Winnyはどこまで危険か

http://japan.cnet.com/news/sec/story/0,2000056024,20265907,00.htm

現状が分析、紹介されていて、なかなか参考になる内容です。

全体としてはWinnyネットワークでのユーザーニーズもロングテール化しており、特定の分野、特定のファイルに集中する傾向は見られない。そのため、問題となる音楽や映画、プログラムの著作権侵害の被害は実際には小さいのではないかという。
一方、ネットエージェントへの調査依頼が多いのは情報漏洩問題だ。情報が漏洩した官公庁や企業が、どこから情報が漏れたのかを突き止めて停止させ、処分などをしなければならない。被害額が少ない著作権違反とは異なり、特に企業にとっては死活問題ともなる。

ウイニー問題は著作権侵害問題でありウイニーを(さらには開発者を)叩けば事態が改善されるという幻想を抱いた人々もいたようですが、現実には、むしろ、上記のような情報漏えいに問題の重点が移っている、ということでしょう。
記事では、ウイルス対策が有効に機能していないことが指摘されていますが、

12月13日、京都地方裁判所Winny開発者の金子勇氏の著作権法違反幇助罪に関する判決が出る。Winny関連のさまざまな事件が、この判決で動くことになりそうだという。「捜査機関は判決が出るのを待っている。金子氏無罪の場合、検察は控訴しても勝ち目がないので無罪確定になる可能性も高い。有罪ならば金子氏側が控訴するのは当然なので、結論は先延ばしになる」
セキュリティの面から見た場合、無罪判決確定の方がメリットは大きいかもしれないと杉浦氏は話す。金子氏が封印されてきたWinnyのバージョンアップをし、Antinny対策を取ることができるからだ。もっとも、有罪判決の場合は第三者Antinny対策に乗り出す可能性もある。

とあるように、開発者が起訴されてしまったことが、対策を遅らせ情報漏えい問題の拡大を招いてしまったという側面は確実に存在するでしょう。ここは、捜査機関側に、一種の読み違えがあったのではないかと私は考えています。
私自身は、仮に無罪判決が出た場合、検察庁は、その面子、威信にかけても控訴する、と見ています。ここまで世間に注目され、インターネット上でも散々叩かれて、無罪になって、はい、そうですかと引っ込む検察庁ではないでしょう。
どのような結論が出るか、12月の判決が注目されます。

「写真だけ撮って帰る群れ」 仏紙に邦人旅行批判 観光関係者に怒りととまどい

http://www.nishinippon.co.jp/nnp/world/20061009/20061009_003.shtml

問題の記事は8月8日付で、モネの風景画やルブランの小説・怪盗ルパンシリーズの「奇岩城」の舞台として知られるノルマンディー地方エトルタを紹介したもの。
ここでフランス人がいかに静かなバカンスを過ごしているかつづった上で、別荘オーナー組織のメンバーの言葉として「日本人の群れはパリから昼前に着いて、そそくさと2つの奇岩の写真だけ撮る。そして帰る前に、お土産や体のマッサージに使うため、禁じられているのに海岸の小石を拾う」と記述している。
「(日本人が多い)ピーク時には、別荘の人たちは庭の奥深くに避難する」とも書いている。

私自身にとっても耳の痛い話ですが、記事の中で、

バカンスは「空白、無為」という意味も持つ言葉。フィガロ紙の記事は、いわれなき中傷だったが、年に最低2週間、最高4週間の連続休暇をとる権利が保証されたフランスと、平均連続休暇が7.7日(2005年)の日本社会の差が、両国民のバカンスや旅に対する意識の違いにあらわれているのは確かなようだ。

とあるように、限られた期間で旅行し、その間に、できるだけ名所とか旧跡などを見てみたい、ということで、上記のような慌ただしい行動になってしまう傾向があることは間違いないでしょう。
ただ、外国へ行き、現地の人々がのんびりと過ごしているところに、土足で踏み込むようなことをしてしまうと、無用な反発を受ける場合があるということで、注意すべきではないかと、自戒を込めて感じました。

After 21 Years, DNA Testing Sets Man Free in Rape Case

http://www.nytimes.com/2006/10/07/nyregion/07rape.html?_r=1&oref=slogin
http://www.nytimes.com/2006/10/07/nyregion/07rape.html?pagewanted=2&_r=1

ボツネタ

http://d.hatena.ne.jp/okaguchik/20061009/p7

で紹介されていたので読んでみましたが、確かに、犯人像と、この冤罪の被害者がかなり異なっているにもかかわらず、陪審が有罪にしてしまっていて、陪審制度の負の側面というものを考えさせられます。
記事の中で、

“Going to jail for rape is hard,” Mr. Fappiano said yesterday, recalling a prison pecking order in which only pedophiles rated less respect than rapists. “Going to jail for rape when a police officer’s wife is involved is really hard.”

とあり、さぞ辛かっただろうと思い、改めて冤罪の恐ろしさを感じました。

http://imak.exblog.jp/4469656/

グーグル、動画投稿サイトのユーチューブを買収

http://www.asahi.com/business/update/1010/048.html

グーグルにとっては、更なる大きな飛躍へとつながる可能性がある買収でしょう。
先日、

ロングテール―「売れない商品」を宝の山に変える新戦略

ロングテール―「売れない商品」を宝の山に変える新戦略

を購入し、仕事の合間に少しずつ読んでいますが、従来の常識が常識ではなくなり、新たな常識が生まれる時代に自分が生きている、ということを改めて実感しています。
この本は、「ロングテール」の提唱者によるもので、その考え方がよくわかり、参考になります。

大阪高裁長官に金築誠志氏

http://www.asahi.com/politics/update/1010/004.html

政府は10日の閣議で、金築誠志東京地裁所長を高裁長官に任命することを決めた。これを受けて最高裁は金築氏を大阪高裁長官に、また東京地裁所長に白木勇・東京高裁部総括判事を充てる関連人事を決めた。

白木新所長には、高裁での事件の関係でお会いして話したこともありますが、(しがない弁護士のこのような言い方は失礼かもしれませんが)高い見識が感じられ、弁護士や被告人に対する接し方も、上から見下す感じでもなく、丁寧な中にも毅然としていて、なかなかの人物、という印象があります。ただ、事実認定や量刑は、被告人、弁護人に対しかなり厳しく、日本における典型的なエリート刑事裁判官、と言えるでしょう。単なる感想です。