避 奔

大きく広げた手の平に
君は突然舞い降りた

可憐で鮮やか
だけど
名前も知らないきれいな蝶

そっとカゴに入れて
ずっと眺めていたけれど
君は出口を探し続け
そして遂に
わずかな隙間から逃げてしまった

残ったのは
悲しんでいるような
怒っているような
スケッチに残る君の姿……

全くどうかしているよ
気ままに遊ばせてるつもりが
固く縛り付けていたことに
今頃やっと気づくなんて

今日も一人突っ伏して
潰れそうな胸を押さえながら
そう悔い続ける

はぁ
俺も逃げ出してしまいたい

どこか遠くへ……