長銀事件、18日に判決 最高裁、逆転無罪か

http://www.47news.jp/CN/200807/CN2008070401000790.html

この不良債権査定の際に使った会計処理基準が適切だったかどうかが争われ、被告側は「使用した会計基準は当時、ほとんどの金融機関で使われており、査定に問題はない」と主張。検察側は「新たな基準が唯一公正なもので、被告らは従来の基準を使うことで不良債権が回収見込みがあるかのように偽った」と反論している。

今日の午後、判決の予定ということですが、某マスコミからコメントを依頼されているので、何らかの形で皆様の目にとまることがあるかもしれません。
国策捜査」の魔の手から、最後に国民を救うことができるのは、やはり裁判所である、ということになりそうです。

みずほCB:斎藤頭取、サブプライムに続き女性問題浮上

http://mainichi.jp/select/today/news/20080718k0000m020152000c.html

みずほFGは08年3月期決算で6450億円のサブプライム関連損失を計上したが、投資業務拡大を陣頭指揮したのは斎藤頭取。今回の問題で、みずほFGでは「巨額の損失を出しておいて、何をやっているのか」(首脳)と風当たりが強まっており、批判が高まれば進退問題に発展する可能性もある。

女性問題も「(斎藤頭取への批判から)みずほ内部から情報が漏れた可能性も否定できない」との観測がある。

フライデーの記事を見ましたが、あれだけ堂々といちゃいちゃしていれば、内部からの情報漏れがなくても写真週刊誌の知るところにはなるだろうな、という印象を受けましたね。
サブプライムで6000億円あまりの損失を出したことを気にかけているような様子も感じられず、頭取としては、サブプライムサブプライム、俺は俺、楽しめるときは楽しむぞ、という感じで過ごしているのではないかという印象を受けました。
自らまいた種は自ら刈り取らなければならない、ということでしょう。

旧長銀元頭取ら最高裁で異例の逆転無罪 

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080718-00000955-san-soci

争点は、平成10年3月期決算当時、不良債権を査定する基準は何だったのか、だった。旧大蔵省は平成9年、自己査定による厳格な不良債権処理を求める「資産査定通達等」を出し、これに関連して決算経理基準も改正した。
1、2審は、改正基準が唯一の不良債権認定基準だったと判断し、それ以前に用いられていた、不良債権処理の先送りを容認する基準(旧基準)で会計処理をした3人を有罪とした。一方、弁護側は「10年当時は旧基準による会計処理も許されていた」として、無罪を主張していた。

当時の状況は、不良債権処理の問題がクローズアップされる中で会計に関するルールが大きく変わろうとしていた過渡期であり、そのような状況の下、従来のルールに依拠した処理を、新たなルールからは逸脱していたとはいえ、直ちに、特に刑事の分野において、違法であったということはできないでしょう。その意味で、本件の立件、起訴自体に無理があった、ということではないかと思います。
検察庁、検事というものは、人々が日々行う経済活動に疎いところがありますが、それだけに、人の、組織の運命を大きく暗転させかねない刑事事件として切り取って行く際には、謙虚に臨み、「国策捜査」といった歪んだ目的の下、実態に反した捉え方をしないように十分注意すべきで、その意味で本件は大きな教訓となる事件と言えるように思います。