Ki Purbo Asmoro (2)
Ki Purbo Asmoro の来日公演についてのアナウンスを見つけました。
「Asmara」=「Asmoro」です。インドネシア語的には「Asmoro」で、ジャワ語的には「Asmara」かと思います。演目は「アルジュノの婚礼」という感じですね。
ジャワの鬼才 キ・プルボ来日決定
【 ワヤンとガムランが織り成すマハーバーラタの世界 】
日程: 7月18日(金),19日(土)
場所: 日暮里サニーホール
演目: 「 Arjuna Wiwaha 」
演奏: ランバンサリ
キ・プルボ: Ki Purbo Asmara
ワヤン(影絵芝居)のダラン(人形遣い)第一人者。世界各地で公演、欧米でも高い評価を得ている。
(メモ)
- Wiwaha ・・・wedding
Ki Purbo Asmoro
ジャワの有名なダラン Ki Purbo Asmoro のサイトを見ていたら、今年の7月に日本に来るとか。ランバンサリ公演で。どうやら今年の青銅音曲は、本場のダランを呼んでワヤンの演目をするようですね。
「Ciptoning」のお話を2時間の凝縮バージョンで、という感じでしょうか。まだランバンサリHPには詳しい情報はないようです。ワークショップもあるようで、公演ともども楽しみです。
July 2008 will travel to Tokyo, Japan for a week of workshops and performances with Gamelan Lambangsari, lakon Ciptoning, padhat (2 hours)
(メモ)
- lakon ・・・劇、芝居、出来事
- padat ・・・ぎっしり詰まっている、密集している
- Ciptoning ・・・マハーバーラタのエピソードの一つ
(動画)
回文
Wikipedia で調べものをしていて、「回文」の説明にある例文がいくつかツボに入ってしまいました。少し引用してみますが、並んだ複数の回文を続けて読むとだんだん可笑しくなってしまうものもあるので、こういった言葉遊びが好きな人は、Wikipedia のほうを見てみてください。
(シビれた回文の例)
- 爺さん三歳児(じいさんさんさいじ)
- リモコンてんこ盛り(りもこんてんこもり)
- 小力の添い寝磯野貴理子(こりきのそいねいそのきりこ)
- イカのダンスは済んだのかい(いかのだんすはすんだのかい)
- 女子コンパにパン粉所持(じょしこんぱにぱんこしょじ)
- 世の中ね、顔かお金かなのよ(よのなかねかおかおかねかなのよ)
(リンク)
回文 - Wikipedia
「世の中ね、顔かお金かなのよ」...なんだか沁みますね〜。^-^;;
上には上げていませんが、「マジ?小島!マジか?岡島!」は、シンプルに笑える!
Puspawarna
Lokananta CD の解説文にちょっと飽きてしまいました。ウェブで参照できるCDライナーに、興味のあるものがありましたので、今回はそこから。全訳ではなくて、興味のあるところだけですが。「GAMELAN OF CENTRAL JAVA」のシリーズから、「Flowers」というCDの解説文に「Puspawarna」の歌詞が掲載されていましたので、そこを中心に行ってみましょう。
Ketawang PUSPA WARNA, Slendro Manyuraおそらくこの曲は、ジャワ・ガムランのレパートリーの中でも最もよく知られた曲です。多くの録音の中に含まれています。(中略)通常は第2連までか、多くても第3連まで歌われるものですが、オリジナルはマンクヌガラ4世(在位 1853-1881)作の9連からなる詩です。テキストは、9種の花に象徴的に言及しています。(中略)
テキストで取り上げられた9つの花々は、クンチョル(kencur)、スターフルーツ(blimbing)、ドリアン(duren)、砂糖ヤシ(aren)、バナナ(gedhang)、チーク(jati)、ビンロウジュ(jamb)、綿(kapas)、そしてパンダヌス(pandan)です。マンクヌガラ4世作の美しい詩を訳しました。これはゲロン(男声合唱)によって歌われます。
Puspa Warna
「様々な花」1.クンチョルの花は
いつでも称賛の的
その姿は美しく
身のこなしは優雅
魅力的な話し方に
心を奪われてしまいます2.スターフルーツの花は
摘まれてもすぐ元に戻る
柔らかな光沢は
まるで尊い宝石のよう
それは花々の中の女王様
女性らしさの本質です3.ドリアンの花は
立ち止まって見入ってしまう
その姿に驚いてしまう
優しい微笑みと
上品な話し方は
感覚を包み込んでしまう4.砂糖ヤシの花は
ドリアンの枝の上で曲がる
その花を見て
考えを巡らせるものの
いつでももの思いに
沈んでしまいます5.バナナの花は
池の上にぶら下がっている
高貴な出自にふさわしい
すました表情と
物事に動じない物腰とを
備えています6.チークの花は
家の周りにばらまかれます
私はあなたを待って
いつまでも外を見ています
私がふさわしいか
どうかも知らないまま7.ビンロウジュの花は
芳香を放ちながら
宵に開きます
あなたが訪れて来て
願いをかなえて欲しいと言うので
私はまいってしまいました8.ワタの花は
絶えず刈られています
私はあなたに憧れていたいと
思っています
苦難を超えて
望みをかなえていくあなたを9.パンダヌスの花は
床の上にばらまかれます
あなたが私の元に
やって来たなら
心配しないでください
私は降参するでしょう
おもしろいですね。様々な花のことに触れながら、結局のところ恋愛模様を描いているようです。第6連あたりから色気が増してきますが、通常の「Puspa Warna」の演奏ではここまでは来ないようですね。一連の詩の中で、普段なかなか歌われない部分に艶があるなんてのは、粋(イキ)に通じるかも知れません。なかなかもってびゅーちほーな感じです。
余談ですが、別途参照したジャワ語の資料でも第7連までしか記載されていませんでした。ネタ元のCDでは第9連まで歌われているそうなので、そのアレンジはかなりレア物かも知れません。残念ながら自分は未聴です。m(_ _)m
(メモ)
- kencur ・・・galangal, galingale, ショウガ科、スパイスに使われる、処女
(参考)
GAMELAN OF CENTRAL JAVA - Flowers
Puspawarna - Wikipedia
ガランガル
熱帯果樹写真館:スターフルーツ
熱帯果樹写真館:ドリアン
びんろうじゅ(檳榔樹)
ロチェン氏・関連情報
先日、イ・ワヤン・ロチェン(I Wayan Loceng)氏の訃報をお伝えしましたが、関連する情報を記しておこうと思います。まずは、日本人による日本語の記事を上げます。
英語圏のお弟子さんたちは、ロチェンさんのサイトを立ち上げました。
- スカワティのグンデル・ワヤンの巨匠、イ・ワヤン・ロチェン氏を悼む
(2006/10/19)- Desa Kala Patra:謹んでロチェン氏のご冥福をお祈りいたします
(2006/10/23)- バリ島徒然草:ロチェンさんが亡くなりました。
(2006/10/24)- gender wayang (recordings)
インドネシア語の訃報記事。自分には読めませんが...。
- Balinese Gender Wayang Sukawati
(作曲家/演奏家の Christine Southworth 氏と Evan Ziporyn 氏による)その他、英語の記事
- BALIwww.COM:Wayan Loceng of Sukawati has passed away
(2006/10/19)
そして、上で上げた記事にも書かれていますが、日本のレコード会社から発売されている音源の紹介。
- Bali Post:Perginya Loceng, Penabuh Lonceng Kehidupan
(2006/10/22)
最後に、このブログ内の関連記事。
バリ・ガムランの精華 スカワティのグンデル・ワヤン
演奏:I Wayan Loceng, I Wayan Sarga, I Ketut Balik, I Ketut Sukayana
曲目:
- Sekar Sungsang
- Sulendro
- Seketi
- Candi Rebah
- Pengmukah (Prelude to Wayang)
- Tabuh Gari
キングレコード(1999)
ASIN:B00005F82B
妖炎のグンデル/デワ・ルチ
人形:I Wayan Wija
演奏:I Wayan Loceng, I Wayan Nartha, I Made Mutdhi, I Ketut Agus Partha
曲目:
- Sekar Sungsang
- Pemungkah
- Alasarum
- Meeting between Durna and Bimasena
- Conversation in the Punasal Family
- Rebong
- Final Section
最後の最後に、遅ればせながら、故人の冥福をお祈りします。
ロチェン氏・逝去
昨日、著名なバリのグンデル奏者、イ・ワヤン・ロチェン(I Wayan Loceng)さんが亡くなられました。10月17日の早朝に起きた心臓発作が直接の原因と伝えられています。
ロチェンさんについては、このブログでも過去に触れたことがあります。そう、それは皆川厚一さんの著書「ガムラン武者修行」からとりわけ印象深いエピソードとして引用した、ロチェンさんと皆川さんのやり取りのことです。ロチェンさんは、皆川厚一さんの御師匠様なのでした。自分とロチェンさんは何ら関わりはありませんが、まがりなりにも話題として取り上げた人が亡くなられたのに、記しておかないのもどうかと思い、記しておくことにしました。(消極的な動機で申し訳ないです。)
それにしても、ウェブで関連情報を調べてみると、かなり多くの人がロチェンさんの影響を受けていて、彼を師と仰ぐ人もまた多くいて、そしてさらに、この訃報に接して多くの方がそれぞれの思いを表明されているのを見ることができます。関連情報については、また別途取り上げようと思います。まずは、取り急ぎお知らせと言うことです。ではでは。