マテリアル・パズル ゼロクロイツ 8

人類の存亡を賭けた虹との死闘。
その戦いもようやく終わりを迎えることができた。
人類は残る二体の虹を見事討ち倒したのだ。
またしても尊い犠牲を払うことで・・・。


その終わりはただの始まりでしかなかった。
すべてがいま、収束へと向かい始めた運命の第8巻。


さて、冒頭書いた通り虹との戦いがこの巻にて決着。
世界に再び平和が訪れた。
───かに思えたのだが、虹という脅威の終わりは真の脅威の始まりに過ぎなかった・・・というのが今回の流れ。


尚、対虹の最終戦は、大雑把に言って8巻の半分ほどで終結する。
ここの展開は極端な言い方をすれば、物語を次の展開へ進めるために「あえて終わらせようとしている」かのような性急さが垣間見られ、少々残念なところ。
土塚さんがこれを最善としたのか、当初予定を大幅に上回る連載規模となっているが故に止む無しとして展開を急いだのか。
本当のところは定かではないが、個人的には本来ならもっと描きたいことがあったのを泣く泣く削ったのではないか?などと考えてしまうのだった。


そして、後半からはマテパシリーズ読者にとっては「いよいよ」とも言うべき展開に突入。
そうではない人にとっては、破滅的な終焉を予測させる物語の流れに胸騒ぎがするものとなっているかと思う。
いずれにせよ物語は大詰めを迎え、最終章に入ったことは確かである。
前半が上記のような印象を伴ったこともあるが、8巻の醍醐味はこの後半部分にあるだろう。
そして、本作の真価もまたこの先の物語にあるに違いない。
9巻の発売が待たれる。