大和但馬屋日記

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みなぞうくん急死

id:yukatti:20051005を拝見して。
彼を見たのは一度きり、まだ江ノ島水族館が改装される前のことだつた。アザラシ・アシカ類のプールの中で、何をするでもなく只でんと寝そべつてゐた。覇気とかやる気とか、さういふものをどこかに置き忘れてきたか、元よりそんなものは持合せてゐないか、そんな感じで只寝そべつてゐた。そこに惚れた。同じプールの、やたら他に当り散らす一匹のアシカに吼えられて、困惑して身を仰け反らすやうな、そんな彼だつた。
いつかもう一度見に行きたいと思ひながら、何年もそのままにしてゐるうちにこんなことになつてしまつた。残念だ。

中央線201系引退

また都心部からひとつ「国鉄電車」が消えるのか。まあそれはいいんだけど。

新型電車はE233系で最高時速は120キロ。電気機器や保安装置、ドア制御などの主要機器類を二重系にし、一つが故障しても走行可能な設計にした。昨年度22件あった車両故障による運転中止は半減する。

二重系にすると故障が半減するつてのは、話を単純化するにしてもそれでいいのか?
運用実態としてどうなるかは実際に走らせて統計を取らないと分らないにしても、二重系を採入れて得られる効果の期待値は半減よりずつとゼロに近い方だと思ふのだけど。まあ、オレがさういふものだと思つてるだけで根拠はない。

現行のオレンジ色の電車は07年末、半世紀の歴史に終止符を打つ。

ステンレスとかアルミボディでも色塗つてくれよといつも思ふ。無塗装にカッティングシートなんて安すぎる。もちろんそれこそがメリットなのだけれど。在阪私鉄を見習へ、と。

くるくるリアル(羽田奈緒子,MF文庫J) - 大和但馬屋読書日記 - bookグループ

くるくるリアル (MF文庫J)

くるくるリアル (MF文庫J)

同じ作者のデビュー作「世界最大のこびと」(感想)の同工異曲。異世界から来た少女が何らかの理由で元の世界での居場所を失ひ、主人公の家に押し掛け、散々騒動を起した末に元の世界に帰るといふ基本的な構造もさうだし、主人公の身近にゐる人物が実は脱いだら凄かつた(違)といつた辺りも含め、全く同じ話と言つていい。
そして、こびとのパウエルなら許されてゐた騒動が、今作のフィーナでは今ひとつ許す気になれない。物語の発端から解決に至るまでのキャラクター達の行動の動機づけが甘く、最後まで読んでも納得できなかつた。どこかで見たやうなキャラばかりだし。
主人公の住む世界(所謂「我々の世界」)は異世界の住人によつて作られたものであるといふ粗筋を見たときは「奥さまは魔法少女」と設定が被つてゐると思つたが、読んでみると全然そんなことはなかつた。といふか、その前提について作者自身あまり興味も思ひ入れもなかつた様で、読者の世界認識を揺るがせるところまで行つてゐない。軸足を常識の範囲内に置きすぎてゐるのではないか。
デビュー作が良かつただけに、どうも後が続かないのが惜しい。