人生\(^o^)/オワタの二回試験落ち日記

http://shin61kifugoukaku.blog41.fc2.com/

町村ブログ経由で知りましたが、二回試験に不合格になった元司法修習生による赤裸々なブログで、興味深いものがあります。不合格、その時どうなる、という意味で、今後の不合格者のために有益な資料にもなりそうです。頑張って書き続け、次回は是非合格してほしいものです。
私が、最後に本格的に受けた「試験」は二回試験でしたが、何ともいえない重圧感があって、司法試験以上に嫌な試験であったことが思い出されます。当時は不合格者がいない年もあり、いても数名という状態で、それだけに不合格(当時は「合格留保」という呼び方でしたが)にはなりたくない、という意識が強かったことを覚えています。と言っても、それほど力を入れて勉強したというわけでもなく、本ブログでも既に紹介した通り、成績も平凡なもので、今なら裁判官どころか検事にも任官できていなかったでしょう。二回試験の成績が良いと、その後のバラ色の法曹人生につながるかもしれませんが、平凡な成績でも、私のように何とか生きているという人は大勢いて、そういった平凡な人と、何らかの事情で不合格(合格留保)になった人の差など、あってないようなものでしかないと思います。不合格になったからと言って、悲観せず、前向きに生き、経験をばねにして、人の痛みがわかる良い法律家になってほしいものだと思います。

「文明の衝突」著者、ハンチントン氏死去 政治学者

http://www.asahi.com/obituaries/update/1228/TKY200812280032.html

07年に引退するまで同大で58年間、教壇に立ち、政治学、民主主義論、軍政学などを専攻。17冊の著作がある。カーター大統領時代の77年から78年にかけ、国家安全保障会議のスタッフとして政権入りした。
96年に発表した著書「文明の衝突」では、ポスト冷戦下の世界について、国家間のイデオロギー対立ではなく、西欧、イスラム儒教など主な文明間の宗教的、文化的な違いによって紛争が引き起こされると主張。西欧キリスト教文明とイスラム文明の「衝突」を強調し、01年の米同時多発テロを予見していたとして、世界的な議論を巻き起こした。

最近、改めて出版された

ハンチントン 軍事と国家 上

ハンチントン 軍事と国家 上

ハンチントン 軍人と国家 下

ハンチントン 軍人と国家 下

を、この年末年始に拾い読みでも読みたいと思っていたところでした。「文明の衝突」もあまり読めていないので、2009年は、これら3冊を何とか通読することを目標にしたいと思います。
ご冥福をお祈りします。

裁判員制度―裁判官も公判には白紙で(12月26日・朝日新聞社説)

http://www.asahi.com/paper/editorial20081226.html

だが今回の事件で一審の裁判官は、公判前整理手続きの段階で判決に至る道筋まで決めようとして、争点や証拠を絞り込みすぎたのではないか。
裁判員制度は、事実認定や量刑判断に市民の多様な意見を反映させるのがねらいだ。
裁判員には、市民なら審理に必要と考えるような争点や証拠も提示すべきだ。公判前の段階で裁判官が事件について一定の見方に沿って証拠を絞るべきではない。裁判官の役割は当事者の主張のいわば交通整理であるはずだ。
裁判官は初公判に、裁判員とともに白紙の状態で臨む。そうした心構えがなくては、裁判員制度は絵に描いた餅になってしまう。

広島で発生した女児殺害事件で、広島高裁が、原審の訴訟手続を批判して破棄、差し戻したことについて論じられていますが、公判前整理手続が採用されたことで、従来の「白紙で臨む」という予断排除原則は修正されているということは指摘できると思います。その意味で、社説の最後の部分は、「心構え」とはされていますが、ややミスリーディングな印象を受けますね。
大きめの事件で公判前整理手続を経験した立場から言うと、主張、立証すべき責任を、まず全面的に負っているのは検察官ですから、裁判所としては、公判前整理手続の段階で、検察官に主張を十分行わせ、そのための立証計画をきちんと提示させて、必要な主張、立証であれば、裁判員に負担がかかるから、時間がかかるから、といった都合で安易に制限すべきではない、ということが言えると思います。それは、被告人、弁護人側の主張、立証についても言えることで、双方の主張、立証を明確にし、かみ合わせるためには、公判前整理手続のためそれなりの時間がかかることを嫌がってはならないでしょう。
さらに、公判前整理手続を経て公判が開始されても、予想していなかった新たな争点が出てきたり、新たな証拠を取り調べる必要性が生じるという場面も出てくる可能性があります。そういった場合も、期日間整理手続を入れるなどしつつ、新たな争点について慎重に検討し必要な証拠を取り調べるということを厭うべきではないと思います。
既に最高裁は内部でやっているはずですが、公判前整理手続の失敗例は貴重な教訓として分析され今後に生かされるべきで、分析、検討結果というものが、何らかの形で公表され法曹関係者の参考に供されることが必要ではないかと思います。

映画「252 生存者あり」(ネタバレ注意)

http://info.movies.yahoo.co.jp/detail/tymv/id330878/

仕事納め後、海外へ行くまでの時間を使って観てきましたが、細かい点を言い始めるときりがないものの(東京湾岸全体が壊滅しているのになぜ特定の場所の救助活動しか描かれていないのか、とか)、私は、この種の映画は好きなので、作品としてかなり引きつけられるものがありました。
私は、司法試験に合格してしまい検事とか弁護士になって、専ら頭を使う仕事に就いていますが、本当は、頭も身体もフルに使う仕事に就きたかったという思いがあり、ハイパーレスキューのように、知力も体力も振り絞るような仕事はやってみたかったな、とこの映画を観ながら思いました。

消防救助機動部隊ハイパーレスキュー)の誕生
http://www.tfd.metro.tokyo.jp/libr/qa/qa_74.htm
東京消防庁消防救助機動部隊ハイパーレスキュー隊)について
http://www.fdma.go.jp/html/hakusho/h16/h16/html/16250k20.html
消防救助機動部隊
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B6%88%E9%98%B2%E6%95%91%E5%8A%A9%E6%A9%9F%E5%8B%95%E9%83%A8%E9%9A%8A

私が納めている税金が、麻生首相の美酒美食などに使われていると思うと腹立たしく納めたくないという気持ちになりますが、ハイパーレスキューの装備購入などに使われて人命救助等に役立つと思うと、文句を言わずもっと納めたいという気持ちになってきます。
「観測史上最大の巨大台風に襲われた東京」が舞台で、ひょうが降り注ぎ水が人々を押し流して多数の死者が出ますが、金融危機リーマン・ショック後の世界や日本を見るようで、かなりの迫真性がありました。
最後に流れるのが、

LOVE ALIVE

LOVE ALIVE

ですが、これがなかなか良くて、早速、iphoneにダウンロードして聞いています。
東京を、このような未曾有の大災害が襲わないことを祈るばかりです。

2008年を振り返って(その3・7月から9月)

7月は、何と言ってもiphoneをゲットしたということが特筆すべき出来事でした。

iPhone:国内発売、11日正午から 東京「表参道店」7時先行−−ソフトバンク
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20080709#1215569262
iPhone 発売開始 表参道で購入客1000人、長蛇の列
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20080711#1215735455
iPhone 3Gと家計
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20080715#1216076872
遂にiphone入手!
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20080727#1217143447
iphone3Gを使い始めて
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20080728#1217248765

一番下のエントリーで、「賛否両論があるようですが、私は、iphoneが好きになり、この、気に入った、という感覚は今後も忘れることはないだろうと思います。」とコメントしていますが、改めてそう思います。音楽を聴き写真を撮影するといったことだけでなく、いろいろなソフトをダウンロードして、手の平に納めた状態で自由自在に使える、この革新的な感覚を一旦経験すると、もう後に戻ることはできないというのが偽らざる実感ですね。
7月には、

長銀元頭取ら最高裁で異例の逆転無罪 
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20080718#1216370081

という出来事があり、この種の経済事件の捜査の在り方について考えさせられるものがありました。

長銀粉飾決算】責任と後悔…胸中複雑
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20080719#1216428532

7月には、

PCI強制捜査へ 海外贈賄捜査の壁破る ベトナム側協力も後押し
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20080721#1216578938

で、

強制捜査が間近に迫っているようですが、特捜部も大変であると同時に、誰がやるのか知りませんが、弁護人も、この暑い中、東京拘置所へ日参しなければならず、大変でしょう。

などと他人事のようにコメントしていましたが、その後、他人事ではなく「弁護人」になって、夏風邪と夏バテの中、8月中、東京拘置所に通うことになりました。
8月には、

広島市民球場
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20080804#1217812544

でコメントしたように、最後の広島市民球場を経験でき、幸運にも選手がスタンドへ向けて投げたボールもゲットできて、良い思い出になりました。
上記の通り、8月になると、

夏風邪
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20080808#1218188757

という状態で、かなりきついものがありました。健康第一ということを痛感しました。
毎年、8月には、あの夏の暑い日を思い出しながら、日航ジャンボ機墜落事故を振り返っていますが、今年も、

同級生の遺品ピアノに導かれ、御巣鷹へ…日航機墜落23年
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20080809#1218271806
焦げた名刺、サンダル、搭乗券…日航機墜落の遺品
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20080810#1218337442
遺族14人、夢つづる 日航機墜落、22冊目の文集
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20080813#p1

とコメントしています。来年秋には、遂に「沈まぬ太陽」が映画として公開されるようですが、

沈まぬ太陽:不屈の精神で…ついに映画化
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20081216#1229358299

単なる悲劇を描いて終わるのではなく、人の、組織の傲慢さ、奢りがいかにして悲劇へとつながって行くか、そうならないために人はいかに生きるべきか、起きてしまった悲劇的な事態からいかに再生を図って行くか、といったことまで描かれた、人を、組織を生かすために役立つ作品に仕上げてほしいという気がします。
8月には、

印象に残る一節
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20080813#1218613006

で、広田弘毅―「悲劇の宰相」の実像の中の一節

危機的な状況にあって政治指導者は、うつろいやすい時流に染まってはならない。国家の岐路に立つ瞬間であればなおのこと、大勢に順応するのではなく、大所高所から責任ある決断力を発揮すべきである。最晩年の天皇は、ときの権力者や後世にそう言い残そうとしたのかもしれない。逆説的な表現ながら、身をもって体験した敗戦から学んだ歴史の教訓だった。

についてコメントしましたが、ここは、麻生首相や、今後、後継首相になる人物に是非読んでほしいという気がします。この本については、

広田弘毅に対する評価
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20080831#1220179205

でもコメントしましたが、今年読んだ本の中でも傑出した1冊でした。
9月になると深刻な金融危機が表面化し、

<米リーマン>6〜8月期の最終損失4200億円に拡大
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20080911#1221061118
米リーマンHD、破産法適用を申請の見通し=米紙
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20080915#1221446776
リーマン破たん、「こんな急に」 六本木ヒルズのオフィス
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20080916#1221491837
株価大暴落 ブラックマンデーから20年
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20080916#1221522692
東証、一時570円超の下落 年初来安値更新
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20080930#1222740663

と、坂道を転がり落ちるように事態が悪化して行きました。

「会見の全てを撮るのか」書記官起訴で家裁が“非常識”会見 京都

http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/081226/crm0812262129027-n1.htm

被告を休職処分としたことなど数点の事前の質問事項についてメモを読み上げて答えただけで、その後の質疑応答ではカメラ撮影を拒否。「最高裁に問い合わせたが最後までカメラ撮影を行った前例はない」として一方的に応じなかった。

日本の裁判所の歴史の中で、最悪の犯罪と言っても過言ではなく、その意味では「前例」はないわけで、「前例はない」などと言うのは愚かとしか言いようがないですね。子供じゃなく、一応、所長ですから、記者会見では真摯に対応し、不安に陥っている国民に対し情報をできるだけきちんと伝える努力をすべきでしょう。とてもそういう努力をしているようには見えず、この所長自体が共犯者、協力者ではないかという疑念すらわいてきかねない、拙劣極まる対応だと思います。
3月末から4月初めにかけての異動で、京都家裁の職員は、所長から事務官に至るまですべて入れ替え、あらゆることを徹底的にチェックして、その結果を速やかに公表しないと、怖くて、京都家裁には誰も寄り付かなくなるでしょう。