大和但馬屋日記

この日記について

2007年04月15日日曜日

yms-zun2007-04-15

「量的制限」の内訳

  • 2007年04月15日 DocSeri 遊戯 ROMの容量がどの程度か不明だが、今やフラッシュメモリなら2GBで2000円を切っているぐらいだからCD-ROMよりも余裕を持たせられるような気がするのだけれど。
はてなブックマーク - 大和但馬屋日記 No.037 - 量的制限があるハードウェア上での仕様の取捨選択

えーと、いくつかの要因が混同されてゐる様に見受けられますが、これは一般消費者には恐らく知らされてゐない部分でせうから私の知る範囲で説明します。とはいへ私自身DSの開発にはまだタッチしたことがなく、ゲームボーイカラー時代の仕様しか知らないので、今もハードウェア構造や開発体制に根本的差異はなからうといふ推測を元に書ける範囲で書いてみませう。

メモリの価格について
まづ一般論として、市販の汎用メモリの価格とゲーム機カートリッジ用のメモリの価格は単純に比較できません。市販品は「相場」に合せて小売価格を上下させれば済みますが、コンテンツ代としてのソフトウェアの価格は製造原価で決める訣にはいかないからです。書籍の価格が紙の値段で決る訣でないのと同じといつて構はないかどうかは私には分りかねますが、概ね似た様なものでせう。もし何らかの原因で「相場」が上つても簡単にソフトの値段を上げなくて済む程度にはコスト的マージンを確保するのが、メーカーにとつて義務ですらあると言へます。ですから「今のフラッシュメモリの値段」はこの話にははつきり申せば無関係でせう。あと、リムーバブルドライブとして扱はれる(読書きにOSファイルシステムが介在してエラー訂正処理等の入る)フラッシュメモリと、CPUが直接アドレスを参照してデータの読出しを行ふゲーム機のROMでは要求される速度や信頼性に雲泥の差があるであらうことも申し添へておきます。2GBで二千円を切る様な品質のメモリがゲーム機に採用されてゐるとはとても考へられません。
カートリッジの容量について
これは、ソフトメーカーが自由に決められるものではありません。DSにしろゲームボーイにしろ、カートリッジの生産は任天堂が行つてゐますから、任天堂の提示する仕様の範囲内でしか作れない訣です。具体的な数字は知りませんが例へば「512MビットのROMなら製造コストは千本あたり幾ら、1Gビットならば幾ら」といふ感じで、精々数種類のメニューが提示されるだけでせう。この製造コストがソフトの値段に直結する訣ですから、開発側の都合で簡単に「0.5Gでは足りないから1Gに増やせ」とは言へないでせう。「世界樹」で言へばメーカーも流通も最初は販売数の見込を弱気に見積つてゐたことが明白であり、まあ開発側の要望は通り難かつただらうな、と思ひます。ざつと調べた範囲では今のところ「FF3」の8Gビット(1GB)ROMがDSでの最大容量ださうで、それも「FF3」だから許されたんだらうなといふのが感想です。定価がそれほど高くないんでコストは下つてるのでせうが。「FF3」が1GBのROMといふのはネットで少し調べたら出て来ただけの信憑性の極めて低い情報でした。恐らくは現状での最大容量である1Gビット(128MB)のROMを使用してゐるものと思はれます。
セーブデータのサイズについて
これはちよつとDSの開発者向け資料を見ないと何とも言へないし見られる立場に居ても守秘義務で外には流せないでせうから完全な推測ですが、ゲームボーイと同様にセーブ用のチップがプログラムやデータのROM領域とは別に用意されてゐるのだとしたら、これこそ本当に開発者の自由にはなりません。もしさうだとすれば 、それは精々1MBもあれば御の字といふ程度の容量だと思ひます。たぶんそんなにも無いんぢやないかな、あれしきのデータで「容量一杯」と言つてるくらゐだから。これも恐らく64kB以下の書込み可能なROMチップ(GBA等と変らないもの)を使用してゐる模様。

要するにDSカートリッジは任天堂が定めた「特別規格品」なので、メーカーはそれに沿つた仕様でしか物を作れません。そして、その仕様は割と想像を絶するほど低いところにあると思つて良いでせうし、取れる選択肢もそれほど多くないといふことです。

何せ、我が世を謳歌するDSとはいへもはや発売されて二年半、規格策定からは恐らく三年以上もの時を経てゐる訣です。勿論世間全般のコストダウンやDSの生産量の多さによる量産効果はあるでせうが、それは例へば「FF3が六千円弱で発売されてゐる」といつた辺りに反映されてゐるとみるべきであり、つまりは市場全体の価格帯が一定のところに保たれてゐるのがメーカーにとつては重要な点なのだと思ひます。

あとはまあ、「所詮携帯ゲーム機」つてところでコストバランスを調整してる訣なんで、こつちも「所詮そんなもの」と割切つて付合ふのが筋なんだらうな、と。

「そんなこつちやいかん、価格破壊を、流動的な価格導入を!」といふ話であればそれは全然フェイズの違ふ政治経済向きの話なんで、私の関知するところではありません。

そこまで破壊せにやならんほどDS周りのゲーム経済が狂つてるとも破綻してゐるとも思へないし、皆さう思つてるからDSのゲーム市場は大局的に潤つてて消費者まで含めて幸せさうなのだらうし。

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