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弁護士 落合洋司 (東京弁護士会) の 日々是好日 このページをアンテナに追加 RSSフィード Twitter

2009-12-30

[]公認会計士 曲がり角に 18:59 公認会計士 曲がり角にを含むブックマーク 公認会計士 曲がり角にのブックマークコメント

http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2009123002000070.html

試験制度は、現在約二万人ほどの公認会計士の数を一八年ごろまでに五万人とすることを目指し、〇六年に導入した。三段階五回の試験を一段階二回に簡略化。従来は大学教養課程程度の知識が必要だったが、これも問われなくなった。現行制度で受験者は合格の前か後に「二年以上」の実務経験監査法人や企業で積む必要がある。その後、日本公認会計士協会の修了考査で認められ資格を取得できる仕組み。合格していても研修中は「公認会計士試験合格者」などとしか名乗れない。

金融庁は今年の合格者のうち数百人が内定を取れないと予測。実際には十二月中旬で、合格者約二千人のうち六百人超が内定のない状態だった。

試験制度の再見直しにあたり、金融庁は来年以降の合格者数を「合格者の活動領域の拡大が進んでいない状況から、対応策が実施されるまでの間、二千人程度を目安とすることが望ましい」と当面、抑制する方針を示した。

過ちのプロセスが司法試験と驚くほど似ていますが、結局、日本人がやっていることなので、別の資格でも同じ過ちを犯してしまった、ということなんでしょうね。

以前から、本ブログでも何度か言っていますが、私自身は、司法試験合格者を大幅に増やしたこと自体が間違っていたとは今でも思っていません。毎年の合格者を3000名ではなく、5000名とかそれ以上にしても良いのではないかとも思っています。

ただ、問題は、増やした合格者が実務に入った際に、それに見合う需要というものがなければ、干上がる人が続出するのは当然のことで、司法の世界の需要というものは様々なことで困っている人に大きくあって、しかも、困っている人であればあるほどお金がないものなので、公的な資金を思い切って大きく、そういった人々のために投入すべきであった、それが行われなかったが故に、需要が潜在的なままになってしまって、供給過多に陥ってしまったと考えています。弁護士が増えれば枯れ木に花が咲くように需要(潜在的なものではなく顕在化した)が生まれる、ということになるはずもなく、そのあたりのことを、司法改革、司法改革と熱心に叫んでいた人々がどう考えていたのか知る由もありませんが、現状に照らした場合、間抜けぞろいであったと言われても仕方がないでしょう。

実務や実態を知らない学者役人は、記事にあるように、「合格者の活動領域の拡大が進んでいない」などと抽象論でお茶を濁して終わりにすればそれで済んでしまいますが、過大な合格者を出す前に、目に見える形で合格者の活動領域を拡大させる、端的に言って必要な公的資金を投入するということを、まず先にやっておくべきだったと今になって言っても後の祭りというものです。

[]中国、英国人男性の死刑を執行 必死の嘆願実らず 09:28 中国、英国人男性の死刑を執行 必死の嘆願実らずを含むブックマーク 中国、英国人男性の死刑を執行 必死の嘆願実らずのブックマークコメント

http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/crime/2678412/5098407

英政府や家族らは、シャイ死刑囚が深刻な精神疾患を患っているとして、死刑執行をしないよう中国政府に強く要請していた。同死刑囚2007年、タジキスタンから中国・新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)ウルムチ(Urumqi)に入国後、4キロのヘロインを所持していたとして逮捕されたが、支持者らは犯罪組織にだまされて麻薬運びをさせられただけだと訴えていた。

中国において欧州市民死刑が執行されるのは、50年ぶりという。

薬物犯罪に対する中国当局の強い姿勢がうかがわれますね。

日本人で、中国において薬物犯罪により死刑判決を既に受けた者が複数いることが報道されていますが、英国人が死刑を執行される以上、日本人も執行される可能性が高く、日本の外務省として、死刑執行回避のため、人道上、できることがあれば早急に手を打っておく必要があると思います。

また、刑罰というものは、今のところドメスティックなもので、それぞれの国特有の事情の下、日本では考えられないような重罰が科される国というものもかなりありますから、海外において、ばれないだろう、ばれても何とかなるだろう、といった安易な気持ちで犯罪に及ぶことは厳に慎まないと、取り返しがつかないことになりかねないことは、よく覚えておくべきではないかと思います。

[]世田谷一家殺害 丸9年 犯人は南欧系混血か DNA型鑑定 犯人像と矛盾せず 08:48 世田谷一家殺害 丸9年 犯人は南欧系混血か DNA型鑑定 犯人像と矛盾せずを含むブックマーク 世田谷一家殺害 丸9年 犯人は南欧系混血か DNA型鑑定 犯人像と矛盾せずのブックマークコメント

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091230-00000022-san-soci

南欧系とみられる女性母親だったかなど、犯人との続柄はDNA型からは判別できないが、日本や韓国、中国では明治時代以前には欧州との婚姻はほとんどなかったことから、犯人母親か祖母が南欧出身だった可能性がある。

犯行が日本国内であることから父親が日本人である可能性が高いが、中央アジアの民族は歴史的に欧州系との婚姻があることなどから、かなりさかのぼった祖先が混血だった可能性も排除できない。そのため、ある捜査幹部は「混血があったとする鑑定結果に固執してはいけない。基本的な捜査をして、結果として型が合えばいい」としている。

犯人母親か祖母が南欧出身の可能性、という程度では、雲をつかむような話で、とても犯人が特定できそうにはないですね。事件発生後何周年、というこの時期になると、この種の話題が報道で流れますが、警察が、私たちはさぼっていません、一生懸命やっています、というアリバイ作りのため意図的に流しているという疑いもあります。そういうアリバイ作りは得意な人間がそろっている組織ではあるので、徐々に時効成立へ向けた地ならしをしている可能性もあります。そもそも、今になっても「基本的な捜査をして」などと捜査幹部が言っているくらいですから、解決への道はかなり遠そうです。今頃になって、犯人は南欧系混血か、という程度の捜査しかされていないことを、亡くなった被害者が聞いたらどのように思うのでしょうか。

丸山満彦丸山満彦 2009/12/30 22:41 落合先生、丸山満彦です。
 会計士試験の話がでていたので、ちょっとコメント。。。
 試験合格者の数は、学者や行政が自由に決めてもよいと思います。ただし、世の中に必要な会計士の数は、学者や行政が決めるのではなくて、世の中が必要性に応じて決めるということを忘れては。
 毎年の採用者の数は経済状況等によりますので、行政や学者が決めることはできません。そこで、合格者の数と採用者の数の間にギャップができるわけですが、それはどうしようもありません。それを少なくしたいのであれば、採用者総定数に合わせて合格者の数を決めればよいのでしょう。
 しかし、採用する側からすれば、合格者=採用したい人というわけではないので、合格者数>採用者数というのが維持できているほうがよいです。
 一方、受験者から見れば、合格したら採用できる可能性が高いからこそ、困難な試験に臨むというリスクをとりやすいともいえます。合格しても半分も採用されないとなれば、優秀な人が資格試験を目指さないようになるというデメリットもありそうです。
 
 昨今の司法試験改革や会計士試験改革を見ていると、どうもマーケットニーズに合っていないことをして却って業界の質を下げているのではないかと心配です。特定の利権に群がっている人や、名声をあげたい学者などが、無責任に制度改革を行っているのであれば、国益を損ねる大問題だと思います。

 ただ、私は会計士試験改革のほうが、司法試験改革よりもまだましだと思っています。会計士の面接をしていますと、「高校時代から将来、何になりたいかなんて考えられなかった。法学部にいっていなかったし、家も裕福ではないので司法試験はあきらめて会計士試験にした。」という人がいました。
 誰のための改革なのでしょうね。。。

しんたろうしんたろう 2010/01/01 14:45 > 公的な資金を思い切って大きく、
> そういった人々のために投入すべきであった

ちなみに、懲罰的賠償の導入で、法曹界のマーケットを拡大する、というのはダメなんでしょうか?落合先生はどうお考えですか?

僕は、すでに、刑事事件の量刑判断や、名誉毀損の損害賠償額においては、懲罰的賠償的な判断がなされていると思っているので、懲罰的賠償制度が法制化されても、裁判官にも弁護士にもさほど混乱はないと思っています。

アメリカの極端な事例ばかりが報道されるので、世間的には懲罰的賠償にマイナスイメージが強いですが、そこは裁判所の裁量で、金額を日本人の感覚として常識的な範囲に納めるようにすれば、世論からも納得を得られると思うのですが。。。どんなもんですかね?

公的資金にせよ、懲罰的賠償にせよ、何らかの形で弁護士の実入りを保障するだけの金額的な需要拡大がないと、市民も弁護士も干上がってしまうだけだと思います。