Let Me Be Your Man/Tyrone Ashley's Funky Music Machine

Let Me Be Your Man

レコード屋、もっと限定して言えば新宿ディスクユニオン・ソウルブルース館の新譜コーナーのポップに、「激レア」だとか「世紀の発掘」だとかの煽り文句が書いてあったら、まず間違いなく買う。勿論、そう言われるくらいだからそのアーティストの事など一切知らないし、音も全く想像できないけれど、取り合えず買う。もう何年も続く不文律。今まで例えばSoul BrotherやVampisoul、P-VINEといったレーベル買いのことは書いて来たけれど、僕の中では「ソウルブルース館買い」というのもかなりの比重となっている。んで、これもそんな一枚。ご丁寧に日本盤のオビにまで「激レア」「発掘」の文字が躍る。ただ毎年というか下手すりゃ毎月そんな謳い文句の再発がなされている訳で、今更ながらアメリカってホント広すなあ。んで、このアルバム。1曲目からいきなりバラードで、え?アレ?と不安になったのだが、2曲目「Just A Little While Longer」、9曲目「Gotta Clean Up The World Pt.1」10曲目「同Pt.2」がかなりデキの良いFUNKチューン。多分この9,10曲目がシングルのA/B面なんだろうね。あとはデローンとしたバラードありインスト曲ありで可もなく不可もなく。やっぱり、発掘されるまでは寝かせてあっただけのことはある、ローカル色満載なアルバムである。そりゃまあ全米大ヒットになる要素なんかは当然ないのだけれど、かつて、そして恐らく今日でも、こういったオラが村のヒーロー的なバンドやアーティストがアメリカにはごちゃまんと存在していた(いる)と思うと、ちょっとした男のロマンであり、味わい深いものがある。あと大変有難い事に底無し沼のごとくキリがない。これからも可能な限り「激レア」「発掘」とはお付き合いしていきたい所存。