検察批判の『反転』出版 意趣返し「憶測」呼ぶ古巣との溝 田中受刑者

http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/080407/crm0804071111010-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/080407/crm0804071111010-n2.htm
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/080407/crm0804071111010-n3.htm

検察内部では「検事時代の暴力団との接点など都合の悪い部分は巧妙に隠している」との反発が渦巻いた。田中受刑者の「本籍地」で、法務検察で最も結束が固い大阪地検を中心とする「関西検察」にも波紋は広がり、大物OBは今回の立件を「あんな本、書くからや」と突き放した。

検察官、特に検事は全国規模で異動を繰り返しますが、上記の記事で「関西検察」と言われているような、関西中心で異動する検事の一群があり、元々少ない検事の中で、さらに少ない人数しかいないので、良くも悪くも小さくまとまりがちです。そういった小さなグループにありがちなことですが、仲良く結束し和気あいあいとしていれば良いものの、その中で「異分子」が存在するとなると、仲間はずれにしたり、極端な場合、法の力を借りて排除する、といったことが起きる可能性も出てくるでしょう。
実刑判決を受けた元大阪高検公安部長や、上記の田中氏は、いずれも「関西検察」に属していた人たちであり、そういう要素だけで見てしまうべきではありませんが、そういう要素抜きには語れないものがある、という目で見ると、それぞれの事件の見方に、より幅や深みが出てくるように思います。

市長の神社行事参加は違憲 高裁、公費2千円返還を命令

http://www.asahi.com/national/update/0407/OSK200804070097.html

判決によると、角市長は05年6月、白山(しら・やま)比め(口へんに羊)神社の大祭奉賛会が開いた大祭関連行事に随行の市職員と公用車を使って出席し、祝辞を述べた。裁判で市長側は「全国的に有名な神社の大祭は市の観光イベントでもあり、市長の参加は儀礼的交際」と主張していた。しかし、判決は、市長の行為は特定の宗教に対する援助で「社会的儀礼にすぎないものとは到底認められない」として、宗教活動にあたると認定した。

有名な津地鎮祭訴訟で最高裁が示した「目的効果基準」を適用した上で、上記のような違憲判断に至ったとのことですが、1審は合憲という判断で、目的効果基準の基準としての曖昧さ、不安定さを示しているという印象も受けます。「観光イベント」としての性格があったかどうか、あったとしてどの程度か、といったところが、判断を分けたのでしょうか。
今後、最高裁の判断も見てみたいと思いますから、ここで確定させず上告してほしいものです。

読者の反響 ネットのルール、議論の時期

http://www.yomiuri.co.jp/net/feature/20080407nt01.htm?from=os2

この問題に関する意見、議論がいろいろと紹介されていて、参考になる記事ですね。
小学校3年生くらいから、学校で「情報通信」(小学校ではこの名称は難しいのでもっと易しいものが良いと思いますが)の科目を設け、高校卒業までは継続して学び、その中で、インターネットの正しい使い方、接し方といったこともきちんと教える、ということが、今後は不可欠でしょう。
インターネットを利用した犯罪が起きると、取り締まり、厳罰といった議論が巻き起こりますが、捜査機関の能力にも限界があり、各自のリテラシーを高め国民相互や社会全体の力で違法、不当行為を抑止し、加害者にならないだけでなく、賢明に行動して被害者にもならないようにすべきではないか、と思います。