Hatena::ブログ(Diary)

通勤電車の図書室

2017-08-15 父と娘

[]私の男

謎の父娘を描く。年の離れないアウトローの養父は影のように娘を見守る。娘の結婚から時間を逆流して過去をさかのぼる。二つの殺人事件奥尻島震災。二人は実の親子であり、男女の関係にもある。天涯孤独の二人が一線を越えるのは自然のなりゆき。重い内容だが構成と文体で読ませる。直木賞受賞作。

私の男

私の男

[]ドン

都知事選で話題になった内田議員に代表される政界のドンがテーマ。世間的には悪役とされるが、リーダーの下で調整役に徹し、政策をスムースに立法化する。著者は基本的に肯定的自民党政権ではこれがうまく機能し、官僚組織を道具として使うことが可能であった。田中角栄はリーダーとドンを兼務する稀有な例。一方で集金マシーンとしての陰の部分も否定しない。必要悪といったところか。冷徹に政治の実像をさらけだした一冊。

ドン ―最強の敵か、最良の友か

ドン ―最強の敵か、最良の友か

2017-08-12 白い恋人

[]白い恋人奇跡の復活物語

北海道石屋製菓。著者は3代目の現社長。賞味期限偽装を巡る不祥事で経営危機を迎えたが、それをバネに経営を近代化し、中小企業からの脱皮に成功。操業停止は数ヶ月と意外と短い。実害を出したわけではないからな。成功要因は内部留保と銀行に代表される地元の支援。経営方針として原材料は北海道産にこだわり、販売も道内のみ。インバウンド需要もあり、急速に業容は拡大中。8割が白い恋人。新規事業では銀座進出を含め積極的に展開を図る。内容の割に記述が長く重複。まあ素人の著作なので仕方無きか。

「白い恋人」 奇跡の復活物語

「白い恋人」 奇跡の復活物語

2017-08-10 ナチス

[]ナチス隕石仏像

大戦前チベットで発見されたとする隕石仏像。造形的にはチベット仏からはかけ離れており、ナチスアーリア人の優位性を示すために作ったプロパガンダである可能性が高い。後半はナチスの持つ人種主義。その中心にいたヒムラー主題が移る。ここはやや冗漫。謎の多い歴史の暗部。

2017-08-09 北朝鮮

[]半島へ

北朝鮮崩壊の前夜、天然痘ウィルスの奪取を目指して自衛隊特殊部隊が潜入。研究所を急襲しあわせて拉致被害者の救出も同時に狙う。自衛隊は万能だが、政府マスコミが足を引っ張る形。結果はハッピーエンドだが、こんなにうまくいくのはフィクションだけだろう。エンタメとしては楽しめました。著者は出自から当然ながら自衛隊寄り。

半島へ 陸自山岳連隊

半島へ 陸自山岳連隊

2017-08-06

[]昭和の犬

一人の女性の一生を犬たちとの関りを通して描く。シベリア帰りの父親と愛情の薄い職業婦人の母親との間に生まれた主人公。後から思えばいずれも精神に異常をきたしていたようだ。滋賀の田舎から大学進学を機に上京し一人暮らし。時代を感じさせる貸間だが、常に周りには犬の姿があった。結局最後まで独身で両親を見送る形に。周囲の人々や動物たちに感謝する平凡な日常を尊く思うことが主題。独特の雰囲気の作品。嫌いではない。

昭和の犬

昭和の犬

[]富士フィルムの変える力

写真フィルムから見事な転換に成功した富士フィルムのドキュメント。成功の要因は古森氏のリーダーシップと風通しの良い風土。技術の棚卸により蓄積したフィルム化の基礎技術を転用した。陰にはかなり大胆なリストラも。決断すればスピード感を持って実行すべしが要諦。経営者に求められるものは、反射神経、覚悟、愛情の3つ。参考にしたい。本書はよくまとまっているが、既知の内容も多く、オリジナリティには乏しい。

富士フイルムの『変える力』

富士フイルムの『変える力』