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「田舎の経済は、現金で動いてないから、そんな統計で生活の豊かさを計るな」

NHKのワーキングプアの特集は今、普通のサラリーマン(ブログとかやってない人)にもはやってるみたい。親も会社でよく話題になると言っていてビックリした。

でも、統計を見ると、田舎の人たちの年収は少ないじゃないか、とつっこむと、「田舎の経済は、現金で動いてないから、そんな統計で生活の豊かさを計るな」という話。
はあ?貨幣経済には違いないだろ?というと、そうではないとのこと。
田舎では、野菜は、庭に植わってるやつを引っこ抜いてくるか、あるいは、雪の下に埋めておいた野菜を掘り出してくるか、でかい樽につけておいた野菜や魚(はたはたとか)をとってきて、そのまま食事を作る。
東京の人間が、子供を保育園に預けるところを、じいちゃん、ばあちゃんが面倒を見てくれる。
また、近所との物々交換的なやりとりが行われていて、ちょっとした家や車の修理を格安でやってもらう変わりに、とれた野菜をとどけたり、力仕事を手伝ったりしあうのだそうだ。

最近読んだ、「富の未来 上巻」とまったく同じことが書いてあってビックリした。表の貨幣経済と並んで、生産消費者による(既存の)貨幣によらない経済が、統計には表れないんだけど存在しているという話。生産消費者とは、自分のためにプロダクトやサービスを作る人たちで、実際はほとんどの消費者は生産消費者なのだ。家庭菜園から趣味のソフト制作、ブログ書いている人がみんな生産消費者。
生産消費者たちは、工業化以前の社会から、いわゆる知識経済*1に達した社会にいたるまで、あらゆるところで、ちょっとしたボランティアやお裾分けやオープンソースプロジェクトへのコントリビュート*2という形で富を創出して、交換している。さらに表の経済との相乗効果も生まれているという。ちょっと夢のある話だなーと思った。
生産消費者の経済をより素敵にまわすためには*3、地域通貨とかナントカポイント*4とかが有望なんじゃないか的なことが書いてあった。ボランティアやコミュニティだけでは限界があるかもしれないけど、報酬として貨幣をつかうと、小回りがきかないし、いろんなシガラミが多すぎる。そこで地域通貨ですよ! ということ。
地域通貨というと、左寄りな人をひきつける感じがしてイメージ悪いんだけど、興味深い分野だと思う。21世紀は通貨ハックの時代。PICSYとか面白そうだし、そういえば二ールスティーブンスの小説にこの手の話がよく出てくる気もする。

*1:トフラー独自の用語なのかなー

*2:80ウン才の著者がよくこんなことしてるなーと思った

*3:既存の貨幣経済にはいろいろ限界や弊害が見えているから

*4:はてなポイントもそうですね