知の逆転

現代アメリカを代表する自然科学界の碩学6人へのインタビュー。その業績から人生観、教育、宗教論まで及ぶ。生命工学、数学、言語学など専門は様々だが、踏み込んだ話は最小限で、共通の質問をベースとする一般論がメイン。共通するのは無宗教であり、米政権への不信感。著者の知的レベルも相当高く準備も万全で、現代の叡智とのわくわくするような対話に興奮が高まる。私の様な初めての読者には紹介にとどまっているのは事実で、ここを入り口にすべき一冊。

知の逆転 (NHK出版新書)

知の逆転 (NHK出版新書)

以下参考

レナードの朝 (ハヤカワ文庫NF)

レナードの朝 (ハヤカワ文庫NF)

二重らせん (ブルーバックス)

二重らせん (ブルーバックス)

小泉純一郎の原発ゼロ

政界引退から7年。後進のために発言を控えていた元首相が主張する原発の即時停止。フィンランドの最終処理設備オンカロの見学が直截の契機となる。無害となる10万年持つ人造設備は歴史上存在せず、未来の人々に危険を伝える言語からして問題となる。日本では処分場の立地も決められない政治。推進派には最終処分を決められないことの方が、代替エネルギーを提案出来ないことより無責任であると反論。主張は明快で筋が通っている。支持率の高い安倍首相が決断すれば一気にことが進むのは確か。大英断が待たれる。出版は都知事選の前。

小泉純一郎の「原発ゼロ」

小泉純一郎の「原発ゼロ」

  • 百考は一行にしかず。