説話「観音さま」

観音さまといえば、聖観音・千手観音・十一面観音・如意輪観音馬頭観音・不空羂索(ふくうけんじゃく)観音・准胝(じゅんてい)観音の七観音が一般的に有名ですが、それ以外にもマリア観音・慈母(じぼ)観音・悲母(ひぼ)観音・子安(こやす)観音・子育(こそだて)観音など、女性を表わす観音さまも居ます。昔から柔和(にゅうわ)な顔で人に接している人のことを、「まるで観音さまの生まれ変わりのような人だ」という例えをすることがあります。観音さまは女性ではないかという考える人も居ます。しかし、観音の原語は「アヴァローキタスヴァラ」〈世音を観るの意〉といい、サンスクリット語では男性名詞となっています。
また「観音経」の教えでは、観音さまは出家の姿、在家の姿、天人や龍の姿など男女を問わず三十三のさまざまな姿に身を変え、現世に於いて我々を苦難・厄難から救済して下さると説かれています。となるとと、観音さまは男性でも女性でもないということです。
「こころと命の相談室」快栄寺(eお坊さんねっと)説話集より
参考:「天台宗法話集より抜粋・編集