大量合格時代への流れ(1)

私が大学(早稲田大学法学部)に入学したのは昭和58年(1983年)ですが、そのころの司法試験合格者は500名(500名弱)程度でした。合格者を増やしてほしいという話は常にありましたが、1000名とか1500名といった、景気の良い話はほとんどなく、「せめて500名は切らないようにしてほしい」といった遠慮がちな(?)話が主流で、司法試験というものは、合格者がその程度しかいない、極めて難しい、一種の「現代の科挙」で、受験する人もごく特殊な人々、という色彩がかなりあったという印象があります。
このような司法試験が、最も難しかったのは、おそらく昭和50年代だったのではないか(修習期で言うと30期台ですね)と私は思っています。その頃の司法試験は、問題も非常に難しく、例えば、憲法では、そのころはまだ教科書で触れているものがほとんどなかった憲法訴訟に関する問題が出題されて受験者が皆、頭の中が真っ白になってしまった、といったこともあったと聞いています。
こういった状況の中で、合格者の平均年齢もどんどん高くなり、非常な危機感を抱いた組織がありました。それが法務・検察だったというのが私の認識・理解です。

(続く)

中華航空機事故 十三回忌慰霊式 遺族ら、再発防止を訴え

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060427-00000009-maip-soci

この事故が起きた時、私は、名古屋地検刑事部にいて、その日は、仕事の後、当時、通っていた名古屋市栄の簿記学校で簿記の授業を受けてから、栄のゲームセンターで、当時はまっていたユーフォーキャッチャーなどをして遊んでいました。
事故を知った刑事部長から、名古屋空港へ行って現場の様子を見てくるようにという電話が自宅にかかってきたことを後から知りましたが、当時は、まだ携帯電話も持っていなくて、連絡がつかず、後輩の検事が事故現場へ行きました。凄惨そのものの現場だったと、後から聞きました。
事故後、12年が経過したことを思うと、改めて、時の流れの速さを感じます。亡くなった方々のご冥福をお祈りしたいと思います。

組員殺人未遂事件 凶器のナイフ捏造か

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060427-00000033-san-soci

和田裁判長は判決理由で、大阪府警が発見したナイフについて、「排水溝の中に落ち込む可能性はきわめて低く、犯行から発見までの間に清掃もされている」と指摘。「勾留期限も迫り、凶器が出てきたほうが望ましい状況だった」と捏造の可能性に言及した。

捏造されたものかどうかはわかりませんが、警察捜査の「闇」の部分に、ほんの少し、光があたったような側面はあるかもしれません。
東京高裁、東京地裁あたりにありがちな、「警察が違法なことをするはずがない」「検察は常に正しい」「被告人、弁護人の言うことは信用できない」といった決めつけ、思い込みには、警鐘を鳴らし参考になる裁判例かもしれません。

堀江被告保釈、94日ぶり…捜査は事実上終結

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060427-00000012-yom-soci

証拠関係を見ていないので、あくまで推測ですが、弁護団が、堀江被告人以外の共犯者による犯罪行為の存在自体は争わず、共犯者と堀江被告人の間の「共謀関係」や、堀江被告人自身の実行行為(があるとして)の不存在、といった点に争点を絞り込んだ可能性が高いと思います。
そういった争い方をするのであれば、検察官請求証拠の、かなりの部分が被告人・弁護人の同意の下で取り調べられることになり、主として共犯者(堀江被告人と共謀するような立場の人は、それほど多数にはのぼらないでしょう)の証人尋問と被告人質問を行って結審という、シンプルな審理にすることも可能でしょう。
そこに、新たな「公判前整理手続」が行われることにより、そこで出なかった主張や証拠は、公判での提出が原則として大きく制限される、という仕組みになっていることで、全体として、裁判所が、罪証隠滅の恐れが大幅に低下し、裁量保釈を認めてもよい、という判断に至った可能性が高いように思います。

追記:

実務で、特に第1回公判前で、罪証隠滅の恐れ自体が認められない、というところまで裁判所が踏み込んで認定できることは、ゼロとは言いませんが、極めて稀ではないかと思います。
したがって、通常は、裁量保釈というケースが多い(むしろそれが普通)と思います。
堀江被告人の場合も、罪証隠滅の恐れ自体がない、とは言いにくいと思われ、おそらく裁量保釈が認められたものと推測されます。

個人向けタクシーチケット、5月からコンビニで販売

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060427-00000514-yom-bus_all

利用者は、主要なコンビニに設置してある端末を使って、1枚1000円の代金で1050円分のチケットを購入できる。利用できるタクシー会社は、東京都の2社を含む全国110社(計約9000台)。お釣りは出ないため、近距離での利用には向かないが、チケットの半券を5枚集めると100円分として利用できるなど割安感を出している。ただし、1か月以内に使わなければ無効になる。

これでは、あまり便利とは言えないでしょうね。
私は、最近、Edyを使って買い物をする機会が増えてきましたが(コンビニのampmで、チュッパチャップスなどを買っています)、タクシーでは、まだEdySuicaが使える場合が少ないようで、早く使えるタクシーが増えてほしいものだと思っています。