyaneurao 2014/01/08 22:46 ↑乳首のあたりは、多少陥没してないと凸関数になりませんね。乳首は幾何学上の点のように大きさをもたないものとしないとしてお考えください。って真面目に何を話してるんだ…。

Loligo bleekeriLoligo bleekeri 2014/01/12 13:14 やってみないとわかりませんが…
KPPで囲碁の学習は難しいのではないでしょうか…
つまり、もって生まれた評価因子の違いが天才の壁を構成することはないでしょうか…

yaneuraoyaneurao 2014/01/12 21:31 ↑人間にはもって生まれた評価因子なんてないと思いますよ。生物学的に汎化能力が備わっていることは疑いようもないわけで…。

Loligo bleekeriLoligo bleekeri 2014/01/13 09:21 全ての人間が完全 or 十分な汎化能力を有するという根拠とは…

たとえば、中間層の入出力関数が特定の条件を満たす非線形関数であれば、
多層パーセプトロンで任意の関数を近似可能という事実を持ち出せば
「もって生まれた評価因子」を必要とせずに説明がつけられそうですが、
しかしこれで(完全な)汎化能力が備わっていることの説明になっているかというと微妙な気が…

というのは、中間層の素子数N大杉問題に対しては正則化(罰則項の付加)はあまり直接的な解決策にならず、
Nを、真のあるべき素子数m(<N)に落とし込む一般的な方法は、繰り返し再学習してトライ&エラーを繰り返す以外
知られていない(と思う)からです。

で、Nを変更して再学習などという手段を認めてしまうと、N変更の度にローカルミニマムの配置ががらっと変わってしまうことから、
学習順序が大事(=適切な学習順序が一意に存在)という話がご破算になりかねないっていうか…

つまり不適切な中間層の素子数Nと重みで生まれついた人は、
適切な中間層の素子数mと重みをもって生まれた人にはいつまでたっても追いつかなかったりしたりして…

yaneuraoyaneurao 2014/01/14 01:02 > 不適切な中間層の素子数N

人間の脳の場合、中間層は動的に増えるのでは。deep learningが比較的人間の学習に近いのはそのへんの理由によるものだと思います。ただ、人間の場合、脳のなかの物理的空間上に配置されるので、中間層を増やせる量に関して物理的な制約はあるでしょうから、不適切な学習をしてしまった場合、それを修復するのは大掛かりだというのはあるのでは。

モリネルモリネル 2014/02/13 22:24 「上達の法則」という本で特定の戦法に集中して学習することで、他の戦法を学習するときに洞察が深まる、とありました。
実際、毎年1つの戦法を集中して学習した人は驚異的な早さで上達したそうです。
これについてどうお考えですか。

yaneuraoyaneurao 2014/02/14 08:12 ↑私も一極集中型の人間なので、その話はとても共感できます。どんな芸であれ、その道を極めた人は、他の分野でも目覚しい活躍をされることがよくありますし、将棋の場合も、狭い変化を延々と追いかけていくことによって、高度で複雑な概念の学習がなされるのでとても意義深いことだと思います。

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