英語で情報を取る:軽​水炉、日本で強奪が起​きない理由、不屈の日​本 [久松 20110315]

浅見さん、綾部さん、西中さん、須賀さん、丹羽さん:
<関心がありそうな人には転送してもかまいません>
<不要なら、久松に送るな、と言ってください>
<暇な時に読んで頂ければ幸いです>

本日は短い三題話です。三題は、
1)軽水炉はなぜ市場を圧倒しているのか、
2)なぜ日本で強奪が起きないのか、そして、
3)不屈の日本、
です。

1)軽水炉はなぜ市場を圧倒しているのか、

みなさん、福島第一原発について心配されているでしょう。
これについては、以下のような「注意深く楽観的な」レポートがあります。
"Why I am not worried about Japan’s nuclear reactors."
http://mitnse.com/2011/03/13/why-i-am-not-worried-about-japans-nuclear-reactors/
これは今朝の第二号機の「爆発」以前の記事ですが、それでも
全体像を知るためには大事な記事だと思います。
そして、日本語の翻訳もありますが、若干、重要な箇所で間違っているようですので、
日本語を読みながら、特に数字に気をつけて英語本文を確認した
ほうがいいと思います。
http://bravenewclimate.files.wordpress.com/2011/03/fukushim_explained_japanese_translation.pdf

私が思うに、32代大統領であるJFK、つまりジョン・F・ケネディが、自分の就任演説で
言った言葉が今ほど当てはまる時はありません。
"So, first of all, let me assert my firm belief that the only thing we
have to fear is fear itself―
nameless, unreasoning, unjustified terror which paralyzes needed
efforts to convert retreat
into advance. "
覚えておいて良い部分は、the only thing we have to fear is fear itself です。
「恐れるべき唯一のものは恐れそのものだ」
でも、その後の部分もいいですね。

さて、本題です。福島第一原発軽水炉という型ですが、この種類の炉が
世界の原子炉でメジャーなのだそうです。しかし、必ずしも軽水炉がもっとも
優れているとは限らないのだそうです。では、なぜ市場を圧倒しているのか?
これは新技術についてときどきあることです。
前回紹介したタイラー・コーエンのポストではこれを説明した論文があるとのことです。
http://marginalrevolution.com/marginalrevolution/2011/03/nuclear-power-reactors-a-study-in-technological-lock-in.html

論文はこれです。
http://dimetic.dime-eu.org/dimetic_files/cowan1990.pdf
要は、技術が導入されるときに、強くプッシュされた技術の一様式が
市場を制圧してしまうという典型例だというのです。類似の例としては、
キーボードのキー配列、電流の交流電流、ガソリン・エンジンがあります。
こういうちょっと長めの時間軸で考えるのが経済史なんですね。


2)なぜ日本で「強奪」が起きないのか、
これは、ウィリアム・イースタリーのポストです。
http://aidwatchers.com/2011/03/why-no-looting-in-japan/
これは簡単なので、解説抜きです。
たぶん、我々にとっては、なぜ外国の人々がそんなに驚くのか
ということ自体が驚きですが、この驚きを大切にしたいと思います。


3)不屈の日本、
これはWall Street Journal (March 12, 2011)の社説です。
英語で読んでから、日本語で自分の理解をチェックしてください。
私が思うには、そうですね、英語版を5分ぐらいで斜め読みできれば
いいんじゃないかなと思います。そして、自分のコメントが出てくればいいんです。


今日はこんな感じです。今日は私は夕飯担当なので
得意のナポリタンを作ります。ではでは。

久松