銭湯区域の変更

よこみちです。



イチヒメが保育所で、ハンカチ落としを教わってきたらしく、得意げに



「ハンカチ落としって知ってる?
教えたるわ」



と、よこみちにルールを教えてくれました。



それからしばらくして、テレビを見てくつろいでるよこみちのまわりを、鼻歌を歌いながらうろつくイチヒメ。



「気ィ付けやぁ」



ん?
何のこと?



ふりかえると、よこみちの後ろにハンカチが。



抜き打ちかよ!



さて、懲りずにまだ続くよこみちの富士回顧録、もうしばしのお付き合いを。






よこみちとmark-naを乗せたタクシーは、山道を抜けて市街地へと。



あぁ、降りてきた。



ようやく富士から降りた実感をよこみちが噛み締めていると、mark-naが時刻表から顔を上げて、



「アカンわ、風呂どころか、新幹線の時間にぎりぎり」



むぅ、致し方ない。
風呂入るためにもう1泊、てのももったいないしなぁ。



じゃあさ、新大阪に着いてから銭湯行く?



「んー、新幹線に汗臭いまま乗るのもアレやから、デオドラントスプレーかなんか買おか」



それもそうだ。



じゃ、そんな感じで。



といった具合で算段していると、タクシーはもう駅前近くに着いたみたいで。



まっすぐ行けば、もう駅前に出るはずの道を、急に路地へと入っていく。



え?
あれ?



よこみちが呆気にとられていると、



「ここに銭湯があるんですけど、どうされます?」



あ、ああ。
そういえば駅前にあるか訊いてたね。



って、さっきまでの話は聞こえてなかったのかよ。



とツッコみそうなこころをぐっとこらえて、



「いや、良いです」



タクシーは御殿場駅前のロータリーへと入っていくのであった。