ひと夏の経験値

yomimaru2006-09-14

bk1
著:秋口ぎぐる 画:濱元隆輔 富士見ドラゴンブック*1

テーブルトークRPGに暑苦しい情熱を捧げる男子校生の「おれ」達也は、サークルに現れた初心者 菜々子に一目惚れ。夏休みで帰郷してしまう彼女をもてなすため、マスターの「おれ」は――甘くてしっぱい、もぎたての経験値(青リンゴ味)。
中学高校時代に入っていた漫画家の公認ファンクラブでは、本書とは違って男女比が半々だったので、お姫様状態にはなっていなかったことを思い出しました。
図書館を回ったり、昼ご飯を抜いて本を買ったり、お金がないなりに色々やっていたあの頃の私からすると、達也の変に強情な信念「買えないなら読まない」には突込みまくり。
普通の劇中劇モノだと、劇中劇→観客/本文→読者で対応をとって重層化を図ることが多いように思うんですが、TRPGが「観客のいない即興劇」なせいか、達也のシナリオと達也自身の物語とがあんまりリンクしておらず、珍しさを感じました。
ひと夏の経験値(火浦功) *2 *3とは大分趣きの違う作品。サークルクラッシャーの苦い思い出を感じたい方に。

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