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2018年06月13日

「人間関係」の悩みを解消すれば、人生の課題がクリアできる☆☆☆☆

なぜ、あの人はいつも好かれるのか
本田 健
三笠書房(2014/7/11)
¥ 1,404


※ [Kindle版] はこちら

なぜ、あの人はいつも好かれるのか 三笠書房 
三笠書房 (2014/07/29)
売り上げランキング: 141,963

知人の本棚で見かけた本。
職場でまた人間関係についていろいろ考えるようになったので、タイムリーかなと思って読んでみた。
生き方について改めて考えてみる、いいきっかけになった。


◆目次◆
プロローグ 感情、考え、言葉、習慣――人間関係を好転させるシンプルな法則
1章 相手を思いやる「想像力」をつける――人間関係を「面倒くさく」しないために
2章 「自分らしく」生きる――ハートに「裏表がない」人は共感される
3章 「分かち合い」の心を大切にする――「ひたむきな心」が人を動かす
4章 こんな「態度」をとっていないか――「困ったあの人」にも理由がある
5章 「感情」を味方につける――“振り回される”より“賢く手なづける”
6章 “相手の地雷”をうっかり踏まない――あなたも知らないうちに“困った人”になっていた?
7章 この「ひと言」で相手の心を動かす――「6つのマジック・ワード」で対人関係が変わる
まとめ 「いつも好かれる人」になる17の心得
エピローグ 人に好かれることはとても大事 人を好きになることは、もっと大切

本田さんによれば、人生の悩みのほとんどは人間関係の悩みなのだそうだ。

(前略)
「自分のことを理解してもらえない」
「相手のすること、考えが理解できない」
ということです。そして、私たちの充足感、幸福感も、基本的にこの二つの感情、思いから生まれます(P2)。

つまり、それが解決できれば、人生の悩みのほとんどが解決されることになる。


本田さんがすすめるのは「ねぎらいの言葉を惜しまない」こと。
これが、「人間関係の貯金」になるという。
日本人は一般的に、パートナーに対して自分の気持ちを伝えるのがヘタだと言われるが、わかってくれるだろう、言わなくても伝わっているだろう、とここを惜しむと、あっという間に貯金は底をつくという。
この人は何を言ったら喜ぶのか、報われたと感じるのかをよく観察し、ほめ言葉を探す、というのはさすが、若い頃から経営者など一流の人からかわいがられた本田さんらしいと思った。


普通の人は、自分の周りにいる人は30人程度、多い人でも100人くらいなのだそうだ。
案外少ないのではないだろうか。
その人たちとの関係を幸せにすれば、自分の人生が幸せになるのだ、という言葉は耳が痛かった。
もっと人間関係に時間や意識を向けた方がいいと感じた。
「うまくいかない」と悩むことは多くても、人間関係をよくするために努力したり、ふだんから心がけることはあまりなかったので。

そして、衝撃的だったのは次の一節。

 人間関係に「成功」「正しい」という概念はありません。
 あるのは「共感」だけなのです。

「私は正しい」とお互い思っていたら、歩み寄ることはできない。相手をまるごと理解することはできなくても、共感することはできるかもしれない。
「共感」を目指せばいいんだ、というのは発見だった。



一番印象に残ったのは、「困った人をまわりに増やさないために、まず自分を承認してあげる」という言葉。
やはり人間関係は自分の鏡なのだ。

本田さんは、「ありえない」と感じるような人*1に遭遇しても、心を荒立てないイメージトレーニングを心がけているそうだ*2


この本も語りかけるように、やさしい言葉で書かれていますが、ある意味「人生の奥義」を教えてくれる本。
家庭でも職場でも、人間関係に悩んでいるすべての人必読です。
私のアクション:「ありえない人」に遭遇したら、心を荒立てないイメージトレーニングをするチャンスだ!と思う
■レベル:守 

関連記事
読書日記:『五つの傷』※リズ・ブルボーさんの本
読書日記:『光と影の法則 完全版』※心屋仁之助さんの本
どちらも、“他者とのコミュニケーションで自分の傷に気づき、癒す”がテーマです


以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。

*1:たとえば、新幹線の切符を買う列に横入りして平気な顔をしている人

*2:「この人は娘さんが死にそうだから急いでいるんだ」と思う

2016年12月30日

自分らしく生きるために、仮面をはずそう☆☆☆☆



〈からだ〉の声を聞きなさい*1の著者・リズ・ブルボーさんの本。知人に勧められて読んでみた。
リズ・ブルボーさんの本は“刺さる”ものが多くてなかなか先に進まないのだが、この本も「痛たたた」と感じてしまい、ずいぶん時間がかかった。

でも、読めてよかった。


◆目次◆
はじめに──あなたが喜びの中で生きるために
第一章  心の傷と仮面はこうして作られる
第二章 〈拒絶〉による傷・〈逃避する人〉の仮面
第三章 〈見捨て〉による傷・〈依存する人〉の仮面
第四章 〈侮辱〉による傷・〈マゾヒスト〉の仮面
第五章 〈裏切り〉による傷・〈操作する人〉の仮面
第六章 〈不正〉による傷・〈頑固な人〉の仮面
第七章  傷を癒して本当の幸せを手に入れる

5つの傷というのは、すべて親との関係から生まれるものだという。その傷を隠そうとして、これ以上傷ついたり他者を傷つけるのを避けようとして、人は子どもの頃から仮面をつけてしまう。
でも、それは本来の自分ではないので、伸び伸びと生きることができない。
それに気づいて仮面をはずしましょう、というのがこの本の趣旨。

目次にもあるが、5つの傷とは次の通り。

1.拒絶による傷→逃避する人の仮面
2.見捨てによる傷→依存する人の仮面
3.侮辱による傷→マゾヒストの仮面
4.裏切りによる傷→操作する人の仮面
5.不正による傷→頑固な人の仮面(カバー袖部分より)

最後の第7章では、「傷を癒す」方法が紹介されている。といってもワーク的なものではなく、意識をどう変えるか、といった話が中心だ。


5つの傷について、それぞれ1章ずつあててくわしく解説されている。ただし、テストがあるわけではないので、自分がどの傷を持っているかは、読みながら判断するしかない。
メモは取らなかったが、それぞれの傷を持つ人の特徴が各章の最後にまとめられている。口グセや、なりやすい病気など、いろんな切り口で自分がどの傷を持っているか気づけるようになっている。
実は、一番わかりやすいのは「体型」なのだそうだ。身体的特徴がカギになるという。


ただ、著者によれば、なかなか自分で気づくのはむずかしいそうだ。また、傷がひとつだけという人は少なく、複数、場合によっては5つすべて持っている人もいるらしい。
ただ、それがどの程度影響しているかはさまざまなので、特に強く影響しているものはひとつだけ、ということもあるようだ。


複数ある場合は、「身体的特徴」が上下で違っていたり、左右で違っていたりするという。
著者はたくさんの人にセミナーやワークショップで会い、ふだんでも観察を続けることで、ちょっと見ればその人がどの仮面をつけているかわかるようになったそうだ。

セッションではなく、たとえばレストランでフロアにいるスタッフを見ただけでもわかるとか。このくらいになれば、その人の傾向に合う接し方をすることで、トラブルを避けたり、気分よく過ごせるようになる。
いいなぁ、こんな風になれたら楽しそう、とちょっとうらやましくなった。


こんなにも親との関係が人生に大きな影響を与えているとは、というのが率直な感想だった。
ずいぶん前にとあるセッションで言われたことが、まさしくこの本に書いてあったので驚いた。
「身体的特徴」を読んで、私の傷は自覚していたものとは違うこと*2がわかった。それで昔言われたことを思い出したのだ。

また、「親は自分と同じ傷を持っている」という言葉にハッとした。
その傷を癒すために、あえて同じ問題を抱える親のもとに生まれてくるのだそうだ*3
「親も同じ」という見方をすることで、いろんな問題がクリアになるのではないだろうか。


自分の持っているクセと向き合うのは辛くて痛いが、認めて受け入れるだけでも大きく変わるという。
このアプローチも「自己肯定感」を高めることにつながるもので、こちらはやはり「自分を認めることで肯定感を上げる」方法だ。
結果的に周りの人に対しても変わってくるようだが、水島広子さんの方法とは逆で、自分が先。


経験から言うと、こういうものは本だけで結果を出すのはむずかしい。
でも、知って試してみるだけでも少しは自分を変えられるかもしれない。
そして、周りの人たちを見る目も変わることで、人間関係にもいい影響を与えられるかも。

かなり痛いですが、ピンと来た人は読んでみてください。
私のアクション:周りの人がどの傷を持っているのか観察する(自分の傷を見る練習として)
■レベル:破 ※ボリュームがあることと、こういう考え方にある程度慣れていないと受け取りにくいので 


以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。

*1:リンク先は、現在手に入る【増補改訂版】です

*2:5つ全部ありそうですが…一番大きい、と思っていたものです

*3:著者は「人間は親を選んで生まれてくる」という考え方をしています

2016年09月30日

怒りの原因を知れば、「怒らない生き方」に近づける☆☆☆☆


※ [Kindle版] はこちら

「対人関係療法」の精神科医が教える 「怒り」がスーッと消える本
PHP研究所/大和出版 (2014/09/26)
売り上げランキング: 2,926

著者のことを知ったのは、ネットの記事だった。怒りがテーマで、「怒りの原因はこんなことですよ」と書いてある言葉があまりにも自分にピッタリだったので感激し、さっそく図書館で借りたのがこの本。

記事を読んだ時の感動はそのまま、解決法まで書いてある素晴らしい本だった。
今まで怒りに関する本はたくさん読んできたが、文句なしにナンバーワンだと言える。


◆目次◆
はじめに
プロローグ もう「イライラ」「ムカムカ」にふりまわされない!
1 ムカッとすることは、ダメなことじゃない――「怒り」が教えてくれること
2 人はなぜカチンとくるのか?――だから「怒り」が湧いてくる
3 原因は「役割期待のずれ」だった――「怒り」がスーッと消えていく「対人関係療法」
4 この話し方をすれば、争わなくてすむ――「怒らない」「怒らせない」コミュニケーション術
5 もうめったなことではイライラしない――「評価」をやめれば、「怒り」が消える
6 心穏やかに生きるコツ――「怒らない人」になるちょっとした習慣
7 相手にキレられたら、こうしよう――「怒る人」への対処法

著者・水島広子さんは精神科医で、「対人関係療法」という治療法が専門。うつ病や摂食障害、不安障害などに対する効果が科学的に実証された精神療法だという。

この「対人関係療法」とアティテューディナル・ヒーリング(AH)の考え方に基づいて、怒りをコントロールする方法を教えてくれる本。
AHとは(著者が代表を務めるアティテューディナル・ヒーリング・ジャパンのサイト)

この本によれば、「怒ること=悪いこと」ではないそうだ。怒りは、そこに何か問題があると教えてくれるもの。だからこそ、無理して押し込む必要はないし、気づかないふりをするのは逆効果。怒りを感じなくなることでうつなどの精神的な症状につながることもある。
ただ、怒ることは自分にも相手にもダメージを与えてしまうので、怒りの原因を知って正しく対処しましょう、というのがこの本の趣旨だ。


私が感動した記事にもあったが、怒りの原因の大きなものは「予定狂い」と「役割期待のずれ」。
「予定狂い」とは、こうなってほしい、こうなるはずだ、という自分の中の予定がその通りに行かなかったこと。「あとで食べようと大事にとっておいたデザートを家族に食べられた」といったことから、「定時に帰ろうと仕事をがんばって進めたのに、帰り際に上司に仕事を頼まれる」といったことまで幅広い。
「役割期待のずれ」の典型的なものは、たとえば夫に「私は仕事で疲れているから、夕食後のあと片付けくらいしてくれるはずだ」と思っていたのに、何もせずにさっさと寝てしまった、など。
どちらも心当たりがあるのではないだろうか。


さらに、自分に対する怒りもあるが、たいていは相手があるもの。つまり、怒りは対人関係と切り離せない。
ここでのポイントは「評価」をやめることと、「被害者」をやめること。
「評価」はふつう他人に対してするものだが、同時に自分も「評価」しているので、無意識に自分を傷つけていることになる。
また、「自分は被害を被った」と感じた時、つまり「被害者」になった時に怒りを感じるが、「本当に自分は被害者なのか?」と考えてみることが重要だという。それは、「自分は被害者だ」というストーリーを事実に乗せてしまうパターン、つまり事実とは違う歪んだ認識をしてしまうクセを多くの人が持っているからだ。
この辺りが「対人関係療法」の本領発揮、事実と違うストーリーをどう乗せているのか、どう歪んで認識しているのか、そこから脱出するにはどうすればいいのかをていねいに解説しているので、素直に納得できる。


今までの「怒り」をテーマにした本にもあった「自分の心の傷」「自分だけが我慢している」という怒りの原因や、衝突せずに相手に自分の希望を伝える「iメッセージ」なども押さえてあり、再確認できた。
自分が怒らないことと、相手を怒らせないコミュニケーション術、両方を学べることもありがたい。


一番印象に残ったのは、「怒りは自分の人生をコントロールできていない時に起きやすい」という話。つまり、怒らない生き方には自分の人生に主体性を取り戻すことが大切なのだ。
片づけられない人は主体的に生きられている実感がないので、「被害者モード」になりイライラしたり怒りやすいそうだ。逆に言えば、片づけることで人生を「主体性モード」に変えることができるという。
「環境をよくする」が目的ではなく、「人生に主体的に関わる」を目的にするのがポイント。
まさか「怒り」がテーマの本で片づけの話が出るとは思わなかったが、痛いところを突かれた。


シンプルでわかりやすい本です。怒らない人生の第一歩にどうぞ。
私のアクション:腹が立ったら、「本当に自分は被害に遭ったのか」考えてみる
■レベル:守 

関連記事
読書日記:『「しつこい怒り」が消えてなくなる本』※石原加受子さんの本
読書日記:『怒らないこと』『怒らないこと2』※アルボムッレ・スマナサーラ長老のベストセラー
読書日記:『「イヤな気持ち」を消す技術』※苫米地英人さんの本。メモに怒りの対処法があります



以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。

2016年07月22日

大人になんかならなくていい、ただ自分になれ☆☆☆☆

おとなになるってどんなこと? (ちくまプリマ―新書)
吉本 ばなな
筑摩書房 (ちくまプリマ―新書)(2015/07/07)
¥ 734

ネットで吉本さんのことを調べていたら、この本の情報にたどり着いた。
「ちくまプリマー新書」は、若い世代に向けて作られたレーベルだと聞いたことがある。この本も10代向けかな、と思ったが、図書館の解説を見たら読んでみたくなって、予約した。

待ったかいのある、じわじわといい本だった。


◆目次◆
まえがき
第1問 おとなになるってどんなこと?
第2問 勉強しなくちゃダメ?
第3問 友だちって何?
第4問 普通ってどういうこと?
第5問 死んだらどうなるんだろう?
第6問 年をとるのはいいこと?
第7問 生きることに意味があるの?
第8問 がんばるって何?
<インタビュー>将来を考える


ばななさんが、これから大人になる人たちに向けて書いた本だ。ひらがなが多いので、おそらく小学生でも読めるのではないだろうか。
「まえがき」にこの本の意図が書いてある。

 気持ちがぶれてしまったときや自分でも自分が信じられないほどに落ち込んでしまったとき、この本を手にとりしばらく読み返せばいつのまにか自分の内面が調律できる、もとの軸に戻れる。
 そういうお守りみたいな本が作りたかったです(P9)。

 まだ年齢的には子どものみなさんや、もう大人になっているけれど自分の中の子どもを大切に抱いているみなさんの、眠れない夜にこの本が寄り添ってくれますように、願いをこめて…!(P10)

文字も大きいので、あっという間に読めてしまう。それなのに、心に残るのだ。


この本では、あまりにも辛かった高校でのエピソードや、お母さんの死など、今まであまり触れてこなかった(であろう)ことが開示されている*1
でも、それに対するばななさんなりの選択というか、回答が素晴らしい。だから、辛い・痛いで終わらないし、「あの頃は輝いていた」というような懐古趣味にも走らない。


ばななさんはご自身のホームページで日記を書いていた時期が長くあり、そこにはいつもきっぱりとした決断が書かれていた。あくまで個人的な事柄に対して、ばななさんがどう決断したか、という話なのだが、そこには必ず“普遍的な真理”のようなものがあった。
この本は、その“普遍的な真理”みたいなものをさらに濃縮した感じ、と言えばいいだろうか。


第8問「がんばるって何?」が一番心に響いた。この頃は「がんばれ」と言うのも神経を使うようになっているが、言う時も言われる時もどう考えたらいいのかが明快に書いてあって、長年のもやもやが晴れた。


ブログタイトルは、まえがきでばななさんが「たったひとつ言いたいこと」として書いていた言葉。
年齢に関係なく、子どもでも大人でも、読んで自分を取り戻してください。
私のアクション:身を守ることと、オープンであることのバランスを取る
■レベル:守 

関連記事
読書日記:『なるほどの対話』※河合隼雄さんとの対談


以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。

*1:高校時代の辛さについては、河合隼雄先生との対談で初めて知りましたが、この本はそれ以上に生々しいです

2016年07月02日

科学では捉えきれないもの☆☆☆

こころと脳の対話
河合 隼雄/茂木 健一郎
潮出版社
¥ 1,260

※文庫版あり→『こころと脳の対話 (新潮文庫))』(¥ 432)
河合隼雄さんの対談がたくさん出ていることを知って借りたうちの1冊。
茂木さんと河合先生の組み合わせ、もう面白いに決まっている、と期待して読んだ。期待以上に面白かった。


◆目次◆
第1回 こころと脳の不思議
第2回 箱庭と夢と無意識
第3回 「魂」を救う対話

この本も、河合先生が亡くなられたのちに出版された本だ。
3回に分かれ、3回目は茂木さんが講師を務めるカルチャーセンターの連続講座に特別ゲストで河合先生が登場した、公開の対談が収録されている。


小川洋子さんが『生きるとは、自分の物語をつくること』の「長いあとがき」で書かれていた、茂木さんが聞いたタクシー運転手が身の上話をしてしまう、というエピソードも登場する。
河合先生だとばれていないのに、あいづちをひとつうったら、それから運転手さんがどんどん自分の話を始めてしまう、というものだ。1人だけではなく、何人もあったそうだ。


ここに、「聞く」という行為の核心が詰まっている。
タクシー運転手のエピソードを受けて、河合先生のあいづちを収録して自動的に反応させたらダメか、という茂木さんに河合先生は「そこが人間が生きているということやと思う」と答えていた。
大切なのは、あいづちをうつタイミングでも、音程でもないのだ。
人が聞くというのは、「壁に向かってしゃべるだけとは違う。」と河合先生はおっしゃっていた。

上のエピソードもその一つだが、やはり心理療法の話が面白かった。自分は何もしない。ただ聞いているだけ。でも、中心をはずさずに受け止める。
あいづちはうつ河合先生とは違い、ただ部屋にじっと座っているだけで、聞いているかどうかもわからない、というやり方の欧米の心理療法家もいるそうだ。
クライアントは、ただその部屋に入って、ただしゃべって帰るだけ。それでも、たくさんのクライアントが回復したのだという。

その人は実績もあったのにわりあい早くに引退を決めたので、河合先生は「まだできるんじゃないのか」と尋ねたところ、「あんな体力のいること、もうできない」と言われたそうだ。
ただじっと座っているだけに見えて、「そこにぶれずに居続ける」ことがいかに大変か、そしてそれがクライアントの回復を助ける支えになるのだ、というエピソードは凄みを感じた。


茂木さんが学生時代に体験して以来、興味をずっと持っていた「箱庭」を実際にやってみる「第2回」も面白い。クライアントなら一切解釈はしないそうだが、この時は療法ではないので解説があり、茂木さんが今どういうことを思っていて、これからどうしたいと考えているかまで言い当てていてすごかった。
箱庭を作るだけで、癒されることもあるそうだ。


全体を通して感じたのは、「科学か、非科学か」というテーマ。お二人とも科学では捉えきれない領域で活躍されていたので、「科学的かどうか」という評価に対する疑問や苦労の話は興味深かった(下のメモはそれに関することが多くなっています)。


読んでいて本当に興味が尽きない対談だった。改めて、喪失感が強くなった。
文化庁長官なんかせずに、“やりたいこと”として対談でも挙げられていたいろんなことを、もっと極めて欲しかった。

対談なので気楽に読めますが、奥が深いです。
私のアクション:対談以外の河合先生の本も読んでみる
■レベル:破 

関連記事
読書日記:『生きるとは、自分の物語をつくること』※河合隼雄さんと、小川洋子さんの対談
読書日記:『なるほどの対話』※河合隼雄さんと、吉本ばななさんの対談


以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。

2016年06月28日

「引き寄せ力」を上げるシンプルな方法☆☆☆☆



EFTのことを知ったのはもう10年以上前のことだ(当時はまだ「TFT」だったかも)。こういうものがあるよ、と教えてもらっただけで、知識はゼロ。
先日読んだパッションテストの本にEFTのことが出てきたので、そういえばちゃんと知らなかったな、と思い何か本を読んでみることにした。
地元の図書館で待たずに借りられるEFT関連書はこれしかなかった、というのがこの本を選んだ理由。

借りてみて初めて、内容が「引き寄せの法則」中心の内容だったことに驚いた。
これも引き寄せかも、と思って読んだ。


◆目次◆
はじめに
第一章 引き寄せの法則ってなに?
第二章 引き寄せの法則・10のステップ
第三章 EFTでネガティブとお別れしよう
第四章 さらに引き寄せの法則を学ぶために
第五章 引き寄せの法則 Q&A
おわりに
あとがき

著者のブレンダさんはEFTジャパンの代表で、日本での第一人者。
だからもちろんEFTのこともくわしく載っている。

 EFTとはEmotional Freedom Techniquesの略で、日本語に訳すなら「感情解放テクニック」となります(P75)。


ごく簡単に言えば、鍼灸のツボに当たる部分を、指でタッピングすることで心身に働きかけるセラピーだ。
深刻なPTSDなど症状が重い場合は専門家に頼む必要があるが、この本を読めば、簡単な問題なら自分でアプローチできるようになる。

ただ、この本でのEFTはあくまでツールの位置づけで、「EFTを使っていかに引き寄せの法則を起こすか」がこの本のテーマだ。内容の半分以上が「引き寄せの法則」に関することになっている。


なので、「引き寄せの法則」解説本としても優秀だ。
「いかにポジティブでいられるか」が望む未来を引き寄せるカギなのだ。
人は意識しなければネガティブに傾きがち。それを手放すのにEFTを使いましょう、というのがブレンダさんの提案だ。


望まない状況や感情を変えるのにEFTは有効だという。
タッピングをしながら、まず「変えたい状況・感情」を言葉にし、その後「望む状況・感情」を口にする。
ネガティブな言葉から始めるセラピーはめずらしいが、ブレンダさんによれば「ネガティブをタッピングで叩き出すイメージ」だそうだ。


また、ブレンダさんは長年の経験で、タッピングを行いながら口にする「言葉選び」が重要だと気がついたという。

 そして、私はEFTのセッションやセミナーを日本で行っているうちに、言葉による状況の認識の仕方で、解放への道に進む速さに大きな差が現れることに気がつきました(P77)。

そこで、この本では「深くアプローチできる言葉の選び方」にかなりのページを割いている。


個人的には、ポジティブでいるためのコツや、自分を大切にするとはどういうことか、がわかったのが大きな収穫だった。「引き寄せの3つのA」や「大切にするもの4つの優先順位」など(どちらも下のメモにあります)が特に印象に残った。

自分の願望をオーダーしたら手放すことが大切、とはあらゆる「引き寄せの法則」本に書いてあることだが、叶えたい気持ちを持ち続けることで不安になったり、叶う形*1にこだわりすぎてネガティブになるのを避けるため、という解説には納得した。


EFTを知りたい、という人が最初に読む本としては「?」ですが、引き寄せの法則が理解でき、すぐ実践できるので、その意味ではいい本です。
「引き寄せの法則」がうまく使えない、なかなか自分のものにならない、という人は読んでみてください。

私のアクション:ポジティブな1日にするために、朝気分よく起きることを心がける
■レベル:破 やさしい言葉で書いてあるのでむずかしくはありませんが、“EFTを使って「引き寄せの法則」に働きかける”というテーマなので、EFTの基本を学べる本を読んでからの方がよさそう。

関連記事 ※関連書の読書日記がまだ書けていないので、書けたらリンクします。


以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。

*1:結果として、自分の考えたのとはまったく違うプロセスで叶うことが多いので、そこにこだわると叶わなくなることも

2016年06月16日

人はそれぞれの物語を生きている☆☆☆

生きるとは、自分の物語をつくること
小川 洋子/河合 隼雄
新潮社(2008/08)
¥ 1,404

※文庫版あり→『生きるとは、自分の物語をつくること (新潮文庫)』(¥ 400)

※ [Kindle版] はこちら ※文庫のKindle版になっています

生きるとは、自分の物語をつくること
新潮社 (2013/08/02)
売り上げランキング: 17,876

少し前、やっと『村上春樹、河合隼雄に会いにいく (新潮文庫)』を買った。その時、河合先生と他の人の対談本がたくさん出ていることを知った*1
これも、その中の1冊。小川さんの小説を読んだことがないのでどうかなと思ったが、とても心に染みる本だった。


◆目次◆
I 魂のあるところ
  友情が生まれるとき
 数字にみちびかれて
 永遠につながる時間
 子供の力
 ホラ話の効能

II 生きるとは、自分の物語をつくること
 自分の物語の発見
 「偶然」に気づくこと
 黙っていられるかどうか
 箱庭を作る
 原罪と物語の誕生
 多神教の日本に生まれた『源氏物語』
 「死」への思い、「個」への執着
 「原罪」と「原悲」
 西欧一神教の人生観
 厳密さと曖昧さの共存
 忘れていたことが出て来る
 傍にいること

二人のルート―少し長すぎるあとがき 小川洋子

河合先生は、脳梗塞で突然倒れられ、確か意識が戻らないまま亡くなられたと思う*2
この本は、本来ならもっとたくさんの対談が収録されるはずだったそうだ。1冊の本にするために、小川さんの「長いあとがき」が納められている。


次はこのテーマについて話しましょう、と約束して別れ、そのあと急に倒れて亡くなられたのだから、小川さんの悲しみや喪失感は深かったのだろう。「あとがき」からそれが伝わってくる。

河合先生が亡くなられた時、惜しい人を亡くしたと私自身も思い、残念だと感じたのは確かだ。でも、自分の中で悲しみがきちんと昇華されていなかったことに、小川さんの「長いあとがき」を読んで気がついた。

あとがきを読むうちになぜだかどんどん涙が出てきてしまって、それでも流れるままにしていると、それだけで「片づいた」ような感覚があった。
河合先生が亡くなった悲しみだけでなく、いろんなものが絡まった感情だったかもしれないが、浄化されたような気分になった。それだけでも、この本を読めてよかったかもしれない。

小川さんの文章は、とても静かで心を揺さぶるような激しさはないのに、とても不思議だ。
対談の内容についても、「あとがき」でくわしく振り返っているので、より深く読めた。


この対談のきっかけは、小川さんの『博士の愛した数式』が映画化された時、河合先生がこの作品をとても気に入っているので対談を、という話になったのだそうだ。
そのため、Iはこの作品の話(映画も含め)が中心になっている。


対談の中で、河合先生は「うまいこといく」という言葉で偶然について話されているが、この小説で小川さんが何げなくつけた名前や設定などが、実はとても深い意味を持つことに気づくくだりが素晴らしい。
そして、河合先生のテーマである「物語」が、「なぜ小説を書くのですか?」という問いに答えられなかった小川さんの答に結びついていくところは私までうれしくなってしまった。

生きるとは、自分にふさわしい、自分の物語を作り上げてゆくことに他ならない(P127)。

小説家ではない私たちは、物語を書き記したりはしないが、それでも、生きることで物語を紡いでいるのだ。


読むだけで癒される本です。西洋と東洋の違い、カウンセリングで本当に大切なことは何か、など、他の本とつながる部分もたくさんありますが、今まで読んだ河合先生関連の本の中で一番ヒーリング効果が高かった気がします(個人差はあると思いますが)。
心が疲れている時にどうぞ。
私のアクション:『博士の愛した数式』を読んでみる
■レベル:守 

関連記事
読書日記:『なるほどの対話』※吉本ばななさんとの対談集
読書日記:『村上春樹、河合隼雄に会いにいく』


以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。

*1:例のAmazonの「この本を買っている人は…」というリストです

*2:当時、新聞の記事で見た記憶があります