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弁護士 落合洋司 (東京弁護士会) の 日々是好日 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2018-05-05

[][]ドラマ「どこにもない国」 ドラマ「どこにもない国」 - 弁護士 落合洋司 (東京弁護士会) の 日々是好日 を含むブックマーク ドラマ「どこにもない国」 - 弁護士 落合洋司 (東京弁護士会) の 日々是好日 のブックマークコメント

http://www4.nhk.or.jp/P4600/

戦後、旧満州に取り残された150万を超える日本人帰国を実現に導くためにわが身を捨てて奔走した男たちがいた。

国家から見捨てられた同胞故郷に帰すための命がけの戦い、そしてそれを支えた妻たちの愛。複雑怪奇な国際情勢に翻弄されながら、奇跡とも言われた引き揚げ、どのようにして実現に至ったのか―

先日、執筆中の小説取材も兼ねて、長野にある

満蒙開拓平和記念館

https://www.manmoukinenkan.com

に行ってきたのですが、今年の3月NHKで放映された上記ドラマを観そびれていて、NHKオンデマンドで観ることができました。

満蒙開拓平和記念館は、先に、天皇皇后陛下訪問されていて、旧満州等の地で果て、また、苦労して引き揚げた多くの人々にお心をおかけになっている両陛下に深く頭が下がる思いを抱きつつ、厳粛な思いで見学しました。

ドラマでは、旧満州の地に取り残された多くの人々を帰還させるため懸命に動いた人々やそれを支えた人々の姿が赤裸々に描かれていて、今の日本が、多くの人々の犠牲献身的努力の上にあることを改めて強く認識しました。

このドラマに関連して、

も買って読んでいるのですが、ドラマだけでなく旧満州についてコンパクトに紹介され、満蒙開拓平和記念館の簡潔なガイドにもなっていて、長く手元に置いておこうと考えています。

誤れる国策が、日本が占領した多くの地で様々な人々を虐げ、また、満蒙開拓団のように国を信じて彼の地へと身を投じた人々に多くの犠牲を出して、戦後、日本は焼け野原の中から再出発しました。そして、二度とそのような悲劇を起こさないという願いを込められてできたのが日本国憲法でもありました。そのような歴史を、歪曲したり修正しようとするのではなく(そんなことはそもそもできないことですが)、謙虚に、客観的に見つめ、再び同じ過ちを繰り返さず、近隣諸国とも友好関係を取り結んで行くことは日本の国是と言っても過言ではないでしょう。そして、そのことを最も望んでいるのは、望郷の念を抱きながら遠い異国の地で倒れた人々なのだろうと、しみじみと思っています。

2018-04-14

[]宿命 警察庁長官狙撃事件 捜査第一課元刑事の23宿命 警察庁長官狙撃事件 捜査第一課元刑事の23年 - 弁護士 落合洋司 (東京弁護士会) の 日々是好日 を含むブックマーク 宿命 警察庁長官狙撃事件 捜査第一課元刑事の23年 - 弁護士 落合洋司 (東京弁護士会) の 日々是好日 のブックマークコメント

警察庁長官狙撃事件について、オウム真理教による犯行と見ていた警視庁公安部と、その後の情報により別の人物を追っていた警視庁刑事部の対立は、複数の本や雑誌記事で紹介されていたところですが、本書は、刑事部捜査1課管理官、理事官として捜査に関わっていた著者によるもので、遂に決定版が登場したという印象を持ちつつ一気に読みました。検事の目でも紹介されている証拠関係を見ましたが、刑事部が真犯人と見た人物については、公判で十分に立証できるだけの証拠はあり、この人物真犯人と見て良いだろうと、私も感じました。

私自身、平成7年4月に、長官狙撃事件直後の東京地検公安部所属となり、初動当時のことはいろいろと見たり聞いたりしましたし、当時の公安部(警視庁、東京地検)の捜査では常に長官狙撃事件のことが念頭に置かれていて、私自身も関連すると思われる事件の捜査に従事したり、長官狙撃事件念頭に置いた供述調書作成を指示されて行ったこともありました。そういう経験も踏まえて、改めて振り返ると、発生当時の状況で、オウム真理教による組織的犯行と見たのはやむを得なかったとしても、その後にそういう捜査方針固執し続け、特に、刑事部が追っていた人物が出現した後も従来の捜査方針にこだわり続けた公安部系の人々は、その誤りを率直に認めざるを得ないのではないかと思います。そういう、固執、こだわりを厳しく批判する著者の指摘には素朴、率直に共感を覚えました。

日本の警察組織は、非常にクローズドな体質を持ち、中でも警備・公安部門はその傾向が顕著です。そこには、政治の介入をブロックする(完全にブロックできているかは何とも言えませんが)メリットがある一方、大きな誤りを犯した場合クローズド故に軌道修正が難しいというデメリットも併せ持っているように思います。警察という性質上、あらゆることをオープンにはできないとしても、仲間内だけで物事を決めてしまうのではなく、客観性、中立性を持つ部署による助言、指導も受ける体制を作っておかないと、今後も長官狙撃事件の捜査のようなことが起きてしまう、その土壌が残ってしまうと危惧されるものがありました。警察が愚かだった、で終わるのではなく、今後へ向けた教訓を引き出す切っ掛けに、この事件が、また本書が役立つことを願ってやみません。

2018-04-13

[]神になりたかった男 徳田虎雄:医療革命の軌跡を追う 神になりたかった男 徳田虎雄:医療革命の軌跡を追う - 弁護士 落合洋司 (東京弁護士会) の 日々是好日 を含むブックマーク 神になりたかった男 徳田虎雄:医療革命の軌跡を追う - 弁護士 落合洋司 (東京弁護士会) の 日々是好日 のブックマークコメント

この本を読むまで、私にとって徳田虎雄氏のイメージは3つありました。1つ目は、高校生くらいの時に何かで読んだ、ものすごく努力して阪大医学部を卒業して医師になり画期的医療を目指すパイオニア的な姿、2つ目は衆議院議員となり自由連合を率いる政治家の姿、3つめは公職選挙法違反で被疑者となった姿でした。それらの間が抜けていたのが、この本を読むことでイメージイメージの間が線でつながり、徳田虎雄氏やファミリー関係者の赤裸々な姿を垣間見たような気がしました。

特に印象的だったのが、草創期の徳洲会を支えていたのが、従軍看護婦経験者だったり、戦前、戦中を経て昭和を懸命に生きてきた、ごくごく普通の人々であったことで、日本の戦後の、特に昭和期の歩みと徳洲会の歩みの重なり、オーバーラップということを感じました。一つの時代が生んだものであって、時代が変わった今、もう、このような巨大医療グループが生み出されることはないでしょう。

関係者に丹念に取材したことが窺われる内容で、文章も読みやすく、お勧めの一冊です。

2018-04-12

[]自民党秘史 過ぎ去りし政治家面影 (講談社現代新書) 自民党秘史 過ぎ去りし政治家の面影 (講談社現代新書) - 弁護士 落合洋司 (東京弁護士会) の 日々是好日 を含むブックマーク 自民党秘史 過ぎ去りし政治家の面影 (講談社現代新書) - 弁護士 落合洋司 (東京弁護士会) の 日々是好日 のブックマークコメント

政治記者経験の長い著者によるもので、昭和50年代くらいから平成初期あたりの自民党政治家の姿が紹介され、興味深いエピソードや裏話も盛り沢山で、結構楽しんで読めました。

感じたのは、現在は、政治家も良くも悪くも小粒になり、かつてのような、良くも悪くも巨大なスケール(例えば5億円の賄賂をもらい、路上で受け渡たりとか)の人はいなくなったなということでした。ダイナミックに日本を、社会を変革するだけの力量、スケールの大きさを持った政治家は、今後、出ることは難しいだろうが何とか出てほしいと、読みながらしみじみと感じました。

2018-02-14

[][]シベリア抑留 最後の帰還者 家族をつないだ52通のハガキ (角川新書) シベリア抑留 最後の帰還者 家族をつないだ52通のハガキ (角川新書) - 弁護士 落合洋司 (東京弁護士会) の 日々是好日 を含むブックマーク シベリア抑留 最後の帰還者 家族をつないだ52通のハガキ (角川新書) - 弁護士 落合洋司 (東京弁護士会) の 日々是好日 のブックマークコメント

私はキンドルで買って読んだのですが、どんどん読み進んで、割と一気に読んでしまいました。

南満州鉄道(満鉄)出身者で、昭和31年まで抑留されていた佐藤氏と家族の手紙での交流を紹介しつつ、敗戦、ソ連による侵攻や抑留の悲劇、家族の苦しみ、悲しみが、新聞記者である著者らしい、無駄のない読みやすい文章で描かれていて、改めて、シベリア抑留の重大さや悲惨さ、帰還できずに無念の死を遂げた多数の人々の悲劇を思いました。ソ連の非道さを、著者は強く避難しますが、そういう状況に日本を陥らせた政治指導、戦争指導の誤りについても、きちんと目を向ける必要があると強く感じました。

我々の平和な生活が、いかに膨大な犠牲の上にあるかということを、改めて痛切に感じさせられました。

前に読んだ、

とも、内容に重なる部分があって、こちらもまた読んでみたいと思いました。