ある程度プログラミングができる人がプログラムを読むときは「気分で読む」ということになるらしい。数学もとりあえず眺めるときは気分らしい。プログラムの場合は、細部まで厳密に完成しているかどうかは動かしてみればわかる。数学の場合は、細部まで厳密に完成しているかどうかも人間がみなくてはならない。ただし、プログラムの場合も数学の場合も、細部まで厳密に完成しているかどうか人間が自分で読んで確認すると理解は深まるらしい。しかし、一読して、細部まで厳密に完成していることが明明白白であるのは、大事なことらしい。一読してまったく意味がわからない証明やプログラムも、おもしろかったり利益があったりすれば、それはそれで味わい深いものであるが、そういうのは趣味である。

数学の場合は、一読してまったく意味がわからない証明をもちいないと証明できない、シンプルなことがらが存在しそうだ。一方、プログラムの場合は、どんなことでも(一読してまったく意味がわからない目的を達成するのでないかぎり)、わかりやすいことのつみかさねで何とかなりそうだ。