<誤認逮捕>服役の男性は無実 無職男を再逮捕 富山県警

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070119-00000127-mai-soci

県警によると、似顔絵捜査や被害者証言を受け、男性を2日間で計約17時間、任意で聴取。当初は否認したが、3日目に容疑を認めたため逮捕したという。
男性は公判でも起訴事実を認め、約2年1カ月間服役し、05年1月に仮出所。無実判明後の今月17日、県警幹部が謝罪のため親類宅を訪ねたが、今年に入り所在が分からなくなっていることが判明したという。
国選弁護人を務めた山口敏彦弁護士は「公判では一貫して犯行を認めていたので、無実の判明に驚いている」と話した。

やっていないのに無理矢理認めさせる、虚偽自白を他の証拠で検証できない、弁護人がついていながらやっていないという本当の話が公判に出てこない、というところが恐ろしいですね。構造的な問題を感じます。
捜査に問題があったことは言うまでもありませんが、起訴された被告人には強烈な有罪の推定を働かせ、検察官の言いなりの「お白州」状態で進んでいる刑事裁判の現状が、こういった決定的な「破局」という形で噴出したという印象を受けます。自白してしまったので、公判でもう何を言っても無駄だ、と、被告人があきらめてしまった可能性が高いと思います。ハインリヒの法則に照らせば、他にも同種事例が続出している可能性が高いでしょう。「精密司法」も、所詮、こんなもの、必罰主義のなれの果てがこれ、ということだと思います。
富山地検の佐野次席検事は、私と同期でよく知っていますが、福岡地検にいたときには次席検事による情報漏えい事件が起き、今度はこの事件と、あまり、事件のツキがないように感じます。頑張って、適切に対応してほしいものです。

肖像パブリシティ権 「表現の自由」罰則に慎重論も

http://www.sankei.co.jp/shakai/wadai/070119/wdi070119000.htm

奥村弁護士のブログ経由で知りました。

http://d.hatena.ne.jp/okumuraosaka/20070119/1169201982

国内に目を向けると、立法に向けた議論は鈍い。ある関係者は「著作権絡みの文化庁が管轄するのか、経済産業省なのか。所轄官庁さえはっきりしない」と語る。また、過剰な法規制は表現の自由を規制することにもなりかねず、「言論、表現の自由は最大限に尊重されなければならない。批評記事と不法商品の線引きも難しい」と指摘する。

パブリシティ権自体が、そもそも明文で定められた権利ではなく、その中身について定まっていない面もある上、許されない権利侵害と、そうではないもの(上記の記事にあるような批評記事における掲載など)の切り分けが困難な場合も少なくないでしょう。
刑事罰を科す、ということになると、構成要件上、明確な線を引き、処罰の範囲を画する必要がありますが、この記事に出てくる、高名で「優秀な」弁護士の方々は、その辺をどのように考えておられるのか、興味がありますね。私には思い及ばないような、素晴らしい考えをお持ちと思いますから、機会があれば(私のようなしながい弁護士には、そういう機会もないと思いますが)、是非うかがいたいものです。
民事での責任追及がお金もかかり面倒だ、お金もかからない捜査機関にやってもらうのが手っ取り早い、という思惑で言っているのであれば、捜査関係者も快くは思わないでしょう。

江東に巨大スカパーアンテナ 差し止め提訴

http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20070120/mng_____sya_____011.shtml

記者会見した原告代表の猪又和子さん(64)は「マンションが林立するこの地域になぜ設置するのか。不安と恐怖を感じる」と話した。

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20051122#1132589153

でも述べたように、一昨年、六本木ヒルズ森タワーの49階で、FMのJWAVEの取材を受けようとしたところ、技術担当者が、「電磁波が強くて雑音が入ってしまう」と指摘したので、同じ建物内にある同社のスタジオへ行って収録したことがありました。同社があるエリアは、かなりのお金をかけ、窓など全体を電磁波から防護する工事を行っている、とのことでした。その時、聞いた話では、東京タワーから電磁波が出ている、とのことで、六本木ヒルズ(その周辺の地域も含め)が、常に電磁波にさらされている状態にある、ということがよくわかりました。
ホリエモンも村上氏も、その他の六本木ヒルズやその周辺で行動する人々も(もちろん私も)、これだけ電磁波にさらされていれば、先は長くないかもしれません。

北海道ガス漏れ:業務上過失致死容疑を視野に捜査

http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20070120k0000e040036000c.html

北ガスによると、18日に住民から「ガス警報器が鳴った」と通報があり、調べたが、ガス漏れ個所を特定した20日未明まで付近住民への告知や警察・消防に連絡していなかったという。

可能性としては、ガス漏れそのものについての過失と、上記のような、ガス漏れ発覚後の対応の遅れに関する過失が考えられ、立件の可能性としては、後者のほうが高そうです。
上記のように「連絡していなかった」ことが、通常の業務手順の範囲内でありこのような重大結果の予見可能性まで肯定できないのか、対応の遅れと死亡結果との間に因果関係があるか、といったことも、今後、問題になって行くと予想されます。
漏れたガスが人家に入って人が死亡したプロセスについては、おそらく、鑑定が必要であり、起訴不起訴が決まるまでにも、それなりの期間を要するように思います。

「MySpaceで娘が性犯罪被害に」、4家族が訴訟

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070120-00000005-zdn_n-sci

両社を訴えたのはニューヨーク、テキサス、ペンシルベニアサウスカロライナの各州の4家族。未成年の娘がMySpaceで成人ユーザーから誘惑され、性的暴行を受けたと主張している。

「われわれの観点では、MySpaceは未成年ユーザーの安全を高める意味のあるセキュリティ対策を導入するのをあまりに遅らせた」とArnold & Itkinの弁護士は述べている。

法的責任が認められる可能性については、事実関係がわからないので何とも言えませんが、この種の問題は、SNSが普及すればするほど、日本でも増えて行くことは確実でしょう。
未成年者がSNSを利用するにあたっては、運営側のセキュリティ対策だけでなく、親による指導監督、ということも不可欠だと思います。こういった訴訟を起こす親が、どこまで指導監督を徹底していたのか、という疑問は残ります。

私にとってブログとは

最近、ブログを毎日続ける意味は何か、何を目指しているのか、といった質問を受けることが多くなりました。
基本的に、本ブログは私の「備忘録」「日記」です。目にとまったニュース、裁判、その時々に考えたこと、読んだ本等々について、その都度書きとめ、分析、感想、ある程度整理した考えをブログに反映させておくことで、将来、役に立つこともあるだろう、ということで続けています。
実際、過去に書きとめたエントリーを、再度、引っ張り出してきて読んでみることも日常的にあって、備忘録としてはかなり役立っている状態です。
公開していることで、書く立場としては緊張感も出ますし、コメント、トラックバック等を読むことで、自分の考え方、感じ方を検証することもでき、その意味でもかなり役立っています。
注目されたい、目立ちたい、といった「邪心」が先行していては、ここまで続かないと思いますし、内容も(たいした内容ではありませんが)もっと貧弱なものにしかならないでしょう。
つまらない邪心を捨て、自分自身の備忘録、日記ということに徹し、自分にとって役立つものにすることができれば、ブログは長続きすると思います。

「私は吉田茂のスパイだった」

私は吉田茂のスパイだった

私は吉田茂のスパイだった

昨年、

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20060831#1156952325

でもコメントしたように、吉田茂を取り上げた番組を観たことを思いだし、以前に購入して読みかけになっていた上記の本を引っ張り出して読んでいます。
吉田邸に潜入していた元スパイの手記と、保阪正康氏の解説により構成されていますが、終戦へ向け、身の危険を省みず、当局から「ヨハンセン」(吉田反戦グループ)と名付けられ警戒されるほど活発に行動していた吉田茂の行動力、志の高さや、戦後、吉田茂を尊敬するに至っていたスパイから真相を告白された後も、自らの書生になるように勧めたり、就職の世話をし保証人にもなる、といった、人間的な大きさには、改めて感服しました。