悪人列伝 古代篇

yomimaru2006-11-17

bk1

歴史上の《悪人》たち、入鹿、道鏡、薬子、善男、将門、純友。彼らは本当に悪人だったのか――時代背景の詳細な解説とともに悪人の実像に迫る待望の復刊。
逆説の日本史(井沢元彦) *2では、『百人一首』にも選ばれていない大伴黒主が何故六歌仙に選ばれているのか、の謎に絡めて、応天門の変の真相や伴大納言善男と大伴黒主の関係がいつものように怨霊で論じられています。
承和13年(846年)に善男が上司を陥れた疑獄事件から、彼の出世欲に言及するところは同じなんですが、応天門の変の真相については正反対の結論です。
何かのきっかけである歴史上の事件に興味を持つと、同じ事件を扱っていても評価が全然違ったり、いつまでも奇説が登場したり。ああでもないこうでもないと想像する愉しさは、学生時代の歴史の授業では感じられなかったこと。
そのうち本書の悪人も鯨統一郎*3 *4によって評価がひっくり返ることを期待しつつの お薦め。

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