落合尚之版『罪と罰 A Falsified Romance』の人物名に関するメモ
裁 弥勒 (たち みろく) = ロジオン・ロマーヌイチ・ラスコーリニコフ
主人公。原作で該当する人物は、ロジオン・ロマーヌイチ・ラスコーリニコフ。
馬場 光 (ばば ひかる) = アリョーナ・イワーノブナ
原作ではラスコーリニコフにより斧で惨殺される金貸し老婆に該当する人物。
老婆=婆(ばば)=馬場
馬場という名前はおそらく金貸し老婆=婆(ばば)のもじりだと思われる。
島津 理沙(しまづ りさ)= リザベータ・イワーノブナ
原作では金貸し老婆アリョーナの妹に該当する人物。
リザベータ=リサ
理沙という名前はリザベータのもじりだと思われる。
リザベータ・イワーノブナ = リザベータ・スメルジャーシチャヤ = 島津?
理沙の名字である島津の由来がよくわからない。リザベータといえば『カラマーゾフの兄弟』にでてくるリザベータ・スメルジャーシチャヤが連想されるが、スメルジャーシチャヤ=スメルジ=スメジ=島津というこじつけも考えられなくもないかも。
首藤 魁 (すどう かい) = スビドリガイロフ
首藤に関しては原作で該当する人物スビドリガイロフの音をもとに日本語名にしているものと思われる。
飴屋 菊男 (あめや きくお) = セミョーン・ザハイルイチ・マルメラードフ
原作では酔いどれ官吏であるマルメラードフに該当する人物。
飴屋 英知香(あめや えちか)/旧姓 園山 (そのやま) = ソフィア・セミョーノブナ・マルメラードワ
原作ではマルメラードフの娘であるソフィア(ソーニャ)に該当する人物(一部、マルメラードフの妻であるカテリーナに該当する部分もあり。)
落合版では飴屋菊男の後妻という設定。
カペルナウーモフ = カペナウム(カファルナウム) = 園山?
原作でソフィアはカペルナウーモフという名前の一家が暮らす家に間借りをしている。カペルナウーモフとはイエスが伝導を始めた地カペナウム(カファルナウム)が語源であり、そこから英知香の旧姓である園山という名前が付けられた可能性がある。
ソフィア = 英知 = 英知香
ソフィアとは英知が語源の名前であり、そこから英知香という日本語名がつけられものと思われる。ちなみにエチカとはラテン語で「倫理」を表す語でもある。