大和但馬屋日記

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平成二十一年版「今年のゲーム十選」

yms-zun2010-01-03

今年のゲーム十選。つか、昨年のゲーム十選だよなと今更。
昨年一年間に遊んで、日記で言及したゲームの中から十本を選んで挙げる。特に順位はつけない。新旧もあまり問はない。
十本に絞るのは結構迷つた。とはいへ、どれもこれも面白すぎて困つたのではなくて、平均温度が低めのところで中途半端に切り捨て辛いタイトルばかりといふのが本当のところで、どちらかといふと一強皆弱みたいな印象。なので強いのだけ勿体つけずにトップで扱ふ。

Forza Motorsport 3(Xbox360,Microsoft)

まあ、これですよねー。実のところ、今年タイトルそのものに注いだ熱量としては「Forza2」に対するそれの方が遥かに大きい。今年前半の、レースイベントをこなす間の充実感は大変なものだつた。しかしそれといふのも、来るべき「Forza3」の前に未練をすべて失くしておかうといふのが動機だつた訣で。
Forza3」そのものに対しては、あまり熱を上げることなく末永く付き合つて遊べればそれでいいと思つてゐる。なんといふか、望むものを手に入れてしまつた老人の様な心境で。ある意味、「不満だらけの神ゲー」であつた「2」を遊んでゐた時の方が幸せだつたかもしれない。それは別に今が不幸せといふ意味ではなく。
もう、他の何かと比べてこれが優れてゐるとか劣つてゐるとか、そんなことはどうでもいいんだ。今ここに「Forza3」がある、それだけでいい。生まれてこの方、疑似運転ゲームを遊んだり自動車免許を取つて実車を運転して感じた楽しみのすべては「Forza3」を味はふためにあつたのだ。

Race Pro(Xbox360,ATARI/Simbin)

Forza3」が出るまでの繋ぎとして買つて遊んだ。その役目は十二分に果たしてくれた。これでなくては味はへない楽しさがちやんとあるから、忘れない様に十選に入れておく。
トータルパッケージとしては不具合があまりに多すぎて褒められたものではない。他と比べてどうかう以前に、ちとどうかと思ふよこれは。

Trials HD(XBLA,Microsoft/RedLynx)

オートバイのゲームとしてどうなのかはさておき、物理演算自体を相手に戦ふ系のゲームとしては抜群のインターフェース。しかし最高難度の最初のステージで詰つたままだ。
しかしまあなんといふか、かういふゲームにもギャグとして残虐描写を入れずにおけないところに彼我のゲーム文化の違ひを強く感じる。この程度ならCERO A(全年齢対象)ではあるが。ゴール地点のライダーの咽喉元に鉄骨を突き出しておくなんて、悪趣味以外の何物でもなからう? さういふのが悪いと言ひたいわけではなく、そもそもそんなことをしようなんて思ひ付かないぢやないか。

まもるクンは呪われてしまった!(Xbox360,GREF/GULTI)

言ふなれば和製薄味演出代表。これはテーマがテーマなんだからもう少し毒を入れてもいいと思ふんだ。
シューティングとしては「シューティングラブ。200X」とどちらにしようか迷つたが、両方入れるには枠が足りずこちらを選んだ。アーケードのシューティングゲームXbox360に移す上で何をするか、といふ点でこれ。ケイブの作品もそれぞれに頑張つてゐるとは思ふけど、メニューや画質で頑張つたといふのは十選に入れる判断としては少し違ふ気がした。
システムをちやんと理解して遊べば面白い。そこのところを、特典DVDのマニアックな副音声チャンネルなどではなく、遊ぶ過程できちんと理解できる様に作られてゐれば良いのだが。

The Dishwasher : Dead Samurai(XBLA,Microsoft/Ska Studios)

インディーズ上りのXBLAタイトルにはそこそこ良いものがたくさんあるから、選ぶのには本当に苦労する。そんな中で、これはかなり真剣に遊びこんでしまつた。
革新的なところは特にない。つか「革新的!」と呼べるのは「Peggle」だけだ。難易度設計も破綻気味だし、粗の多い作品ではあるけれども、その粗も含めて「ちやんと作つてあるな」といふのがインディーズ作品としてのこれに対する感想。手を抜かず、全体にちやんと目が行き届いてゐて、その結果として粗いのだから、これはさういふゲームなのだ。
今更ながら、ゲームで語られるストーリー展開は石森章太郎のヒーローそのものだと思つた。主人公の皿洗ひをバッタ男に置き換へれば万事オーケー。違ふところといへばオヤッさんが最強すぎるくらゐか。
くどい様だけど、XBLAの良さつてかういふ作品に出逢へるところにあるんだと思ふ。

Braid(XBLA,Microsoft/Number None)

インディーズ系XBLAとしては至高の一品。
クリアした後からストーリーの解釈に纏はる諸説をネットで読んでみた。まあ、テキスト部分の解釈にはいろいろあるよね。その辺も含めて、何かを作らうとする人が「訴へたいこと」を表現する手段としてゲームを選び、それが成功してゐるのが凄い。
そして何より素晴しいのは、ゲームが面白いことだ。

電脳戦機バーチャロン オラトリオ・タングラム(XBLA,SEGA)

マスプロ系XBLAとしての決定版。まあ、それもこれも「暴走プログラマ(公称)が勝手に移植した」といふ逸話があつてのこと。
ゲームとして完成しつくしてゐて、細かいバランスについてマニアがあーだこーだ言ふくらゐしか文句の付け様がない。最早ワシにはそれを遠巻きに見ることしかできないのだが、それでも十選に入れざるを得ないのは言ふまでもなくツインスティックを作つてしまつたことに因る。久々に楽しい遊びだつた。

インベーダーエクストリーム2(NDS,TAITO)

DSならではのプレイ感覚を実現してゐるのだが、DSでなく大画面で遊びたいと思つてしまふジレンマ。もし自分がDSi LLを買ふとしたらこれで遊ぶためだけれど、流石にこれだけのために本体は買へないしな。
もう年単位でDSを触る機会が減つてゐて、それが何故かといふと非常に身体に悪いからだ。目が疲れる、肩が凝る。もし最近視力が落ちてゐるのだとしたら、その理由はDSにハマつた所為だと確信を持つて言へる。
そんなことを言つて、この「インベーダーエクストリーム2」が例へばXBLAに乗つかつたら面白いと思ふかといへば、あの不幸な前作のXBLA版のことが思ひ出されてしまふから困るのだけれども。
ああ、ゲームの話をしてないな。まあ単純に気持ちのいいゲームなので、例へば「Rez」が好きな人なんかにもお勧めしたい。効果音をリズムに乗せる感覚だけはあれに似てゐる。このゲームの場合「気持ちいい」のレイヤーがいくつもあるから、どこかで誰かのツボに嵌るでせう。傑作だと思ふよ。

アイドルマスター(Xbox360,NBGI)

今更も今更だが、無印「アイマス」をやつとキチンと遊んだのが昨年だといへよう。併せてDS版「ディアリースターズ」を入れようか迷つたのだが、敢へて落とした。
三ユニット目の雪まこの途中で経過を書くのをやめてしまつたが、それあもう何かを書く気が失はれるほどひどい結果だつたのさ。後半は何をどうしたらオーディションに通れるのか分らなくなる有様で、二ユニット目の亜美真美の時にどれだけ後半の成長力に助けられてゐたかを痛感した。全く、「箱○版のバランスはぬるい」とか言つてる人たちはどんだけ天才なんだか。パラメータ管理型のゲームは苦手です、ハイ。
まあ、その敗北感も含めてゲームだからそれで良いのだ。しかし、あれだけ苦労して未だに実績ポイントが0て。どういうことなの。

Mafia Wars(iPhone,Zinga)

最後に、自分としては問題作。前にも触れたことがあるが、こんなの全然ゲームぢやない。
何かといふと、要は「時間を対価にしてパラメータを増やす作業」。ただそれだけ。インターフェースの体裁は典型的なパラメータ管理型のゲームそのもの。しかし、当然そこにあるものとして期待される所謂「ゲーム性」の様なものは皆無。かといつて、それに代るストーリーテリングがある訣でもない。かけた時間に比例してパラメータの数値が上昇するのを眺めるだけ。どうしてこんなものを、ワシは半年もの間一日も欠かさず遊んでゐるのだらう。「遊んでゐる」? まあ、仕事以外のことを仕事中にするのが「遊び」であるならこれも遊びだ。
職場の後輩にこれの内容を話したら、「要するにMMOと同じですよ」と答が返つてきた。ああ成程。であれば、これに触れてゐればMMO廃人などにはならずに済みさうだといふのはどう考へても詭弁で、始めからこれがなくても困らない筈だつたのだ。しかし手許にiPhoneがある限りこれに触れずには居られないほどの習慣がすでにできてゐて、つまり「Mafia Wars」の画面をつつくといふのはワシにとつては喫煙行為なのだ。それですべて片付いた。

まとめ

以上十本。「0-D Beat Drop」「アイマスDS」「The Maw」あたりは入れておきたかつたが入れるほどに語る言葉もなく。
しかし「アイマスDS」入れない御蔭で本当にXbox360ばかりになつてしまつたな。ほとんどゲーセンに行かなくなつたし、DSにも触れないし、Wiiは買つてから未だ一度も火が入つてゐないし。
もう少し意欲的に遊べないとマズいな、といふ気がするので今年はそのへんに気をつけてみたい。
以下、選考に使つたタイトルを列挙して畳んでおく。

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