『幻魔大戦』

10日の朝日新聞朝刊の広告に、秋田書店のマンガ文庫の新刊案内がありましたが、ここで本当に懐かしい作品に出会いました。
幻魔大戦』。
私が小学生の時、今はもう取り壊されマンションが建ってしまった某百貨店内の本屋さん(書店、とは敢えて申しません)で初めて親に買ってもらったマンガ本がこの上巻。実家のどこかにまだあるはずですが、さんざん迷って選んだ末に買ったあとで 「しまった。続き(つまり下巻)があるようなものを買っちゃった」と思ったことを今でも想い出します。結局、下巻は本屋で立ち読みしてすませましたが、何か話が途中で終わってしまったような作品だったのを覚えています。
この『幻魔大戦』が、今回「全宇宙を破壊しようとする幻魔大王と超人戦団の明日なき戦いの末路は…!? 幻の未収録ページ&平井和正特別寄稿も収録してリ・イシュー!! 」ということだそうです。

これは買わねば、と思い Amazon で調べてみると、何と昔、私が買ってもらった版もまだ入手できるではありませんか。

幻魔大戦 1 (サンデー・コミックス)

幻魔大戦 1 (サンデー・コミックス)

幻魔大戦 2 (サンデー・コミックス)

幻魔大戦 2 (サンデー・コミックス)

懐かしさも手伝い、上記の心引かれるコピーもあることなので、結局3冊とも Amazon に注文しましたが、以下のHPによれば、石森章太郎の「幻魔大戦」が「少年マガジン」に連載されたのは1967年のことらしく、連載後、1968年に秋田書店から発売されたようです。当時は講談社からマンガ本(講談社コミックス)は出ていなかったんですね。
http://homepage3.nifty.com/kaihokei/Nenpyo/Nenframe2.htm
改めて上下巻を通して読んでみて、なるほど、これは小学生、中学生の私にはちと難しい内容だったかも知れません。難しい台詞も多いし、下巻にはジョン・ダンの詩まで出てきたのにはちょっと驚きました。エスパー達を見て主人公が自分達を「まるでバケモノじゃないか」と悩む箇所など後年の「X-MEN」を彷彿とさせるものがあります。とても40年以上も前の作品とは思えないものを感じました。

秋田書店のHPを眺めていて「 秋田書店創立者故秋田貞夫が、戦後間もない世情騒然とした昭和23年に『 日本の子どもたちに正義の精神と夢の世界を取り戻し、希望を与えよう 』と出版を志して、月刊誌『冒険王』を創刊して以来、少年・少女漫画誌を中心に創立の志を忘れず、出版社の使命と責任を果たすべく、努力しております。」という記事を見つけました。
http://www.akitashoten.co.jp/index2.html
そうか、秋田書店はあの懐かしい「冒険王」の出版社だったのか!
私が買ってもらっていた頃はテレビ版のマグマ大使が表紙を飾っていたし、確か付録として一回り小さくて薄いマンガ本や紙工作のセットがついていたような記憶があります。懐かしいなあ。