大和但馬屋日記

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ミスも味はひ


聽き較べれば違ひは判るし譜面を見れば意圖も解るが、しかしミスとされる方だけ聽いても中々それがミスとは思へない。本來の意圖とされる方は「正しい」音と對旋律のトリルが喧嘩してゐる樣にも思へるので、響きを尊重してわざとかうしたのではないかとも。
打込みミスの話だとゲームしてゐて氣になるのは「ドラゴンスピリット」の四面の曲。ループ時に主旋律のオクターブ設定を戻すのを忘れて、ループの二周目から音程が不自然に高くなつてしまつてゐる。まあ一面の曲が未完成だとか六面の曲のループ時に明らかに變なところがあるとか、色々粗のあるゲームなので殊更に採上げるものでもないかもしれない。
ループ時のパラメータ戻しのミスといへばX68000版「パロディウスだ!」の六面の曲の主旋律のチャンネルが、前半と後半で異る音色を使つてゐるその最後で音色の割富てをリセットしてゐないので、ループ後にブラスの音になってゐるべき主旋律が變な笛の音になつてゐる。MIDI版でもFM音源はそのまま鳴つてゐるのでミスは直つてゐない。
同じくX68000版「沙羅曼蛇」では一面BGMの對旋律のオクターブ設定を間違ってゐて、本來下がるべき箇所で上げてしまつてゐる。これは元の曲を知らなければ「これで正しい」としか思へない例。どつちが好きかといふと間違った方かもしれない。
そんなこんな、内藏音源では只のコンピュータ演奏でも味のあるミスが發生するので趣きがある。ストリーミングだと良くも惡くも「さういふもの」として聞き流してしまひさうだ。それはそれで知らないところに秘密があつたりするのだろうな。