手紙制限は「弁護権侵害」 国と滋賀県を提訴

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2010040601001039.html

訴状によると、提訴したのは村岡美奈弁護士で、組織犯罪処罰法違反などの疑いで逮捕された男2人の弁護人を2月に受任。拘置の必要性を争う資料とするため、家族への思いを手紙にまとめるよう2人に依頼した。しかし接見禁止を理由にそれぞれの拘置先の近江八幡署と草津署で手紙の受け渡しを拒否された。

接見交通権は憲法に由来する重要な権利で、その制約は、物の授受にあっても、保安上等の必要最小限度のものにとどまる必要があります。手紙の内容から、接見禁止を潜脱するものという判断を捜査機関側がした可能性がありますが、刑事訴訟法は、捜査機関側によるそういった裁量の行使というものをそもそも想定していないと見るべきで、上記のような手紙の取り扱いには、違法の疑いが濃厚ではないかという印象を受けます。当然のことですが、弁護人としても、被疑者、被告人と弁護人以外の者との物のやり取りを仲介し接見禁止を潜脱するような行為を行うべきではなく、そういった行為に及んだ場合は、懲戒による制裁を受けることもあります。
今後の裁判所における判断が、数多くの接見交通権を巡る裁判例を、より豊富なものにすることになるでしょう。

死刑執行は「残念」=鳩山首相

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100406-00000103-jij-pol

鳩山由紀夫首相は6日夕、中国当局が日本人死刑囚の刑を執行したことについて「それぞれの国の司法制度があるので、内政干渉的なことを言うべきではないが、ギョーザ(中毒)事件が一応解決の方向に向けて動いていた矢先だけに、残念だ」と語った。

私自身は、現在のところ、死刑制度の存置、廃止のいずれとも態度を決めかねていますが、今回の死刑執行に対し、もし日本が死刑廃止国になっていれば、死刑の残虐性、非人道性等を強く訴え、必要に応じ死刑廃止の先進諸国からなるEUとも連携して死刑阻止へと動くことができたはずで、単なる「残念でした」程度では終わらせないことが可能であったのではないかと思います。
刑事司法制度、刑罰制度には、その国固有の歴史や文化、国民感情に支えられている面があり、主権国家の併存、主権尊重という枠組みの中では、そういった独自性を一概には排斥できませんが、そういった制度のユニークさが世界の趨勢からかけ離れたものになってしまえば、国家、国民に対する信頼が損なわれ世界の中で孤立してしまう危険性もある、ということが、国民の過半数が死刑制度を支持する日本においても意識される必要はあるのではないかと私は感じています。

米国スマートフォン利用、Google Androidがシェア拡大

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/Research/20100406/346716/?ST=top

2010年2月(2009年12月〜2010年2月の3カ月移動平均)に13歳以上の米国ユーザーが使用しているスマートフォンのモバイル・プラットフォームは、カナダResearch in Motion(RIM)がシェア42.1%で最も多かった。2位は米Apple(シェア25.4%)、3位は米Microsoft(同15.1%)。Google(同9.0%)は4位で、米Palm(同5.4%)が5位。
2009年11月(2009年9〜11月の3カ月移動平均)と比べると、シェアが拡大したのはRIM(1.3ポイント増)とGoogle(5.2ポイント増)。他の3社はシェアが減少し、特にMicrosoftは大きく縮小した(4.0ポイント減)。

日本でも、アンドロイド搭載のエクスペリアが大きく注目を浴び売れているようですが、アンドロイドが躍進、マイクロソフトが落ち目で、今後、アンドロイドがアップルやマイクロソフトを侵食しながらどこまで伸びて行くかが焦点でしょう。
アンドロイドは、グーグルが培ってきた技術力やコンテンツに裏打ちされているだけに、シェアが一定のところまで伸びれば、そこから飛躍的に伸びる可能性も高いのではないかと思います。今のところiphone派の私としては、心穏やかざるものがありますね。

再審請求人により選任された弁護人が再審請求がされた事件の保管記録の閲覧を請求した場合、保管検察官は刑事確定訴訟記録法4条2項5号に当たるとしてその閲覧を不許可にできるか

最高裁第二小法廷平成21年9月29日決定ですが、判例時報2065号161頁以下に掲載されていました。
上記の問題点について、最高裁は、上記のような弁護人は、同法4条2項ただし書の「閲覧につき正当な理由があると認められる者」に該当するから、5号の事由(保管記録を閲覧させることが関係人の名誉又は生活の平穏を著しく害することとなるおそれがあると認められるとき)の有無にかかわらず保管検察官は保管記録を閲覧させなければならないという判断を示して、それに反する原裁判所の決定を取り消し、閲覧を命じています。
こういった場面は、再審請求の際には生じがちであり、その取扱いについて明確にしたという意味で、意義のある判例と言えるように思いました。