Naked Cafe

横田創(小説家)

半熟目玉焼き丼 ……とにかく、半熟がやばめ

仕事がら、昼間家にひとりでいることが多いのだけど、おなかがすいた、けどあまり料理に時間をかけたくないときはご飯を炊いて「半熟目玉焼きご飯」にします。穴熊の休日の日はふたりでブランチみたいに食べたりもします。

ポイントは黄身が半熟で、ちょっと贅沢な卵かけご飯みたいになることと、目玉焼きの下にもみ海苔を敷くことです。というのも実はこれ、卵かけご飯のわたしなりの改良版なのです。わたしは生卵の卵かけご飯の白身のずるずるっとした感じがあまり好きではなくて、全部捨てるとさすがにぱさぱさするから黄身と一緒に半分だけ残してご飯の上に落としていたのですが、やはり白身がもったいない。で、焼いてみようと思ったわけだけど、元が卵かけご飯だから黄身がとろっとしている半熟でないと意味がないのです。箸で割るようにご飯とまぜると、醤油が沁みた黄身とご飯のところと、白身だけのところと、白身も黄身もない海苔だけのところができて、シンプルな割りに意外なくらいムラができるのが気に入っています。



半熟目玉焼き丼の作り方(1人分)
ご飯 お茶碗1杯
 1個
焼き海苔 半枚
万能ネギ 好きなだけ
醤油

 ごくごく少量の油をフライパンに垂らす。ほんの一滴。なら入れなければいいじゃないと思うかもしれないけど、入れないと蓋を閉めて蒸し焼きにするときのフライパンの中の温度が上がらないので入れないわけにはいかない、けど入れすぎると水を入れたときばちばち言って怖い、けど目玉焼きのふちをカリっとさせたいので入れる、というか垂らす。
 中強火で熱したフライパンの上の一滴の油の上に卵を割って落とす。五秒か十秒してから水を大さじ1投入してガラスの蓋をする。中弱火にして眺める。すると透明だった卵の白身が外側からだんだん白くなってくる。その白い波が黄身のふちに達した瞬間、迷うことなく火を止める。蓋はしたまま。蒸らしているあいだにご飯をよそって、海苔を揉んで散らす。万能ネギを刻んでなければちょっとだけあわてて刻む。
 半熟になった目玉焼きをご飯の上にのせて、万能ネギを散らす。潰した黄身に染み込ませるように醤油でムラを上手につくりながら食べる。

器はなんでもいいけど、ちいさいほうがなお良しです。というか、器はなんでも、どんな料理でもちいさいほうがいいかも。サイズをちいさくするだけで、あれってくらい気分がおいしくなります。わたしは無印良品の白いどんぶりを使っていて、このサイズより上のサイズがあるけど、断然こっちの、中くらいのサイズがおすすめです。夜食でインスタントラーメンをふたりで1食を分けて食べるときもこのサイズの器を使います。なんでなんだろう。おおきすぎる器は中身を貧相に見せるからかもしれません。