百花繚乱エリクシル 感想(レビュー)
〜Story〜
帝国の威信を一身に背負い、皇帝の耳目として地方領主を監督する権限を持つ『巡察使』は、領内の孤児を集めて皇帝が直接育成する期間で育てられる施設で特に優秀な成績を収めたものだけが就くことの出来る名誉ある地位であった……建前上は。
法的には皇帝の代行として行政、徴税、裁判等を独自に行う権限を持つ巡察使は帝国が安定するための屋台骨と言われているが、残念ながら、その現実は閑職である。
帝国を構成する多くの地方領主は巡察使を煙たがっており、よほど大規模な不正でもない限り、巡察使がその職権を行使することはないのが慣例となり形骸化が進んでいるのだ。
そして皇帝の威信があるとはいえ巡察使自身は貴族ではない為、政治力で圧迫される事も多い。
主人公である新米巡察使は、巡察使になって三年目。やっと一人で任地に赴けるようになったばかりなのだが、いきなり何もない辺境の巡察への着任を命ぜられてしまう。
直前の研修任務で、大貴族の不正蓄財をあっさりと証拠完備で発見して皇帝に報告したことで大貴族の恨みを買い、地方に飛ばされてしまったのだ。
期待された任務を果たした途端に訪れた不幸に、本人は意気消沈したが、皇帝自身から「……すまん」と言われたことで、「自らが帝国を救わなければならない」と熱情を持つに至る。
しかし現実は何もない牧歌的な辺境の村を巡察しろという任務。
彼は「めざましい成果をあげて、帝都に返り咲き帝国を立て直す」という大望を胸に、最初の任地に赴く。
ところが、そこにいるのは人なつっこい村人達と、ぼろぼろの城に住む気位の高いお姫様だった。歓迎されざる客である巡察使は、みんなに溶け込むことが出来ない。
当初、税収を増やそうとしたり、隣国との密通を疑ったりする主人公だが、次第に村人達の本当の暮らしと温かい心根に惹かれていく。
ただただ真面目に任務のために働く主人公の気持ちが伝わり、打ち解けていくにつれ、自分のような孤児を生む帝国末端の現状を理解することになる。
そして主人公はこの村を立て直して村人達を豊かにし「今までの倍、税金が払えるようにしてやる!」という、村人達が苦笑いするしかない目標のために奔走することになる。
村人達も彼に協力して村おこしが成功していくにつれ、今度は「主人公を村に引き留める」という意志のもとに一致団結し、領主の娘を始めとする村の美女達が頑張ることに。
波乱万丈の村おこしラブラブアドベンチャー、ここに開幕!
【シナリオ】
共通√では村おこしが成功するまでが描かれます。
巡察先が田舎で、優しいのどかな世界観で進んでいくのでほのぼのしますね。
それが終わったら個別√突入。
主人公は有能だが超がつくほど真面目で、それゆえに鈍感なのでヒロインが主人公を攻略するって感じ。
かなり自分をしっかり持っている主人公だったので見ていて好感がもてました。
【CG】
癖が強いと言われる瀬之本久史さんの絵
自分はAXLの塗りと相まって非常に魅力的に仕上がっていると思います。
【キャラ】
幼馴染キャラのアンドロメダ1強。
ヤキモチ焼きだけど一途で献身的な態度も○
【音楽】
BGMはのどかな世界観によく合ったものでした。
OPはKOTOKOさんということもあり何回か聞き入っちゃいました。
【システム・演出】
AXL特有のシーンスキップは便利ですね。
共通√を飛ばすときどんなことがあったかわかって重宝しました。
【総合】
「AXL」さん作「百花繚乱エリクシル」
巡察先“ミルトス”を村おこしして豊かにしていくこのゲーム。
ミルトスの田舎な雰囲気やキャラに癒されるしそこまでシナリオ量もないので、軽い気持ちで手を出してみてはどうでしょうか。
【総合評価】
C (ABCDEの五段階評価)