我が家の熱帯魚の水槽の中は、このところ、ゴールデンハニーのオスによるファシズム政権で、他の小魚たちが震えあがっている状態が続いていた。
最初20匹くらいで始まった水槽生活では、目立った争いもなく平和に暮らしているように見えたが、その後、水の汚れによって、5匹に激減。
それでも平和は保たれているように見えたが、水の汚れの元になる藻を食べるために7月初めにヤマトエビを23匹入れてから、ゴールデンハニーの恐怖政治が始まった。
ゴールデンハニーは、縄張り意識が強い、とネットには出てくる。ヤマトエビを次から次に水槽の外に追い出して、数日前、とうとう全滅させてしまった。
ヤマトエビへの攻撃は、他の生き残りの小魚への攻撃にもつながっていき、7月中旬にはネオンテトラの尾ひれを襲撃。2日で死んでしまい、ヤマトエビに死体を処理され、その日のうちに白骨化してしまった。
8月に入ってからは、メスへのアピールのために美しく変身できるようになったばかりのシュ―ドムギル・ティミカを水槽から追い出し、とうとう水槽にはゴールデンハニーのつがいとネオンテトラ1匹、合計3匹のみとなって、最後のネオンテトラへの攻撃が始まっていた。
ゴールデンハニーのオスは、水槽の世界で暴君として君臨し、そのままで放っておけば、最後は自分だけになってしまうように思われた。
そこで、水槽に平和を取り戻すため、ネオンテトラの稚魚を15匹、グッピーを6匹、先週末に加える。
ゴールデンハニーは、それでも攻撃的な性格を変えず、ネオンテトラを5匹、グッピー1匹をすぐに水槽の外へ追い出した。
しかし、追いかけても追いかけても、自分の縄張りにすぐ戻ってくる小魚たちに、ゴールデンハニーも疲れてしまったのか、2日後にはほぼ追いかけるのを止める。
そうして、2か月ぶりに水槽に平和が戻ってきたように見える。
一昨日までは、ゴールデンハニー用に別の水槽を用意することを真剣に考えたけれど、魚同士の関係性を変えることで、その攻撃性を鎮めることができたことは、なにか大きなことを教えてくれたのではないか、と思ったりする。
人間の世界も、魚の世界も、きっと同じだ。