アナウンスと霧と新装備
暑い日が続きますね。
熱中症とクーラーのかけすぎには注意しましょう。
あ、いや。
自分に言い聞かせてるだけです。
どうぞお構いなく。
この富士山のレポートも、あとで自分で読み返すのが主な目的です。
どうぞお構いなく。
いよいよ登りはじめたよこみちとmark-na。
軽石のような砂利が、ジャクジャクと音を立てる。
砂利のすぐ下はけっこうしっかりした土質みたいで、砂利はそんなに崩れず、歩きにくいってほどじゃない。
あ、ちょっと待って。
靴ひも締めなおすから。
あ、待って待って。
ちょっと写真撮るから。
老夫婦にも追い越されるスピードで、ゆっくりと登っては、こまめに休憩をいれるよこみち。
いや、ね。
強がってはいるものの、痛いんですよ。
坐骨神経痛が。
mark-naも、そのへんはちゃんと察してくれているようで、こまめに休憩をいれてくれる。
しばらくそんな調子で登り続けると、小さな建物が見えてきた。
山小屋、かな?
拡声器みたいなスピーカーがついていて、アナウンスが流れてる。
「………ため、大砂走りは通行……ません…………」
よく聞き取れなかったけど、なんかまずいこと言ってなかった?
大砂走りって、下りに通る予定だったよね?
山小屋で聞いてみよう、と思いながら、スピーカーのついた小さな建物に近づいたものの。
あれ?
山小屋じゃない。
回廊状のトンネルが、山小屋に見えただけだった。
何となく裏切られた気持ち。
少し先に進むと、今度はプレハブのような小屋が。
人は居たものの、山小屋ではなくて警備本部のようなものらしい。
小屋の前に立っていた警備員ふうのおっちゃんに、さっきのアナウンスのことを訊ねるmark-na。
「大砂走りは、通れないんですか?」
「あー、昨日ひとり滑落してね。
迂回してください」
あちゃー、帰りのバス、往復券買っちゃったよ。
「御殿場口には降りられないんですか?」
「いや、登山道の方に迂回できますんで」
あ、一応おりれるんやね。
でも、大砂走り楽しみにしてたのに。
細かい砂利がおおくて、一歩で3mくらいを滑るようにして一気に駆け降りる大砂走り。
残念だけど、命にはかえらんないな。
ちょっと気落ちしたものの、何もそれだけのためにきたわけじゃない。
気を取り直して先へ進もう。
その建物のすぐ横、吉田口下山道の分岐点(*注)でひと休みしてると、雲に追い付かれたらしく、深い霧が近づいてきた。
辺りはたちまち白く霞んでしまう。
うわ、ちょっと肌寒い。
ふと髪を触ると、びっしょりと濡れている。
こらあかん、レインスーツを羽織ろう。
このブログのコアなファンならご存じだろうが、よこみちは以前、雨の六甲山に着ていったビニールのレインコートで痛い目をみたから、今回はちょっとマシなレインスーツを持ってきていた。
東レのエントラントという透湿素材で、ゴアテックスに比べると見劣りするものの、はるかに安い。
頻繁に山に行くわけではないので、よこみちにはコレで十分。
さて、どんなもんかな?
がさがさ。
んー、長時間着たまま動くと蒸れるかもしんないが、今のところ全然気にならない。
風もしっかりさえぎって、ウインドブレイカーの代用としても十分。
いやぁ、良い買い物をした。
コレならむしろ積極的に、雨の日に山歩きに出かけたい。
また今度、雨の六甲山、リベンジしたいな。
新しい装備で心強く思ったよこみちは、若干の足の痛みを堪えながら、再び登りはじめるのだった。
*注) 実はここが6合目。とはいえ、全体を均等に割った数字ではないので、大して進んではいない。