血液魚雷

yomimaru2006-06-02

bk1

血流と逆行して進む不自然な影を心筋梗塞患者 緑に発見した放射線科医 祥子は、試験稼働中の高性能カテーテルアシモフ》で血管の中に《潜る》のだが――極小世界の凄絶な攻防戦。第3回『このミステリーがすごい!』大賞最終選考作*2
この作者の作品は、爆撃聖徳太子*3諸葛孔明卑弥呼*4もそうでしたが、最後にアッパーで決めるタイプではなく、とにかくジャブジャブジャブの連打で、体力を削られて気付かぬうちに打ちのめされる感じで、本書もその展開。
現代版ミクロの決死圏*5というよりは、松坂慶子の体内に潜る 悪魔の住む花*6や、折れた注射針を追う 針(手塚治虫)*7の雰囲気に近い印象。
開発中製品ならではの欠点満載な決して万能ではないアシモフ、人間側のコミュニケーション不全でうまく使いこなせないところなどが、緊迫感をうまく増していて、とにかく血管の中の戦いがドキドキものでした。

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