修 理

人の部屋に
勝手に上がりこんできた君は
土足で歩き回り
散らかし放題で出て行った

残された僕は
懸命に体を支え
涙をこらえながら
何とか元の部屋に戻した

だけど
もうあれから
だいぶ経つのに

いや
何年も過ぎたから
直した所から順にほころんで
いつまで経っても
きれいにならないのさ

昨日は床面
そして今日は
はがれ始めたクロスの
修理に取りかかる

覆い隠していた
大きな傷が現れてきたから

また少しずつ……