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弁護士 落合洋司 (東京弁護士会) の 日々是好日 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2014-05-07

[]私が司法試験受験していた頃 01:02 私が司法試験を受験していた頃 - 弁護士 落合洋司 (東京弁護士会) の 日々是好日 を含むブックマーク 私が司法試験を受験していた頃 - 弁護士 落合洋司 (東京弁護士会) の 日々是好日 のブックマークコメント

既に、本ブログや講演などで話したことと重複しますが、最近、「司法試験受験すること」についての議論も盛んで、自分自身の受験当時のことを思い出すこともあるので、整理もかねてちょっと書いておきます

私は、昭和58年早稲田大学法学部入学した当初から、司法試験受験したいと考えていて、入学後すぐに、法学部内にあった法律サークルの中でも最大の規模であった緑法会というサークルに入りました。1、2年生の頃は、その緑法会と、当時はまだあって(もう、なくなりましたが)早稲田大学出身者の司法試験合格者増加に大きく貢献していたと言われている法職課程教室を中心に勉強していました。3年生以降は、予備校をよく利用するようになり、4年生の10月に最終合格しましたから、ゼロからスタートして3年半で最終合格したことになります

勉強する中で、徐々に、刑事法に特に興味を感じてきましたが、合格までは、特に何に(裁判官、検察官、弁護士のどれに)なりたい、ということは具体的に考えていなくて、そもそも、当時の司法試験は2万3000人から2万4000人くらいが受験して最終合格者が500名に届かない(私が合格した際は480数名くらいだったと記憶しています)という状態で、合格した自分の姿自体イメージすることが難しい、というのが正直なところでした。夜、寝ようとするとき、寝ていてふと目が覚めて、朝起きて、といった際に、この試験を受けていて自分はどうなるのだろうかと考えると答えが出ず重苦しい気分になっていたことが今でも思い出されます。誤解を恐れずに言えば、1000万円くらい借金して、あの出口の見えないトンネルの中にいるような気分が解消できるのであれば、迷わず借金したでしょう(貸してくれるかとか、そういう問題はともかく)。

お金ではどうすることもできない、10年、20年と司法試験受験し続けている人が山のようにいる、そういう試験を、大学3年、4年程度で受験している重圧感にはかなりのものがありました。

幸い、運良く、大学4年生で最終合格できましたが、その時点で合格できるとはまったく考えておらず、留年して2留くらいまでは頑張って、そこまででどこまで到達できているかにより、その後を考えようというのが当時の計画のようなもので、民間企業への就職よりも、公務員とかそういった方面への転身になるのかな、と漠然と考えていたような気がします。

当時はそれだけ合格者の数が少なく、合格後の進路は具体的に考えていないものの、生活できない、食えないということはないだろうということも漠然と感じてはいて、そういう心配をせずに済んだのは、今思うと幸福時代だったと言えるかもしれませんが、何と言っても合格者があまりにも少なすぎて、今の司法試験と当時の司法試験の、どちらを選択して受験するかと言われれば、私は、迷わず今の司法試験のほうを選択するでしょう。とにかく、精神的な重圧がひどく、勉強しないと合格できないという強迫観念もひどくて、特に合格前の1年くらいは、身を削るようにして無茶苦茶勉強していて、多分、自律神経失調症とか心身症とか、そういう感じだったのではないかと思いますが、ふらふらして起きられなかったりめまいがして倒れそうになったり、ぎりぎりのところまで来ていた感じがありました。

最終合格発表も、口述試験で失敗したので落ちていると思っていて見に行っていなくて、受験新報テレホンサービスで聞いてみたら合格していた、という、もう最後はぼろぼろの状態で、合格後、その年の末くらいまでは、何かの間違いで、これはすべて夢なのではないかという意識にとらわれていたことが思い出されます

こういう状態での大学生活でしたから楽しい思い出は何もなく、合格の見込みもない司法試験展望もなく受験している田舎者、という周囲の痛い視線が強く印象に残っていて、合格して、周囲が急に手のひらを返したようにちやほやしはじめて、人はまったく信用できない、という印象がその当時から強烈に植え付けられて、それは今に足るまで尾を引いているような気がします。

戦争には辛くも勝ったものの国土は焦土と化し国民の多くが死んだ国のようなもので、得たものは確かに大きかったが失ったものも大きかった、というのが私の司法試験受験だった、そう思います。運良く合格できたから良いようなものの、私と似たような受験生活を送っていて、合格できなかった人は山のようにいて(今ならその多くは合格できていたと思いますが)、そういう時代を知っている身からは、合格できた後に、借金が多い、仕事がないと言っている人の姿を見ると、複雑な気分になります

当時の司法試験には何の思い入れもなく、二度と受験したいとも思いませんが、1つだけ、良かったことを挙げるとすれば、あまりにも過酷精神的に思い切り鍛えられたことくらいでしょうか。

元々、全国的には中位程度の田舎高校出身で、そこでも特に成績が良かったわけでもなく、頭の中身は並み程度で、それが日本で最高に難しいとされていた当時の司法試験を目指したこと自体に無理があり、無理に無理を重ねた上での合格だった、ということになると思います

これが、私自身の司法試験受験当時の様子でした。

2014-01-26

[]給与なく、副業禁止就職不安 あえぐ司法修習生 13:53 給与なく、副業禁止、就職不安 あえぐ司法修習生 - 弁護士 落合洋司 (東京弁護士会) の 日々是好日 を含むブックマーク 給与なく、副業禁止、就職不安 あえぐ司法修習生 - 弁護士 落合洋司 (東京弁護士会) の 日々是好日 のブックマークコメント

http://news.goo.ne.jp/article/kobe/nation/kobe-20140125008.html

修習生には1年の実務研修が課せられ、この間はアルバイトなどの副業は禁止されている。以前は給料が支払われていたが、2011年11月からは、最高裁判所が生活資金を貸し付ける貸与制(基本額23万円)に切り替わった。

日本弁護士連合会が2012年に実施したアンケートによると修習生の85%が貸与を受けている。貸与制導入前後を比べると、導入後の修習生の食費は約1万2千円少ない平均3万5800円。食費を削って学ぶ状況が浮き彫りになった。

法曹養成の在り方には、大きく分けて2つのタイプがあり、1つは以前の司法修習制度のような(元々はドイツの制度が取り入れられたものでしたが)、司法試験合格までは基本的に各自が勉強し司法試験合格後は比較的手厚い司法修習制度を経て法曹になるタイプ、もう1つは米国のように(現行の日本の制度もそれを大きく取り入れていますが)法科大学院のような専門の高等教育機関法曹教育を施し司法試験合格後はすぐに法曹としてスタートする(必要教育は引き続き各自で受けますが)タイプになると思います後者では(米国でもそうですが)、法曹になるまでの「自己責任」「自腹」という性格が強く、法曹を大量に養成することを前提に、そのために作られている側面が強い制度であることもあって、その過程でつまずく人々も多く出ることが必至になってきます(正に自己責任ですが)。

日本は、後者のタイプへと転換しつつも、従来の司法修習制度を残存させているため(かつては2年間であったもの現在は1年)、中途半端さが強くなり、また、修習の間の経済的負担が重いという問題が生じています

現状では、司法修習終了後に、かつてのように、弁護士がどこかの事務所には一旦入って、いわゆる「イソ弁」(居候弁護士)として、給与をもらいながら仕事を覚え必要技能伝承されるということが難しくなっていて、訴訟以外の業務もなかなか伸びず(そこが大きく開けて存在しているはずだ、という議論が実際には幻想しかなかったことが今や明らかになって)、しかも訴訟自体も統計を見ると件数が減少してきていて、法曹界が夢や希望の乏しい、仕事が増えないのに人だけがどんどん増える、構造不況業種になりつつあります

この深刻な事態を、小手先や目先の話ではなく、抜本的に改革する議論が徹底して行われないと、悪貨が良貨を駆逐する状態が強まり法曹界だけでなく法曹サービスを利用する国民にも甚大、深刻な影響が出てきてしまうでしょう。

2012-09-11

[][]シンポジウム「法科大学院制度の現状と課題」(札幌弁護士会主催・ロイトン札幌) 12:53 シンポジウム「法科大学院制度の現状と課題」(札幌弁護士会主催・ロイトン札幌) - 弁護士 落合洋司 (東京弁護士会) の 日々是好日 を含むブックマーク シンポジウム「法科大学院制度の現状と課題」(札幌弁護士会主催・ロイトン札幌) - 弁護士 落合洋司 (東京弁護士会) の 日々是好日 のブックマークコメント

昨日夜、上記のシンポジウムが開催され、私も、参加して話を聞いてきました。シンポジウム中に、断片的ですが、聞いた内容や感想をツイートし、それは、この下のエントリーでアップされています(断片的ですから、こういった発言があったようだ、という参考程度で見てください)。

旧司法試験制度の時代には数百名から千数百名程度であった司法試験合格者が、現在では2000名程度まで増え、そのようにして徐々に増加する中で裾野が広がった分、かつてであれば合格はあり得なかったような人も混じってくるのは避けがたいことで、極端な例(接見禁止だからといって接見に行かないとか告訴状も満足に書けないとか)を挙げて、だから法科大学院制度は駄目なんだ、といった議論をしても不毛なものしかないでしょう。旧司法試験制度の時代でも、ひどい弁護士、法曹というのはいもので、そういうことで新旧に分かれてなじり合っても何の実りもない(別にシンポジウムでなじりあっていたわけではありませんが)、と聞いていて思いました。

シンポジウムでも指摘されていましたが、現状では、未修者、非法学部出身者が振るわず問題、ということは言えると思います。元々、こういった分野に適性がない人をいかにうまく他の道へ誘導するか(経済的負担を最小限に抑えつつ)ということを考えなければならないでしょう。かつての司法試験では、法学部やその周辺の法律サークル予備校、自主的な勉強グループといったものを利用しながら、まずは司法試験の択一試験を目指し、その過程で、適性に乏しい人はやめて別の道へ進む、という道筋がそれなりに定着していましたが、現行の制度では、適性がない人々も一定数、法科大学院へ入ってしまい、適性がなく展望もないまま安くない学費を払いながら傷口を広げてしまう、ということが、やはり大きな問題ではないかと思います

私なりの改革案は、そういった点も考慮した上での、

これから法曹養成

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20110817#1313517586

といったものですが、シンポジウムの中で、「現状」についての指摘は様々になされていたものの、「課題」、さらには「抜本的な改革」といったことについて、ほとんど語られていなかったことには、物足りなさを感じずにはいられませんでした。

しがない弁護士には、制度を改革するような力はありませんから、是非とも、そういった力を持つ人々により、より良い制度へと改革してもらいたいものだと思いました。

KK 2012/09/11 22:02 いっそ刑事弁護士と民事弁護士で資格を分けてしまえばいい気もしますが駄目ですかね?(^^;。
民事はお金の問題なのでどうしようもない人のみ排斥できればある程度の目的は達成できるのではないかと思うのですが。

2012-05-28

[]<法科大学院>明治学院大が募集停止 入学志願者減で 22:45 <法科大学院>明治学院大が募集停止 入学志願者減で - 弁護士 落合洋司 (東京弁護士会) の 日々是好日 を含むブックマーク <法科大学院>明治学院大が募集停止 入学志願者減で - 弁護士 落合洋司 (東京弁護士会) の 日々是好日 のブックマークコメント

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120528-00000076-mai-soci

明治学院大によると、04年度には1329人(定員80人)だった入学志願者が12年度には59人(同40人)に激減。実際に入学したのは5人だった。11年度の司法試験合格率は4.5%だった。

私が、特に危惧しているのは、法科大学院の入学志願者が、全体として、かつてより激減していて、法曹界というものへの、人々の関心が低下していることですね。志願者が多ければ良い、というものでもありませんが、現状では、優秀な人材を惹きつけ志願させる魅力というものを、法曹界が次第に失いつつあるのではないか、と思います。もちろん、法曹養成制度の問題点、ということも、作用していることは確実で、全体としての制度、システムに、早急に改革、てこ入れを行わないと、法曹界全体の地盤沈下、ということにつながりかねないでしょう。きちんとやるべき仕事を行い国家、国民へ貢献できる、魅力を持ち優秀な人材が常に供給されるような職業、業界というものであるため、内輪でいがみあっているのではなく、知恵を出し合い協力すべきところは協力しあって、より良い方向へと進むことが急務でしょう。

現状のように、滝壺が迫りつつあるのに、口が達者な船頭が大勢いて漕ぎもせず船の上で議論しているような状態では、皆が船ごと滝壺に落ちてしまますから、まず、そういう状態では駄目だ、という共通の認識を持つ必要があると思います

追記:

これから法曹養成

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20110817#1313517586

2012-05-06

[]司法修習生「貸与制」見直しも…民自公が合意 12:46 司法修習生「貸与制」見直しも…民自公が合意 - 弁護士 落合洋司 (東京弁護士会) の 日々是好日 を含むブックマーク 司法修習生「貸与制」見直しも…民自公が合意 - 弁護士 落合洋司 (東京弁護士会) の 日々是好日 のブックマークコメント

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120506-00000279-yom-pol

政府は昨年の臨時国会に、貸与を受けた司法修習生に返済猶予を認める条件として「経済的理由」を盛り込んだ裁判所法改正案を提出し、今国会に継続審議になっている。公明党は貸与制に反対で、国が給料を支給する「給費制」の存続を求める同法改正案の修正案を提出している。

前に本ブログでコメントしたことがあると思いますが、貸与制にしておいて、貸与額をポイントに換算し、法曹になった後に公益に資する活動を行った場合は、行った内容(予め活動ごとにポイントを設定しておいて)に応じてポイントを減算する、というのも、1つの方法ではないかと思います法曹になった後、例えば10年間に、そうしたポイント減算ができるようにしておいて、10年たった時点で残っているポイント分をお金で返済する(ポイントがなくなった人は返済しなくてよい)、ということにしておけば、公益活動をやった人の分は公費が適正に使われたことになり、やらなかった人にはきちんと返済をしてもらうことで公費が無駄にならず、公平性も保たれるでしょう。こういった制度は、公益活動を行うインセンティブにもなってくると思いますし、国民の理解も得やすいのではないでしょうか。

給費制か貸与制か、二者択一、という硬直化した議論ではなく、財政逼迫の現状で国民の理解も得られる、現実的な制度構築を目指すべきではないかと思います