東京にも、もうすぐ桜が咲く。この場合の桜はほとんどソメイヨシノのことだ。
ソメイヨシノは、種によってではなく、接ぎ木によって増えていくそうだ。つまり、人の手によって増えていく木なのだ。
そして、接ぎ木によって増えるということは、全てのソメイヨシノは同じDNAを持っているということらしい。だから、示し合わせたように一斉に咲くのだそうだ。
一斉に咲き、一斉に散る。祭りの後が淋しいように、桜の散った後も淋しい。ちょうど別れの季節に重なるので、別れの象徴としても使われて、たくさんの歌がつくられた。
それもみんなソメイヨシノが接ぎ木として増えてきたからだ。