練習

 毎度の事だが、部屋で鼻唄歌ってる時は歌える様な気がするけど、合わせると分解寸前に成る。特に、La, La means...使う音域が広く、サビはゆったりとしながらも、躍動感があって、それを単調な歌詞を使って表現しなくては成らないので、力量が問われる所。全然思ったように出来なくて落ち込む。数歌うしかないんだろうなぁ。

 レパートリーを流して、新曲「Mira-Me(Keep your eyes on me)」をやる。このタイトルの前半部分はスペイン語かな?(帰宅後、一応調べた。スペイン語で合ってるみたいだ。でもスペイン語の場合(イタリア語もそうだけど)、『私に』のmeは動詞にくっつけて書くみたいなんだけど……。このように書くと、強調表現になるのかも。イタリア語のmi→a meみたいに。いつか、気が向いたら調べてみよう。メモメモ) 歌詞の内容としては、「私をじっと見て(そして熱く抱いて)」と言うような歌。凄くエロい。だからエロく歌ってみたら、のぐのぐに「なんかエロいなぁ」と言われた。「だってそういう歌じゃん。凄いよねぇ、後半なんか」と返したら、「煩悩の塊だからそういう歌しか書けないんだよー。日本語で歌うとヤバイから、だから英語にしてるんだよー」と。笑った。バンマス若いなぁ!(若さという問題じゃないか)

 「もっと大きい声でやれよ」と言われそうだが、毎回微妙に小さな声で練習中、他の人がソロだったりする間などにスキャットの練習をしている。その所は、今日は楽しくやれた。上手くではないけど、楽しくなってきた、と実感出来て良かった。

 早引けする私を、熱いHighway Starで送ってくれた。凄く盛り上がっていた。内緒だが、この有名な曲を私は王様版で先に聴いた(苦笑)。本当に私は音楽に詳しくないなぁ、と思う。

 清水ひとみの大女優宣言 vol.2〜七転八起編〜

 本公演で閉館するという赤坂プレイBOXへ、『清水ひとみの大女優宣言 vol.2〜七転八起編〜』を観に行った。初めて来たが、最寄り駅である乃木坂駅から、分かりづらい道をうねうね行った先にある箱で、この場所で35年も営業し、そして閉じてしまうのかと思うと大変感慨深い。50席程の清潔感のあるこぢんまりした箱だった。

 本編が始まる前に、4年目の男の子(25歳・ヨシタケ)と7年目の女の子(27歳・名前失念、柴田理恵さんに喋りがそっくり)が前説をやった。2人とも瞳孔が開きっぱなしという感じに興奮していて、客を掴もうとしてした「童貞&処女ネタ」が空回りしていた。否、そういう蒼白なまま駆け抜けていくテンションは好きなの。公演中の注意事項の説明辺りでは、だいぶ落ち着いてきて、ふたりの元々のキャラ(設定)も前面に出てきて面白かった。

 この公演は、清水ひとみさんが3人の男優と3つのお芝居をするという物だった。一応、タイトルが付いてるが、どれもこれもタイトルと芝居の中身は関係ない感じだった。

 第一話は、てるやひろしさんとの『我が輩は 桃井かおり である』。ゲイ雑誌に使う写真の、読者モデルと代理フォトグラファーという設定で、始めは決裂している2人なのだが、話をしている間に同じ男を想うライバル同士だと分かり、お互いに情報交換していくうちに親交を深めていき、最終的には偽装(を装った)結婚する事に同意するという話。

 てるやさんの裸(公演中、ほとんどずっとTバック一枚)は、フォルムは所謂中年のそれだけども、妙に艶々と綺麗で見ていて厭な感じが全然無かった。おねぇ言葉も、凄くはまっていて笑えた。清水さんとは、WAHAHA本舗同士との気安さがいい感じに出ていた。話が脱線する時、清水さんは本気の素に戻っている時がちらりと見える感じがあった(個人的にはあまり良くないと思う)が、てるやさんは完璧に役の中で自由に動いている感じだった。今回の役作りの為に「月刊ジーメン」(http://www.gproject.com/)の今月号にモデルとして登場しているそう(よく見たかったので、今度誰かに借りよー)。

 第二話は、村木藤志郎さんとの『嵐を呼ぶ 吉永小百合』。10年の結婚生活を、今まさに終わらせようとしている2人。やり手会計士の妻は夫に辟易しているが、解体業の夫はなんとか食い止めたいと頑張ってきた。しかし、その甲斐無くこの日を迎える事となった。離婚届に記入する前に、この10 年間を振り返って、『嬉しかった事、楽しかった事 TOP 10』をお互いに発表し合って、喧嘩ばかりして暮らしてきたこの結婚生活でも、そんなに悪い物じゃなかったと思い、楽しい気分で別れようとする。設定だけ残して、台詞は全部アドリブの為、毎回内容が違うらしい。私が観た8日マチネでは、村木さんが用意したデカイあおくび大根http://www.takaratoys.co.jp/aokubidaikon/)のぬいぐるみが、ラッキーアイテムとなり離婚を免れる。

 村木さんの劇団「うわの空・藤志郎一座」は、友達にも好きな人は多く、ずっと前から名前だけはよく聞いていたので、期待して観に来たのだが、凄い面白かった。アドリブとは思えない、罵り合う台詞の応酬は、阿吽の呼吸だった。そうとう何度もバトルのようなリハーサルが繰り広げられたんだろうなぁと思った。舞台上には常に緊張感が漂っていながらも、時折、村木さんの演ずる夫の飄々としたキャラクターによる肩透かしが気持ち良かった。清水さんは、3話の中でこれが一番活きていた気がする。

 第三話は、コンタキンテさんとの『世界の中心で もたいまさこ を叫ぶ』。断酒会で出会った男女の恋の話。酒の席で失敗ばかりの女は、あちこちの断酒会に参加してきたが、あまり止める気はない。男に一目惚れした女は、この断酒会に通いながら男を落とそうと決め猛烈にアタックするが、鈍感すぎる男はまったく気が付かず、やきもきが続く。酒と煩悩との闘い、みたいな。

 コンタさんのキャラ設定が、「超堅物」であった為、他2話に比べて自由度はなかった。とは言え、2人とも極端過ぎるキャラクターだったので、そういう意味では自由だったかも知れない。男も女に対して一目惚れだったと言う事が、後で明かされるのだが、そう言えば2人の出会いの時に男は女を凝視していた事が思い出される。それ以外では、まったくと言っていい程、女に気があるように見えない。もうちょっと、気があるそぶりがあっても……。いくら顔が好みだからって、たまには“エサ”があっても良いのでは? それから、酒を飲んでから意気投合していく様が面白かった。もう少し見たかったなぁ。コンタさんは、いつもどこか陰のあるキャラクターが多かったので、こんなまっとうなハッピーエンドになるとは、予想してなかった。でも、こういうエンディングになると言うのは、清水さんの暖かい人柄の所為なのかもしれない。