彩色打楽
ガムランの影響(クラシック/現代音楽編02)
西村 朗(1953- )
ケチャ・彩色打楽
このアルバムは、インド音楽とガムラン音楽の影響を元にした西村さんの作品、それも「パーカッショングループ72」というグループのために書かれたパーカッションアンサンブルの楽曲で構成されています。「ケチャ」と「レゴン」の2曲がガムランがらみと思われます。
曲目:
- ケチャ
- ターラ
- 瞑想のパドマ
- レゴン
- ティンパニ協奏曲
「ケチャ」は6人のパーカッション奏者のアンサンブルですが、うち4人の奏者は演奏しつつ「チャッチャッチャッ」とか言ってます。ケチャの要素を下敷きにしつつ、全く別の芸能と言っていいほどうまく料理されています。ティンパニとチューブラベルによる対話なんていう趣向も、なかなか興味深いところです。アマチュアのグループでも取り上げているようですが、確かにこの曲は演奏した方が楽しいかもしれません。
さて、「レゴン」はちょっと微妙な感じです。確かにバリのレゴンの音楽の雰囲気も少しありますし、その音楽的要素を下敷きにしていることはよくわかります。しかし、楽器も編成もチューニングも違うこと、そしてなにより西村節で再構成されていることで、全く別の作品に結晶しているような印象を受けます。これは全く好意的な評をしているつもりです。なぜなら既存の要素をコンポーズして新たな芸術を創造することこそ作曲家の仕事なのですから。