歓迎すると言われたので全力でいきました

同性婚の問題と「生命のサークル」

ここでは同性婚の問題点を改めて指摘したい。反論を歓迎する。

ということで、張り切って参りましょう。
……とは言いましても、主張自体はそんなに目新しいものではなく、要約してしまえばこんな所です。

“異性婚子孫を残せる。同性婚は残せない。故に同性婚は幸せな家庭を築くことが出来ず、一世代限りの未来への責任を放棄した婚姻である。”

良くある「子供産めるから異性愛は偉い」という論法です。そんな旧式の銃剣で突撃しても、「不妊症」「高齢結婚」というテンプレ回答の良い的になるだけなんですけどね。
ただ記事全体の雰囲気を見ると、「そのような子供を作れない夫婦は本来許されない」とか言い出しかねないので、こちらの論法も斬り飛ばしておきます。

「未来への責任」なんて果たす必要あるの? という根本部分まで戻っても良いのですけど、もう少し手前から攻めていきます。

「子供を生む」ってそんなに大事なことですか?

確かに大事なことだとは思いますが、子供を生んだだけで未来に繋げられるかっていうと、全然そんなことないですよね。「育てる」ことも大事です。「生む」なんて所詮は280日程度の責任です。「育てる」となると、義務教育終了まででも15年、高校卒業で18年、大学卒業で22年です。日本のような大学進学が当たり前になっている国では、むしろ「育てる」コストの方が高いのではないでしょうか。
同性カップルは、「生む」ことは出来なくとも「育てる」ことは異性カップル並に出来ます。「育てる」ことで「未来への責任」も果たせると思います。

主な主張への反論は以上ですが、細かい所でもう少し。
まず軽めのを

神の創造世界では、基本的には異なる2性の交わりを通じて反応、存在、繁殖を繰り返してきた。これは微生物から万物の霊長の人間の世界まで網羅する普遍的な真理だ。同性婚では繁殖できない。同性婚が拡大すれば、最終的にはその種は終わりを迎える。

同性で結婚できるようになったからって、今まで異性で結婚していた人達が急に同性と結婚し始めるものなんでしょうか。
やってみないと分からない部分はありますけど、そんなこと無い気がします。

もう一個。もう少し長くなります。
同性婚の致命的な矛盾がある」と主張する段落があります。

同性婚が人間の幸せをもたらす婚姻形態とすれば、なぜ異性間で生まれた子供を養子に迎える権利を主張するのか。同性婚では完全な幸せを充足できないからだ。ここに同性婚の致命的な矛盾がある。同性婚は幸せな家庭を築くことができない婚姻システムということになる。

要するにはこういうことが言いたいと思われます。

1.同性婚は幸せをもたらすシステムである。
2.同性カップルが異性間のプロセスで出来る子供を養子として求める事から分かるように、同性婚では完全な幸せは充足できないので、幸せではない
故に、同性婚は矛盾している。

飛躍があるのは2.です。

まず第一点として、全ての同性カップルが子供を求めるかというと、そうではありません。異性カップルでも「子供を持たない」という選択をするカップルは一定数存在します。同性カップルでも同じ事です。

そして第二点。こちらが本質的な指摘です。
例え「完全に充足できない」としても、心に決めた人と名実共にパートナーとして、社会的に認められることは、この上ない「幸せ」だと思います。
お互いにパートナーとして認め合う。それだけでも幸せあります。でも、叶うのなら家族や友人にも紹介して祝福してもらいたい。同僚や近所の人にも認めて貰いたい。結婚とはそう言うものだと思います。
社会的に赤の他人では、「家族」なら当たり前に出来る事が色々と出来ません。
パートナーが大怪我をして病院に搬送されても、赤の他人では付き添うことすら出来ません。
赤の他人同士が、第三者を介すことなく、「家族」として幸せを分かち合う事が出来るシステム。それが結婚です。
パートナーと「家族」なれる。それだけで救われる同性カップルは大勢います。そんな彼ら彼女らの「幸せ」を「完全ではない」と奪うのが貴方方の神様なのでしょうか?

とは言え、同性カップルの子供については、私も腑に落ちない部分があります。
養子はまだ分かるんですけど、精子/卵子提供で子供作ると聞くと「お前らそれで良いの?」と思うのが正直な感想です。

え、だって、半分は第三者の血で、残りは自分かパートナーのどちらかだけなんですよ。それで妥協して良いんですか。
私がパートナーと子供を持つなら、パートナーの子供を産みたいですし、パートナーにも私の子供を産んでもらいたいです。

まあ、そんなことを言っても、確かに「今すぐ」となると妥協するほか有りません。

しかし!

しかしですよ。

技術の進化は日進月歩。
卵子のみで生まれるマウス話題のips細胞など、完全に同性間で生殖を行う技術はかなり進んできています。
卵子のみで生まれるマウスの技術は、ただちに人間に応用できるものではないようですが、同じ哺乳類のマウスで出来て人間に出来ない道理はありません。(キリスト教の世界ではあるかもしれませんけど)
ips細胞もまだまだ実用化は遠いですが、多くの可能性を秘めた技術です。
近い将来には同性間で生殖を行うことは、技術的に無理ではないレベルになっているはずです。
そうなると残る障壁はただ一つ、生命倫理
つまりは宗教を如何に説き伏せるかという世界になってきます。
「神の創造世界では、基本的には異なる2性の交わりを通じて反応、存在、繁殖を繰り返してきた。」など嘯く、現実を見れない宗教はさっさと退場して頂いた方が、世の為なんじゃないですかね。
無性生殖を行う生物はいくらでも居ますし、生命とは何かの限界を問いかけるウイルスという存在もあります。
こういった現実を見ようとしなければ、宗教は説得力を失い「世俗化」するのも当然でしょう。
世界は聖書にはありません。目の前の現実にあります。