後を絶たない「監視カメラ誤認逮捕」不鮮明な映像根拠に自白強要

http://www.j-cast.com/tv/2014/10/16218534.html?igred=on

こうした監視カメラ映像による誤認逮捕はアメリカでも起きていて、映像を分析する専門家を養成している。「最初にわれわれが教えるのは、映像で見えているものは事実ではないということ」とFBIの専門訓練担当官は言う。ビデオは録画の段階で加工されていると考えているべきで、映像のアスペクトが違ったり、コマのスピードが変わったりすることで、見えているものは本来と変わってくる可能性があるからだそうだ。

私が新任検事の当時、犯人性を否認している恐喝事件を担当し、犯人が銀行のATMでお金を引き出している後ろ姿(被疑者とよく似ていました)も証拠と考えて起訴したところ、公判部の検事から、似ているという程度では鑑定で別の人物という結果が出たらどうするんだ、と厳しく指摘されて、かなり勉強になった思いがしたことがありました。平成元年当時のことで、こうした防犯カメラの画像もまだ粗くて鑑定することが日常的に行われていた状況ではなかったと記憶していますが、刑事事件というものはそういうことをきちんと手順を踏んで鑑定できるものは鑑定しておかないと後々大変なことになるということを学んだような格好でした。
DNA鑑定もそうですが、客観性があると、一見、思われる証拠ほど慎重に取り扱わないと、過度にそれに引きずられ冤罪すら生むことになる、という発想を、捜査関係者が広く共有しておく必要があると思います。ログからは実際は無関係な人が犯人にしか見えなかった遠隔操作事件も、本質的に同じ問題を抱えていたと言えるでしょう。

2014年10月17日のツイート