片山将司&平中麻貴

2010年11月3日
谷中会館初音ホール

第1部
平中麻貴(ソプラノ)
V.ベッリーニ作曲 激しい希求、マリンコニーア、喜ばせてあげて
G.ヴェルディ作曲 歌劇 《リゴレット》 より 慕わしい人の名は
V.ベッリーニ作曲 オペラ《夢遊病の女》より 気も晴々と

片山将司(バス)
W.A.モーツァルト作曲
オペラ《魔笛》より この聖なる殿堂には
コンサートアリア この麗しい御手と瞳のために
コンサートアリア おお、娘よ、お前と別れる今
オペラ《後宮からの逃走》より 勝どきをあげたいね


第2部
平中麻貴(ソプラノ)
C.ドビュッシー作曲 星の夜
E.デッラクア作曲 ヴィラネル(牧歌)
C.F.グノー作曲 オペラ《ロミオとジュリエット》より 私は夢に生きたい  
L.ドリーブ作曲 オペラ《ラクメ》より どこへ行く、若いインドの女よ? (鐘の歌)

片山将司(バス)
J.ブラームス作曲 《四つの厳粛な歌》 全曲

アンコール
山田耕筰作曲「からたちの花」(平中)
マリーニ作曲「世界最高の美人」(片山)
ベネディクト作曲「みそさざい」(平中)
モーツァルト作曲 歌劇「ドンジョヴァンニ」より二重唱 


日本声楽家協会による研究員リサイタル。

バスの片山将司さんは日本人には珍しい本物のバス、という感じのすごい美声を出すすごい人。そんな重厚な声を前半の技巧的なモーツァルトの曲において完璧にコントロールしていたのには驚いた。後半のブラームスの曲は、クララ・シューマンが亡くなった年(ブラームス自身が亡くなる1年前)に作曲されたものとのこと。心にしみる素晴らしい楽曲・演奏だった。

ソプラノの平中麻貴さんは上の音なら結構簡単にいくらでも出てしまいそうな素晴らしいコロラトゥーラ、でもそれだけでなく、若さというか純粋さと品を感じさせる美声は非常に心地よく、耳が疲れない。低音域の弱さが前半のプログラムでは気になったが、後半のフランスものでは本領発揮、という感じでとても楽しめた。

片山さんの伴奏をした相田久美子さんはさすがの完成度と安定感。平中さんの伴奏をした新望さんは、音の表情がとても豊かで、かつリズム感がとても気持ち良い伴奏だった。