大和但馬屋日記

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yms-zun2008-04-17

今週のXBLA配信物、「Rocky & Bullwinkle」。同名のアニメを題材にした版権物で、内容はシンプルなミニゲームを畳みかける様にこなしていくもの。「メイドインワリオ」の様だと巷では言はれてゐる。ワシは「ワリオ」やつたことがないからよく分らん。元のアニメについて全く知らないのでネタが面白いかどうかも分らない。これが全く同じゲーム内容で「GOLDEN EGGS」ネタだつたら迷はず購入してゐたが、そんな訣で体験版のみで終り。なんでこんなのわざわざローカライズして配信したんだろ。元ネタのわかる日本人が居るとも思へない。

ところで、絶賛絶賛中の「Pinball FX」の最新台も同じアニメが題材の版権物であることがこれで分つた。しかし台の持つシナリオの意味はやつぱり分らない。あるイベントを完成させた時のジングルと同じ音がミニゲーム集の面クリアに使はれてゐて、そこだけ何となく嬉しかつた。

議論の際の譬喩が駄目といふより、言つてゐる本人は譬喩のつもりでも実はただの論旨のすり替へに過ぎない場合が多いのが問題なのではないか。実例:「ルールで規制されてゐない以上その行為は止められない」「ルールで決つてなければ人を殺してもいいといふんですか!!」これは譬へでもなければ例示でもないが、本人は巧いこと言つたと思つてゐる。経験上、かういふことをいふ相手とは会話が成立しない。

id:saoyagi:20080417 自分の通つてゐた某幼稚園には、その当時通園バスはありませんでした。卒園して十年後くらゐに同じ幼稚園のバスを見掛けて驚いたことがあります。また、近所の別の(お金持ちげな)幼稚園には当時から通園バスがありました。といふ訣で、幼稚園によるのではないかと。

もしかしたらワシの「斑鳩」嫌ひは、倒した敵の点数がその場で表示される様になつてゐたらそれだけで随分取り除かれたかもしれない。

完全移植

XBLA版の「斑鳩」がオリジナルNAOMI版とパターンが違ふとかで、トップランカーが「完全移植でない」と触れ回つてゐるらしい話。

じゃあ実際『斑鳩』はどう劣化したのか、ちょいちょい意見を拾ってみたのだけど、3面中ボスビット逆回転とかは正直よくわかんないね。こんな大きいところを見逃すか!? と思う反面、大きいところだから見逃してしまったのかも……とも思う。今回の移植はオリジナルスタッフが関わっているというけど、人間、自分の作ったものはすぐ忘れるんだよね。

http://d.hatena.ne.jp/geemoku360/20080417/p1

忘れる、といふのも一理あると思ふけれども、かういふ時に顕著になるのは「送り手と受け手で大切にしてゐる部分が違ふ」といふ意識のズレではないだらうか。
漫画やアニメを例にとると、雑誌連載時と単行本で絵が違ふといふのは常識で、加筆修正どころかコマの構成から異なることもある。TVアニメがDVD化される時も作画からやり直したりもする。これらは大抵、「本来さうあるべきだつたクオリティに押し上げる作業」と理解されてゐる。しかし一方で、雑誌ならカラーページだつた部分が単行本では白黒(グレースケール)に落とされることもある。これは送り手側の止むを得ない都合といへるだらう。
しかし、さうした都合とは別に、「全く別の話になつてしまふ」といふことも稀にだが有り得る。極端な例としては「機動戦士Zガンダム」のTV版と劇場版の結末の違ひなどがある。他者による再解釈ではなく、同じ監督による結末の変更であるから、つまり古いTV版は否定された、と受け止めることも可能な訣だ。当然、TV版とそれに続く「ガンダムZZ」を大切にしたい為にそれを受け容れない者も居れば、「それはそれ、これはこれ」と考へる者も居るだらうし、「劇場版こそ決定版」と考へる者も居るだらう。
ゲームでいへば、少し前に話題になつた「ドルアーガの塔」のマップ生成の話。

ここで紹介した遠藤雅伸氏の解説の元となつたのは、「ファミコン版のマップ構成がオリジナルのアーケード版と違ふのはあきらめてたけど」といふユーザーの呟きだつた。
生みの親の遠藤氏は遠藤としては、最上階以外のフロアの形状に関しては、まったく関心がなかったと書いてゐる。ランダム生成されたフロアマップがどんな形をしてゐようが、生成ロジックに破綻がなくゲームとして成立してゐれば構はなかつたらしい。ファミコン版は画面の解像度の関係でマップのブロック数が縦横それぞれ二ブロック分小さかつたため、アーケードと同じ生成ロジックを使用しても全く異なるマップが出来上つた。そして、遠藤氏にとつては、それこそが「完全移植」だつたのではないか。同じロジックで出来てゐるのだから。ところが、ユーザーはロジックのことなど知らないから、ただ「マップ構造が違ふ」と感じるほかはない。
当時、ファミコンだけでなくさまざまなパソコン向けに「ドルアーガ」は移植されたが、やはり解像度の都合でマップの大きさはファミコン版に準拠してゐたやうだ。残念ながらどれも遊んだことはないが、当時広告の画面写真を見た記憶では、マップ構成もファミコンとほぼ同じであつたと思ふ。もしさうであるなら、それは「アーケードと同じロジックで生成したから」だらうか、それとも「ファミコンと同じ構造のマップをベタデータで持つてゐたから」だらうか。それぞれの移植担当者が大切にしたものはなんだらう、と想像してみると面白い。
斑鳩」のXBLA版を手掛けたオリジナルスタッフが、何を考へて改変を加へたかは分らない。分らない以上は、これが現時点の「本物」として受け止める以外にないのではないかなあ。オリジナルしか認めない偏狭なマニアが居てはならないといふ話ではないが、彼等が如何に声高に叫んだところで制作者たちは苦笑ひするしかない。
以下余談。初代「ミスタードリラー」には「エアカプセル二重取り*1」といふ、スコアアタックには必須の上級テクニックがあつた。恐らくは当り判定と面クリア判定に起因するバグだつたのではないかと思はれるが、当時の移植版ではわざわざそれが再現されてゐた(ゲームボーイカラー版ですら再現してゐたのには感激した)。しかし、続編の「ミスタードリラー2」以降、このテクニックは廃止された。
「二重取りのできない『ドリラー』は糞」といふことはもちろん可能だが、しかし「ドリラー」が面白いのは別に二重取りができるからではない。送り手が何を大切にしてゐるかは別として、ぢやあ遊ぶ側の俺達は何を大切にしてゐるんだ?

  • 2008年04月17日 wtnb18

*1:各階層のクリア時、大ブロックを崩す瞬間に上から降ってくるエアカプセルを取るとカプセルを二つ取つたと判定される。エアの回復量が二倍になるのは当然として、カプセル取得ボーナスが累積されるので特に後半で大きな得点差が出る。ブロックを崩すのが一フレーム以上遅れた時は普通にカプセルを一個取るのと同じで実害はないが、逆に一フレームでも早過ぎた場合はカプセルが一つも取れないことになるため、得点とエア残量の両面で大きなリスクとなる