ARGカフェ参加感想

2008-11-28(Fri): 図書館総合展3日目−第2回ARGカフェ&ARGフェストを開催 - ACADEMIC RESOURCE GUIDE (ARG) - ブログ版に参加してきました。

いつも壁の花になるシャイな私ですが、ARG関係のイベントでは沢山の人とお話することができるのです。今回もとても充実したものとなりました。


岡本さんありがとうです〜。またぜひ参加したいと思っています。


ライトニングトークはどのお話もとっても興味深かったです。気になったことについていくつか書いてみます。


坂口さんが紹介されたWorld Registoryですが、ある目的(World Registoryの場合はGoogleから図書館の情報へ人を誘導)を達するために必要な情報を人間が入力することによって実現するところやその情報をみんなで共有したり、一元管理できるようになることでいろんな人がうれしいことがたくさん出てくるといった点など、私が学生時代に行っていた研究*1,*2と様々な共通点があったのが印象的でした。


学生時代にやっていた研究は、必要性は多くの人に理解していただけるのですが、それを実現する方法は課題が多く、どこから手をつけてよいかわからないこともあってなかなか進んでいなかったのですけどまたやろうという気になりました。


林さん、社会人大学院生になられたとのこと。特に博士課程は専業学生(?)でも大変なのにすごいです!林さんは研究のネタ的にも、地理的にも近いところにいますので、またいろいろお話させていただきたいです。


長神さんが冒頭におっしゃっていた図書館関係のかたから無視するのかと怒られたという話で、どきーっとしました。そういえば、サイエンスアゴラではないですが、私もサイエンスコミュニケーションのイベントで似たような発言(質問)をした記憶があるからです。


私の質問内容はもう記憶があやふやなのですが、幸いそのときの報告が上がっていたので、引用すると

「日本の科学コミュニケーションには図書館が出てこないが,アメリカでは図書館でのコミュニケーションが活発だ.科学コミュニケーションのコミュニティーは図書館とは関係ないのか」という質問には長神氏と難波からそれぞれ,「年会には学部生・院生のポスター発表があった」(長神),「シンポジウムで発表している大学院生を一人見た.登壇することは非常に名誉なことらしく,緊張していたが,よい経験になっているように見受けられた.図書館については,AAASでは見聞きしなかった.
しかし北大科学技術コミュニケーター養成ユニットでは,図書館と連携して,機関リポジトリの広報普及のためのニュースレター作りをやっている」と回答があった.*3

という内容だったようです。


無視するのかといった強い(?)内容ではなかったかですが、内心かなり憤っていたような気もします。あまり隠せるほうではないので発言時の語調・表情には出ていたかもしれません。


どうしてそのような質問をしたかというと、サイエンスコミュニケーションは「市民の科学リテラシーを上げること」を目的としたものだと思ったこと、その目的は、図書館の使命(の一部)だと思ったことからです。なのに、そういう使命を帯びている図書館を活用してないなんて、サイエンスコミュニケーションをやっているという連中はいったいなにやってるんだ、と思ったからです。


帰ってきてから(あわてて)長神さんの記事を読んでみたのですが、

「複数の方から,図書館とサイエンスコミュニケーションの関係について質されたことがある」*4

とあったので、私だけでなく、いろんな方がされたんですね・・・。


長神さんが図書館を活用されるということを視野に入れるようになる契機に私の発言がなったのでしたら、よかったなと思います。いや、私の発言は関係なかったのかもしれませんが・・・。


サイエンスコミュニケーションについては図書館の使命や活動との関係について以外にも、サイエンスカフェじゃないとサイエンスコミュニケーションじゃないのか?という別の疑問もあったのですが・・・。


私は高校の時に天文部で市民(おもに小学生でしたが)にスライドを使って星座の説明をしたり、一緒に星の観望をやったりなどをして、市民の科学(天文分野)リテラシーを上げることが目的の一つである活動をしたこともあったので。


出会いが悪かった(?)こともあり、サイエンスコミュニケーションって何なのかさっぱりわからないままだったのですが、長神さんがライトニングトークの冒頭に、

サイエンスティックコミュニケーションじゃなくてサイエンスコミュニケーションです。科学技術に関係するようなことを社会との間でどのように共有していくか、お互いの双方向コミュニケーションをどのように進めていくかということをやって、

とおっしゃっていたのを聞いて、サイエンスコミュニケーションの定義について少しだけ腑に落ちたかもしれません。


サイエンスコミュニケーションでは、双方向コミュニケーションが重要なんですね?サイエンスコミュニケーションについては、不勉強なのでいろいろ誤解がありそうな気がしますが。


他の発表や質疑にも興味のある話はあったのですが、こんなところでしょうか。

*1:江草由佳, 高久雅生, 石塚英弘. 分散環境におけるデータベースに関する情報の共有システム. 情報知識学会誌, Vol. 14, No. 3, 2004, p.1-17. http://ci.nii.ac.jp/naid/110003320787/

*2:江草由佳, 高久雅生, 宇陀則彦, 石塚英弘. Z39.50 データベース選択支援環境. 情報知識学会誌. Vol.11, No.2, p.37-44 (2001.11)http://ci.nii.ac.jp/naid/110003320695/

*3:難波美帆. p.93 2.4 参加者の関心からの質疑応答, 研究会「AAASとサイエンス・コミュニケーションの未来」における総合討論. 科学技術コミュニケーション. Vol.2 (2007-09) pp. 88-95, 北海道大学科学技術コミュニケーター養成ユニット ISSN:1881-8390 http://hdl.handle.net/2115/28267

*4:長神 風二. p.321 1.はじめに,“サイエンスコミュニケーションと 図書館”. 情報管理. Vol. 51, No. 5, (2008), 321-333. http://dx.doi.org/10.1241/johokanri.51.321