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2011年07月16日

減速する生き方も「あり」☆☆☆☆


著者・高坂(こうさか)勝さん*1は30歳まで大手百貨店に勤めたあと自分の生き方を変えようと決意。世界や日本を旅したあと、学生時代から夢だったBAR経営を始めた人だ。
その経営手法がすごい。あらかじめ生活のためにいくら必要かを計算し、それ以上は稼がない。ランチ営業もしないし、途中から週休2日に休業日を増やした。それで毎日8時間睡眠は確保。
ええ?そんな生き方ができるの、とびっくりして読んでみたが、この本はこれからの生き方のひとつを提示した、とんでもない本だった。
今年読んだ中で文句なく一番インパクトのある本だ。

この本のサブタイトル「ダウンシフターズ」というのはもともと別の本にあったものだそうだ。

過度な消費主義から抜け出し、もっと余暇を持ち、スケジュールのバランスを取り、もっとゆっくりしたペースで生活し、子ともともっと多くの時間を過ごし、もっと意義のある仕事をし、彼らのもっとも深い価値観にまさに合った日々を過ごすことを選んでいる
(『浪費するアメリカ人』ジュリエット・B・ショア/岩波書店より引用)


生活はとてもシンプルですがすがしい。ケチケチしているわけではなく、必要なところにはきちんとお金をかけている。でも、世の中を循環させるために「作りすぎない」「持ちすぎない」「売りすぎない」は守る。

はじめは「そんなこと、できるの?」と思ったが、読んでみたらちゃんと数字も出ているし、納得した。
なにしろ「システムから降りる」のだ。今まで売上を上げる、競争に勝つ、増やす、大きくする、ばかり考えていた人がほとんどだと思うが、たぶんその生き方はもう無理だよ、と言われた気がする。
何だ、降りてもいいんだと思った。

やっぱりここでも自分のやりたいことをきちんと見定めることを勧めている。やりたいこととやりたくないことをしっかり見極める。
そうすれば好きなことに邁進できる。好きなことなら、苦労も苦労に感じないそうだ。
しっかり棚卸ししてみると、ほしいと思っているものややりたいことは、案外周りに流されていたり、人からどう思われるかを気にしてそう思っているだけかもしれない。


もちろん、著者の生き方がすべての人に当てはまるわけではない。私もここまでマクロビに肩入れはできないし、世の中を変えようと集まって活動するのは苦手だ。
だが、この生き方は3.11以降のひとつのモデルになり得ると思う。少なくとも、考えてみる価値はある。

何より、著者がこの生き方をするようになってから、“自分探しが終わった”というのに説得力がある。
生き方を変えたい人は必読です。
私のアクション:拡大主義から降りる!


以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。

開聞岳で突然降りてきた想い(P84)

もう頑張らなくていい。もう無理しなくていい。もう嫌なことをしなくていい。もう親の期待に応えなくていい。もう雇われなくていい。もう評価されなくていい。もう急がなくていい。もう大きくならなくていい。もう儲けなくていい、もう効率化しなくていい。もう経済成長しなくていい。そして、たくさん悩んだっていい。悩みを楽しめばいい。
今まで常識と考えていたことを逆説的にとらえればいいんだ。そんな単純明快な答が、身体の中に突然舞い降りてきたのです。

「スケールメリット」ではなく「スモールメリット」(P129)

製材成長が前提の時代には、規模拡大化への魅力やメリットが大きくなるのが当然の帰結でした。しかし、経済成長が不可能、および不必要な時代になったのだから、経済成熟・経済縮小に沿った考え方にシフトしてゆくのが自然だと想います。
(中略)
例:お皿の仕入れ
規模拡大なら、同じ種類の皿を大量に購入した方が、1枚当たりの単価を下げることができて効率的です。これが「スケールメリット」です。スケールメリットは、大量生産、大量消費のシステムを前提にしています。もし1店舗で充実を図るのであれば、1枚1枚違うお皿を買うほうが店の個性を演出することができ、その趣向に合うお客様には喜んでもらえるでしょう。皿1枚当たりの単価は上がってしまいますが、大量仕入れによる使わないリスク、保管のリスク、拡大計画失敗時のリスクを減らして、初期投資を小さくできます。これを「スモールメリット」と言いたいと思います。

世界でひとつの店(P133)

…私は料理だけで勝負しても日本一になれません。音楽の品揃えでも日本一になれません。酒の品揃えでも日本一になれません。単品特化志向では、世界にトップはひとり。すべての人がトップを目指さねばならない社会は疲れます。トップひとり以外は全員が敗者となります。
一方、好きなことを全部投入すれば、誰も真似できないオンリーワンになります。私の店には日本一のものも突出して何もかも一切ありませんが、自分の個性を全部入れているから、世界で一つの店になっている。
(中略)
こうして考えるとたまTSUKI(BARの名前)は私にしかできないビジネスです。一方、世界中の人がそれぞれの好きなことを組み合わせれば、みんなオンリーワンになれる可能性をも示唆します。誰もが自分の好きなことを組み合わせて、世界にひとつだけの小さなビジネスをする。そうなれば、他をライバル視する必要もないし、そもそも、比べる必要もなくなります。

「ミニマム主義」を提唱する、自称「日本一小さい農家」西田栄喜さんのことば(P137)

※ブログ「ミニマム主義で行こう」より引用
何のためにどのくらいもうけるのか。
ミニマム主義できその「何」は「幸せ」です。
幸せに暮らすにはどのくらいの収入があればよいのか。
そのためにはどのくらいの売り上げが必要なのか。
そうやって考えていくとやることがどんどん明確になっていきます。

お金はあればあるだけいい。
スピードは速ければ速い方がいい。
小さいより大きい方がいい。
なんてしていたらキリがありません。
幸せの原点は「比べない」「足を知る」です。

ミニマム主義ではお金と向き合うけど、
きりがない欲望には付き合わないのが前提です。

ホンモノにするとシンプルになる(P142)

ホンモノに変えてゆくと、厨房にあったたくさんの調味料に出番がなくなります。たとえば、ホンモノの塩だけで、ホンモノのみそだけで、ホンモノのしょうゆだけで、美味しい味つけができるなら、他に調味料を入れる必要がありません。結果、厨房にあったたくさんのモノが減っていきました。モノが減れば、汚れる場所も少なく、片づけも掃除もラクです。ホンモノは値段が高く、コストが増えると思っていましたが、必要のない調味料を買う必要がなくなったので、トータルコストはあまり変わりませんでした。

ロングタイム(P145)

長持ちするものを愛着を持って使用することを、私は「ロングタイム」と言っています。ロングタイムは長期的にコストを下げ、買い換えの手間を省いてくれます。

売上が減ったらチャンス(P146)

たまTSUKIも、売上が減ってピンチに思うことが何度かありました。ピンチでも、ポリシーを貫くために、やせ我慢と言われても余計な販促は打ちませんでした。店の外に品書きを出すことや、値下げサービスを打ち出すこともしませんでした。売上が下がると、通常はコストを下げる努力をします。しかし私の場合は、よりよい食材の仕入れや、新たな取り組みや、大掃除のきっかけにします。売上が順調な時は、得てして問題意識が生まれないし、あっても、いつかやろう、と置き去りにしてしまいがちです。その「いつか」が、ピンチの時だと思うのです。

世の中に必要であれば持続する(P151)

たとえば大根は、大々的にテレビCMを打たなくても、売れるものです。ただ単にその理由は、食卓に大根が必需品だからです。必要ないものを売るために、消費は仕掛けられます。宣伝などしなくても、たまTSUKIが世の中に必要なものであれば、ほどほどにお客様は来てくれる。そう信じてきた結果、持続し、今を迎えています。

システムから降りたら、“自分探し”が終わった(P215)

お金は少々でも、食べ物を始め、自分で何でも「do」できれば、買うものが少なくて豊かに暮らせます。するとお金は単なる物々交換手段という役割に落ち着きます。やっと、お金に支配されることから脱し、お金の上に立てたのです。お金に左右されなくなった時、どう生きたらいいかという永久に続くと思っていた「自分探し」が、いつの間に消えていました。

悩みを楽しめるようになった(P234)

今、悩みはありません。正確に言えば、悩みを楽しめるようになったということでしょう。「悩みちゃん、ようこそいらっしゃい」という感覚で、与えられたチャンスと思えることすらあります。悩みや困難は時間と共に必ず解決してゆくもの。だから焦る必要はありません。自分のペースで、自分の信じるところを歩いていればいいのです。休みたいところで休めばいいのです。
そうした結果、大きなシステムに振り回されることがなくなりました。社会に対しても己に対しても、“しかたない”“しょうがない”はひとつもなくなりました。常識を疑い、マスメディアから流れてくる情報を安易に信じず、時間をかけて真実を探し、考え、見極め、直感を大事にする。その直感を頼りに、小さな自分が“したい”と思うことを、小さな自分に“できる”と思うことを、もしくは“したくないことはしない”という選択も含めて、微力ながらでも実践しているからです。

*1:高はただしくは“はしご高”です