背筋をのばして、のほほんとする。

Aと言いたくなってAと言えればそれでいいのですが、AではいけないBと言おう、と思ってしまうと、もういけません。ぐるぐるめぐりになってしまうことがおおいです。AではいけないBと言おう、BではいけないCと言おう…と思っているうちに、もともと言いたかったこととはかけ離れたFと言ってしまって、あとから、FじゃなくてGと言えばよかった、と後悔するというのがありそうな話。それに、Fとだけ言われた相手はA→B→C→D→E→ という遍歴を知らないわけで、「AでもないBでもないCでもないDでもないEでもないF」は伝えるのが極めて困難です。


そんな心配をすることがあります(あるのか)。


Aと言うのをためらわせてBと思い直させる力は、Aに対して働いているばかりではなく、ここで何か言うそのことに対して働いているのかもね。そう考えると説明がつきそう。


こんなとき、心おきなくなんにも言わなくてよい状況にしてから、ぼけーっとするのは、楽でよろしい。何か言いたいと思った力のせいで、ぼけーっとしにくい場合には、「Aと言はむも心なければ」とか言ってから休むと楽そう(ずるいなぁ)。


A→B→C→… と転がる過程は、どこか知らないところで勝手に進むのかなぁ。何年かすると、不動点に収束するかも知れない。AではなくB、と最初に思わせた原動力を失って、止まってしまうかも知れない。雲と散り霧と消えるのも美しい。


転がり落ちる言葉の列の蒸発したものが、しばらくときを経て、はるかに高いところで、また言葉の玉を結ぶこともあるのだろうか。