ゴジラ関連映画視聴覚書

どの順番で見たか忘れそうなので覚書を残す。「シン・ゴジラ」のネタばれを含みますので未見の方は読まないでください。
あと結構軽率に「よくわからん」とか書いてしまってます。わからなかったことも書きとどめておきたい。後になってわかるかも知れないから。

ゴジラ(84年版)

ヒロインは沢口靖子午後のロードショーでやってたのでたまたまだったけど、シン・ゴジラの後最初に見たのがこのゴジラだったのはラッキーだったんじゃないかな。
「最初のゴジラの次に初めて2体目のゴジラが出てきた」世界。最初のフナムシがすごく人形。前半の会議シーンの多さがシン・ゴジラと似ている。特に首相が核を落としたがる米ソの首脳に直接掛け合って、「首都ワシントンやモスクワで、ためらわずに核兵器を使える勇気がありますか」と聞くところなど、赤坂さんの台詞はこれのアンサーかと思える。楽しい。このときの総理は非核三原則をはっきりと持ち出している。シン・ゴジラでは非核三原則には触れなかったなそういえば。
国はスーパーXと言う秘密兵器を持っているが博士の研究と言う個人技が決定打。ヒロインたちの脱出のごたごたも、なるほどこれを見るとシン・ゴジラに極力個人の被害や突発的なもどかしい事態の描写がなかったことも良くわかる。武田鉄也が人気者だったんだろうな。最後の首相の悲痛な表情もなるほどと思う。

ゴジラFINAL WARS

ヒロインは菊川玲。これも午後のロードショー。12年前に作られた、平成シリーズの最後という位置づけなのかな? 完全にSF。しかも最初のナレーションでその設定を全部言っちゃう。ミュータントて。この時点では初代ゴジラを見ていないのだけど、シン・ゴジラを見て最初のゴジラってこういうものだったんだろうと思ったものとしては、50年後にどうしてこうなっているのかさっぱり理解できなかったし興味も湧く。昭和と平成の間にいったい何があったんだ。あと、あのキーマンをなぜ玄田さんで吹き替えてまで外国人にする必要があったのかも最後までわからなかった。
途中の「マグロばっかり食ってるやつはダメだな」と言うのは何らかの名台詞なんだろうと検索したらすぐ出てきた。

ゴジラ×メカゴジラ

ヒロインは釈由美子。劇中「メカゴジラ」と言う単語はほとんど出なくて「機龍」とよばれているのでなんでだと調べてみたらメカゴジラだけで3作もあんのね!
最初のゴジラの次に2体目のゴジラが出てきた世界だけど、他の怪獣は出現した世界らしい。毎度この「どの映画とは連続していてどの映画はなかったことになっている」の設定がよくわからなくて見終わった後wikiみてやっとああそうだったのかってなるんだけど、これ公開時の人は映画館でいきなり見てわかったんだろうか。
ヒロインに絡みまくる同僚が大変にうざい。そういう役なんだけど、軍人があんなに私怨露わにするだろうか。「シン・ゴジラ」に個人の確執がなかったことを改めて思う。

ゴジラ

やはり1日も早くこれを見なくてはと楽天の配信で買った。素晴らしかった。私がシン・ゴジラを見て思った通り、ゴジラは恐怖と畏敬の対象だった。画面真っ暗で、半分以上映画より写り込んだ部屋の壁の方が良く見えていたけどゴジラすごい迫力だった。最初煙吐いたのかと思ったら炎だったが、その後はちゃんと炎に見えるから不思議だ。昔の伊勢丹がちらっと映った。
ラストがめちゃめちゃ静かで、いやそれが悪いって言うんじゃないんだけど、シン・ゴジラの批評で「映画としての見せ場が中盤に来ちゃって終盤盛り上がりに欠ける」みたいなのを読んでいたもんだから。これに比べりゃシン・ゴジラど派手じゃないか。
自衛隊(たぶんこの年にできてる)のミサイルが外れまくるのが印象的。芹沢博士の1人1殺は特攻みたいなもんだなぁと。いや生き残ったら利用されると思って命を絶ったんだとわかってはいる。宝田明がむちゃくちゃ良い男だった。それでFINAL WARSにも出てたのかと分かった。


(ここでシン・ゴジラ2回目見た。IMAX

ゴジラモスラキングギドラ 大怪獣総攻撃

ヒロインは新山千春。BSでやってた。最初のバラゴンがあわれ。篠原ともえの扱いもあわれ。自衛隊ではなく防衛軍。ゴジラに重火器類が効くこともあるのね。
序盤で万引きしたり暴走したりするいわゆるバカな若者が犠牲になるんだけど、この間ラジオの「シン・ゴジラ」評を聞いていたら「これまでの映画はヒャッハーな若者が殺されてざまあみろみたいな描写だった」みたいなことを言っていて、ああたしかにこの映画で見たなと思った。殺される前に悪いことしている描写が入ると「まぁ悪者は死んでも仕方ないよね。因果応報」って思うんだけど、災害の前には悪人も善人もなく等しく死ぬ。その方が今はリアルに感じる。
えーとモスラがギドラとくっついてキングギドラになったんだったら、タイトルは「ゴジラキングギドラ」若しくは「ゴジラモスラ・ギドラ」ではないだろうか。モスラキングギドラ両方同時には存在してないよね? 私もバラゴン入れてやれよと言う話だが。

機動警察パトレイバー THE MOVIE

「風速40m」と言うタイトルの小説を読んでたと思ってたんだが映画も見たことあったわ。しかし何度見てもおもしろいー。名作ー。後半さっぱり忘れてたー。
指摘されていることだけど、冒頭でキーマンが死んでいるところがシン・ゴジラと通じるものがある。しかしそれ以上に、暴走レイバーが町をなぎ倒すアングルも、これ全部ゴジラが出発点なんだよなぁ……と思うと見る目が変わる。とてもおもしろい。

機動警察パトレイバー2 THE MOVIE

理解できなかった(堂々と)! いやー途中のかりそめの平和がどうのこうののながーいモノローグのあたりで脱落して、そのあとも2回ストーリーについていけなくなってwikiのあらすじ読んだ。いや元をただせば野明と遊馬が特車二課にいないあたりで「?」ってなったんだ(冒頭)。
結局何で自衛隊が反乱起こしたみたいになったのかよーわからんかった。いちばんわからなかったのはこれをパトレイバーでやる必要があったのかと言うことで、逆に、これをやるためにはパトレイバーが必要だったということだろうか。うーんやっぱり後藤隊長が、今の特車二課ではなくかつての特車二課を招集する必然性が分からん。最後は南雲隊長が指揮するし。

ガメラ 大怪獣空中決戦

平成ガメラシリーズが樋口監督の原点と聞いて。これおもしろかった! ガメラがかっこいい! 特撮もかっこいい! 初代ゴジラと同じくらい好き!
政府がギャオスを保護してガメラを駆逐しようという安易な決定を出すところもなんか信憑性があった。ギャオスくらいなら御せると思ったんだろうな。ガメラ動くたびに被害でかすぎるんだよな。
勾玉でガメラと心を通わす少女の必然性がよくわからなかった。人間の味方だから人間も犠牲を払うということ? なら少女一人に肩代わりさせるのも変だよな。巫女と言ってしまえばそれまでだが、巫女が呼ぶまでもなく出てくるんだよガメラ爆風スランプの「神話」ってこれの主題歌だったのか。

ガメラ2 レギオン襲来

ギオンこえー! ここまで見た敵役の中で一番怖いかも。群体に対するなすすべのなさと、草体の破壊力と言う全方位に対するスキのなさ。シリコンを食べるってのもすごい発想だなー。人間が困ったら出てきてくれるガメラいいやつ。人間とガメラが協力するのにあの巫女はやはり必要なのかよくわからん。ウルフルズがこのED曲でミュージックスクエアにゲストで来てた時聞いてたわ。ガメラって言えないから巨大亀映画とか言ってたんだけど一回だけ誰かがガメラって言っちゃってお前アホやなって言われてた。

ガメラ3 邪神覚醒

なんかフェティシズムにあふれた映画だった。固定の巫女がいるにもかかわらず、前田愛を触手でどうこうしたいという映画だった、終始なんかすげーな、これやりきったんだなと感心してしまった。人が犠牲になるところをがっつり描いてた。終わり方が意外だった。平成ガメラってみんな主役が女性なんだな。


(ここでシン・ゴジラ3回目見た。発声上映)

ゴジラvsビオランテ

84年版の直後の話。人間の愚かさと言うのはゴジラ映画の根底に流れるものの一つだけど、この映画は特にそれをクローズアップしていた。ゴジラを生み出した愚かさだけでなく、そのゴジラのG細胞をめぐる人間の対立や思惑がずーっとずーっと話をややこしくする。
「薬は注射より飲むのに限るぜ、ゴジラさん」の権藤一佐を見られて大興奮。ヒロインは田中好子なのかな? 巫女さんは小高恵美ビオランテは出てくるけど自衛隊ゴジラとがっつり戦うし抗核バクテリアの経口投与と言い、シンゴジから入ったものとしてはなるほどと。高嶋政伸自衛隊の若き司令塔、本部に鈴木京香もいた。あと怪獣大戦争マーチが! かかった! 他の曲で、インディジョーンズかドラクエみたいな感じだなーと思ったら音楽がすぎやまこういち先生だった。

ゴジラvsデストロイア

美容師さんに勧められたので見た。デストロイアこえー。初代ゴジラへのオマージュにあふれていた。高嶋政宏をかっこいいと思ったのは初めてだ……。「これで我々の来年度の予算はゼロだな。来年度があればだが」あああかっこいい。同じ役をビオランテでは高嶋政伸がやってなかったか?とwiki見たらスケジュールの都合らしい。しかしゴジラ苦しそうだったな……。

ゴジラ対ヘドラ

めっっっっっちゃアバンギャルド……! あの公害物質羅列する主題歌のパンクなこと! アイキャッチみたいなアニメも衣装も可愛い! ゴジラが飛ぶってのはこれか。聞いたときはなんだそりゃと思ったがこの前衛っぷりなら。巫女はいなくてテレパシーでゴジラの出現を当てる少年がいる。そしてゴジラの造形が人間ぽい。首と足が長い。終始やってたあのムエタイ選手が相手を挑発するみたいなしぐさなんなんだろ。自衛隊は全然活躍しない。わざとそう描いたって何かで読んだのはこれだっけか。


(ここでシン・ゴジラ4回目見た。MX4D)

モスラ対ゴジラ

ゴジラが出てくるまでと、モスラと戦うまでが思ったより長かった。最後モスラがあのまんま戦うとは思わなかった! 途中で着ぐるみじゃなくてパペットなんじゃないかしらと思うカットがあった。しかしモスラも良い奴だなー。
東京五輪の年の公開。「新聞には裁く力もなければ命令権もないんですよ」「新聞がそんな力を持って権力者になりあがったらどうなるんだ。新聞は大衆の味方だ」。


(ここでシン・ゴジラ5回目見た。日本語字幕)

ゴジラの逆襲

初代の翌年に作られた続編。アンギラスは出てくるけどゴジラは相変わらず人間に仇なすもの。人間ドラマの部分が多い。死亡フラグってこんな昔からあるのか!が一番の衝撃。

キングコング対ゴジラ

3作目。ここから総天然色。ゴジラが人類の味方になったのを解く鍵はこの映画にあるのではないかと思ってたんだが、違った。ゴジラはやっぱり人類に仇なすもので、それを倒す手段としてキングコングを使っていた。今まで見た中でもぶっちぎりで人間の得手勝手さが際立つ。時代かしら。
しかしキングコングよりタコが! あの大ダコが衝撃だったんですけど! あれふつーのタコだよね? ふつーのタコをミニチュアのセットの中に放り込んで大ダコに見せると言う。演技はタコ任せ! すごい! あれ着ぐるみでやろうとしてもできないし、エド・ウッドになること請け合いだもんな……。ものすごいリアル(本物だから当たり前だ)かつ気持ち悪くて最高だった……。高島忠夫が出ていて、平成VSシリーズのご兄弟を思い出す。


ここまで見たところで、やっぱりゴジラ核兵器って切っても切れない縁なんだなーと言うのがよくわかった。出自に原水爆実験とか放射性物質が関わってるのは知っていたけど、滅却するために核兵器を使うか否か、がこんなに繰り返し議論されているとは知らなかった。最初に「シン・ゴジラ」見た後、もしもゴジラに核爆弾落としてたらそれも取り込んでさらに進化してたんじゃないのかと思ってたんだけど、ゴジラ映画の流れから行くとそう言う感じではないのかもな。とはいえそんな流れなど考慮しないのも自由だ。私の最初に見たゴジラ映画が「シン・ゴジラ」でよかったと思っている。