刑事事実認定の基本問題

刑事事実認定の基本問題

刑事事実認定の基本問題

木谷明教授古希記念、ということですが、よくあるこの種の論文集とはやや異なり、実務家(現職、元職の裁判官)執筆による、刑事事実認定に関する実務的な論文集になっています。
少し読んでみましたが、健全な実務感覚が感じられ、この分野では参考になる1冊と言えそうです。ただ、やや気になったのは、本の帯に「LS学生必読!」とありますが、ロースクールの学生が、このようなレベルまで丹念にやっていては、とても身が持たないのではないか、ということでした。
事実認定の問題は,確かに重要で、また、やればやるほどおもしろく、やりがいもあるものですが、生の事件、記録に接する機会が乏しいロースクール段階では、勉強にも限界があり、限界があるだけでなく、生の事件、記録に接しないまま、この種の事実認定の教科書にしがみついての勉強が行き過ぎると、一種の偏った「刷り込み」のようなものも生じかねず、そういった意味でも、ほどほどにしておいて、本格的な勉強は司法修習以降、というのも一つの考え方ではないか、という気がします。
ロースクール段階で、あれもこれもとあまりにも過大な負担がかかり、また、先取りしすぎたことをやるのもどうか、という問題があって、その辺はなかなか難しいものがあるように思います。

昭和の名将と愚将

昭和の名将と愚将 (文春新書 618)

昭和の名将と愚将 (文春新書 618)

戦前の旧軍における将官が俎上に上り、対談の中でいろいろな角度から光があてられていて、戦史について詳しい人にも、そうではない人にも、それぞれのレベルで役立つ内容になっています。冒頭では、硫黄島で奮戦した栗林忠道兵団長が取り上げられています。
イージス艦「あたご」と漁船の衝突事故に関するニュースに接していて、しみじみと感じるのは、最新鋭のイージスシステムを備えている、などと言っても、小さな漁船1隻との衝突も避けられないのは、システムを運営している「人」に問題があり、システムを使いこなしていないからだろう、ということです。人ではできないこと、人の力を補助するものとして、科学技術の力を活用することは大いに行われるべきですが、決定的な勝利を手にする、重大な局面で適切な判断を下し危機を回避する、といったことは、やはり人の能力・識見といったことに大きく依存しており、そういった機能が低下すれば、日本の自衛隊のような、お金持ちのパパやママに何でも買ってもらい、何でも持っているが、自分では何もできない子供のような組織になってしまうのだろう、と思います。武器弾薬が乏しい中、日本の勝利を信じ、日本を守るという信念の下に、白刃を振るっての斬り込みなどあらゆる手段を講じ、玉砕すらせず孤島で奮戦した栗林兵団長以下の硫黄島将兵を思うとき、真の意味で必要なものは何か、ということを改めて考えさせられます。

ネットはもちろん、メールも禁止?1週間“ネットなし生活”に挑戦してみた

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080221-00000018-rec_r-ent

私の場合も、インターネットを利用して、シャワーを浴びるように情報に接し取捨選択する、メールを使い様々な人々と連絡を取り合い物事を進めて行く、という生活にどっぷりと浸かっていますから、ネットもメールも使えないということになると、非常に困る上に、精神的にもかなりストレスがたまると思います。
逆に、そういった生活をして、連絡の際も携帯電話を活用しているので、数日間くらいなら、この忙しい状態の中で国内のどこかや国外へ行ってしまっていても(国外なら携帯の国際ローミングを活用し)、仕事など何とか回るだろうと思います。
昨日、購入した携帯電話(SH905i)に、今後、今まで2台で使い分けていた機能を集約して、様々なことが携帯電話さえあればできる、という状態にして行こうと思っているので、ますます便利にはなりそうです。