彩色打楽

yazvinsky2005-01-06

ガムランの影響(クラシック/現代音楽編02)

西村 朗(1953- )
ケチャ・彩色打楽

 このアルバムは、インド音楽ガムラン音楽の影響を元にした西村さんの作品、それも「パーカッショングループ72」というグループのために書かれたパーカッションアンサンブルの楽曲で構成されています。「ケチャ」と「レゴン」の2曲がガムランがらみと思われます。


曲目:

  1. ケチャ
  2. ターラ
  3. 瞑想のパドマ
  4. レゴン
  5. ティンパニ協奏曲

ASIN:B00005F3R1

 「ケチャ」は6人のパーカッション奏者のアンサンブルですが、うち4人の奏者は演奏しつつ「チャッチャッチャッ」とか言ってます。ケチャの要素を下敷きにしつつ、全く別の芸能と言っていいほどうまく料理されています。ティンパニとチューブラベルによる対話なんていう趣向も、なかなか興味深いところです。アマチュアのグループでも取り上げているようですが、確かにこの曲は演奏した方が楽しいかもしれません。
 さて、「レゴン」はちょっと微妙な感じです。確かにバリのレゴンの音楽の雰囲気も少しありますし、その音楽的要素を下敷きにしていることはよくわかります。しかし、楽器も編成もチューニングも違うこと、そしてなにより西村節で再構成されていることで、全く別の作品に結晶しているような印象を受けます。これは全く好意的な評をしているつもりです。なぜなら既存の要素をコンポーズして新たな芸術を創造することこそ作曲家の仕事なのですから。