Scrumを1年ちょっとみっちりやって、半年ほど離れてみての感想。

時のながれ

2009/02 - 2010/04 Scrumをみっちり
2010/05 - 現在 開発メンバーが私一人になって、Scrumもへったくれもなくなってきた

2009/12 Certified ScrumMaster クラスを受講

開発メンバーは3ヶ月に1度くらい減ったり増えたり、入れ代わったり。(予算や営業との兼ね合いで)
ずっといたのは、私だけ。
私はチームメンバーとして参加。

初期

Scrumとは?からメンバーとともに学び、チームビルディングや見積りと計画、Railsの勉強などからスタート。
2週間を1スプリントとし、テストを書いて、CI環境を構築。
技術もプロセスも手探り状態で、試行錯誤の毎日。
馴染めないメンバーの離脱など。
そんな中でも、みんなで決めていくことができたので徐々にチームができてくる。←スクラムマスターの力ですね!
UCDなやり方も取り入れようと、ユーザーの仕事場見学に行ったり、席の隣でアプリを使ってもらったり。

タイムボックス

1日のタイムボックス
1日を3コマに分離。1コマ2時間。午前、午後1、午後2。
朝会は9:10から、9:30くらいまでだったかな


スプリントのタイムボックス
1)スプリントプランニング
2)開発(困ったときは、作戦会議。)
3)スプリントレビュー
4)ふりかえり
5)(時間があれば)刀を磨く

中期

1週間を1スプリントとした。もちろん、みんなで決めた。
朝会は9:10から10時くらいまでやってた。
ほぼ雑談。ゲームの発売日だとか、〇〇をクリアしたとか、晩ご飯は〇〇だったとか、勉強会に行ってきて〇〇さんがどうだったとか、女子大生通りがどうのこうのとか。
もちろん、3つの質問もしますよ。
3つの質問+Good and New。
Good and Newというのは、最近あったいいこと、新しいことを一人づつ発表。
一人がしゃべっている間に話題をかっさらう、Good and Newドロボーなど。
司会は持ち回りだったかな?
雑談をたくさんしたので、お互いの文脈が共有されてとても会話しやすくなった。


その後、スクラムマスターが転職したりね><

後期(今)

予算との兼ね合いで、人が減少。
2010/05からは開発メンバーは私一人。
スクラムマスターの転職で、新しい人が入ってきたけど、スクラム知らないし、"今までのやり方"で押し通されるなど。
やりたくない人を説得するほどの情熱はなし。←多分私の悪いくせ
いや、はじめは説明しようと努力したんだけど、うまくいかなかったのでやめた。
開発メンバーも私だけだしね。(いいわけ。)
うまくいかないのに意地を張っても、空気が悪くなるいっぽうで、"今までのやり方"を受けいれる方向にシフト。
見積り、細かい設計、開発順(優先度)などは聞かれないので自由に開発。
(ざっくり見積りは確認されます。)
ユーザーが遠くなってしまったので、そこは不自由か。
以前だと、こんな感じでつくってみたんですけど、どうっすかー?と聞くことができた。
スクラムはやらなくなってきたけど、今はKanbanだ!
決まった日に要求がくるわけではないので、順々に対応するため、tracに都度登録。
WIP制限は1タスク。一人なので。

"今までのやり方"

ユーザーから要望や要求を会議室でヒアリングし、要望一覧Excelに記述。
システムに落とせるくらいまで細かくし(←ここは、その人の感覚で)
作ってくださいと言われる。





雑感

スクラムは時々、開発手法と言われ、ちょっとピンとこないなーと思ってました。


開発手法って言ってしまうと
全部やんなきゃいけない、これさえやれば成功する、と思ってしまう。



ただ適用するだけではうまくいかない。
それぞれの現場でそれぞれの実装を行わなければいけない。
自分たちのやりかたを見つけていく。


たとえば、スプリントレビュー。
現場によって、やり方は無限大。
ステークホルダーをどこまで集める?
顧客?ユーザー?情報システム部門?上司?
日時は?1週間に1度?1ヶ月に1度?
資料は?紙を配る?プロジェクターにする?
誰が進行する?チーム?スクラムマスター?ユーザー???
準備はいるの?
UI部分だけ見せる?内部構造も説明?


デザインパターンと一緒で、プロダクトに合わないパターンを組み込んでもわかりづらくなるだけで、
現場に合わないスプリントレビューやロールを無理やりやってもうまくいかない。多分悪化する。
現場にあわせるためにひとつずつみんなで考えていく必要がある。
労力が必要。ここであきらめてしまって、失敗したと思ってしまうことが多いと思っている。
また、誰か一人で決めても、意味が無い。
やらされ感が出て、自主的にチームが動かなくなる。
指示を待つようになる。


なので、スクラムマスターには権限がない。
提案しかできない。


スクラムをやろうと思っている人をビビらせてしまったら申し訳ないです。
しかし、スクラムにはスプリントという繰り返しがあるので、
繰り返し何度も行っていく上で、やりやすいように変更していけばモウマンタイ。
はじめは型通りにとりあえずやってみて、いろいろ分かってきたら変更を提案してみる。(ここ重要☆)


最後まで読んでしまった、そんなあなたは、すくすくスクラムへ。
http://www.sukusuku-scrum.jp